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クリスマスカラス【毎週ショートショートnote】

「僕のクリスマスプレゼントがない!」

クリスマスの朝っぱらから、悲鳴が上がりました。

「お、おかしいなあ。ちゃんとサンタさんは来たぞ」
「そうよ、お菓子とお茶を出して……」

でも枕元のプレゼントは影も形もありません。
パパとママは首をひねるばかりでした。

事件が起きたのは、その家だけではありません。
決して多くはないけれど、ぽつりぽつりと同じような声が聞こえてきます。

「ああ、あれはクリスマスカラスの仕業だね」
「奴らは賢いからね。ちゃーんと見てるんだよ、子供たちのことを」

街の隅っこで老婆たちがひそひそと囁きました。

その子たちの親は知らないのです。
実は自分の息子や娘が、外でお友達をいじめていることを。
だってお家の中では、いい子の顔をしてるんですから。

でもね、カラスたちは見てるんです。
だからおしおきで、夜の間にプレゼントをさっと盗っていってしまうのですよ。

さて、今年はどうかしら。
ほら、電線にカラスが1羽、2羽、3羽。
あなたのお家は、大丈夫?

(416字)


【あとがき】
クリスマスだというのに、ずいぶんブラックな仕上がりになってしまいまいした。たまにブラック柴子が降りて来るんですが、何もこの時期に(笑) 同じアプローチでも、槇島ロジさんとは正反対の内容になってしまいました。これも書き手の人間性によるものでしょうか……

先週は諸事情につきお休みしてしまいましたので、今週は頑張って参加しました!裏お題まで書けるかなあ……


*この記事は、以下の企画に参加しております。

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秋田柴子
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