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子どもが変わる瞬間②跳び箱がとべた〜奇跡の0→1を起こしたB子(小3)〜
体育のとび箱の授業の時、私はいつもこう宣言することにしている。
「誰だってとぶ力を持っている、全員がとべるんだ。信じられない人?」
半分が手を上げる。
「その中でとびたい人?」
その全員が手を挙げる。私は、全員の顔を見つめ、こう伝えた。
「いいかみんな、絶対30分でとべるから。とべたら、人生変わるから。一緒にチャレンジするよ!」
私は、とび箱を通して、自分の力の凄さに気がついてほしい、自分の力をもっともっと信じてほしい、そう思って声をかけた。
私は、子供たちにコツを教えた。子供たちは一生懸命練習に取り組んだ。みんな真剣だ。
とべる子がどんどん出てくる。とべない子がだんだんとへってくる。ついにB子1人。とべていないB子は泣きそうだ。
そうすると、自然と周りの乗り越えた子たちから、応援の声が。「がんばれー!俺だってできたんだ!絶対できる!」
B子は補助付きでとぶ。そして、口を真一文字に結んで、「やってみる」
全員が見守る中、助走をし、ロイター板をけり、手をついて、お尻がつかないよう体をのけぞらせながら、とべた!できた!体育館中が拍手に包まれた。
B子は泣きながら「できた!やったー!できた!」みんなに祝福されながら、ガッツポーズをしていた。
授業後、B子は私のところにやってきて、こういった。
「私、九九も苦手だけど、何かできそうな気がしてきた。だって、絶対できないと思った跳び箱ができたもん。」
B子は九九も必死に取り組んだ。休み時間も、時間を惜しまず、取り組み、年が変わる前の12月、ついに、「できるようになったよ!」
一緒に取り組んで、初めてできないことができるようになったB子。
今度は自分の力で、できない九九ができるようになった。
この後、自分で「やりたい!」と思ったサッカーを習うことになり、一生懸命練習し、活躍することができた。