サラダバス【毎週ショートショートnote】
凪いだ湖面に、かすかに波紋が走る。
誘うように動くルアーは、選びに選んだ胡麻ドレだ。
この湖にのみ生息するといわれる幻のバス。
肉食のブラックバスなんかと違って草食性で、しかも個体によって好むルアーが違うという神経質で気難しい魚だ。
――来た!……と思ったら、あっさりバラけた。
やはり仕掛けが露骨過ぎたか。ここはひとつ、シンプルにサウザンでいってみよう。
シェイクするように動くサウザンルアーに、今度は正真正銘のアタリが感じられる。これは大きいぞ!バス釣りで最もエキサイトする瞬間だ。
獲れたてのバスは、つやつやとして瑞々しい。この赤いボディラインはトマトサラダバスだな。泥臭いブラックバスと違って、サラダバスはさっぱりとした美味しさのヘルシーな魚だ。その場で捌いて食べられる。
生は寄生虫が心配?
ああ、グリーンサラダバスには稀にサラダムシがいるけどね。大丈夫、悪さはしないよ。おとなしく菜っ葉を食べて蝶になるだけだから。
【あとがき】
釣りは全然やらないので、よく判りません(笑)
簡単そうで難しいお題ですねえ。いつものことか。
ほんとは楽器のコントラバスと絡めてみたかったんですが、まったく思いつかず……。誰か書いて下さったら嬉しいです。
*この記事は、以下の企画に参加しております。
いいなと思ったら応援しよう!
お読み下さってありがとうございます。
よろしければサポート頂けると、とても励みになります!
頂いたサポートは、書籍購入費として大切に使わせて頂きます。