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【#創作大賞2024】蒼に溶ける

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『創作大賞2024』ミステリー部門応募作品です! 75000字と長めですが、お立ち寄りいただけたら嬉しいです!!
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#創作大賞2024

【#創作大賞2024】蒼に溶ける 序 章

【あらすじ】 「――お別れのお時間でございます」 神妙な声を合図に、デッキに集っていた人…

秋田柴子
4か月前
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【#創作大賞2024】蒼に溶ける 第1章 ① 特権

←  前の話・序 章 画面いっぱいに映し出された蒼い海の画像に、沙和子は小さく息を洩らした…

秋田柴子
4か月前
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【#創作大賞2024】蒼に溶ける 第1章 ② 火事

←  前の話・1ー① 特権 時は1999年に遡る。 2000年という大きな節目を前に、浮足立つ年の…

秋田柴子
4か月前
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【#創作大賞2024】蒼に溶ける 第1章 ③ 海還葬

←  前の話・1-② 火事 「――だから私は小さい頃から火葬が怖かったの。でも日本だとそ…

秋田柴子
4か月前
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【#創作大賞2024】蒼に溶ける 第2章 ① 葬儀

←  前の話・1ー③ 海還葬 歳を取ると、月日の流れは年ごとに早くなる。 それから二年の時…

秋田柴子
4か月前
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【#創作大賞2024】蒼に溶ける 第2章 ② 違和感

←  前の話・2ー① 葬儀 「――相変わらずだね、お父さんは。お祖父ちゃんたちやお兄ちゃん…

秋田柴子
4か月前
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【#創作大賞2024】蒼に溶ける 第2章 ③ 母と娘

←  前の話・2ー② 違和感 結依の言葉が引き金になったかのように、沙和子の口から心の欠片がぽつぽつとこぼれ始める。 「恵まれてるっていうのはよく判ってるの。お父さんに言われるまでもなくね。だから逆に誰にも言えなかった。だって何をどう言ったって、自慢か嫌味にしか聞こえないもの」 結依は、さもおかしそうに笑った。 「お金に不自由してないから働かせてもらえません、夫は優しいです、何でも買ってくれます、どこにでも行かせてくれます、でもそれは私の望むものじゃなくて夫の望むもの

【#創作大賞2024】蒼に溶ける 第2章 ④ 本音

←  前の話・2ー③ 母と娘 「私も? どういうこと? 私はもうこの歳で……」 だが結依は…

秋田柴子
4か月前
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【#創作大賞2024】蒼に溶ける 第2章 ⑤ 急報

←  前の話・2ー④ 本音 晃雄の VirtualPhone(ブイホ)が鳴ったのは、まだ日暮れ前の六時…

秋田柴子
4か月前
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【#創作大賞2024】蒼に溶ける 第2章 ⑥ 喪失

←  前の話・2ー⑤ 急報 「お母さん! お母さんっっ!! なんでっ……どうしてよっ……!…

秋田柴子
4か月前
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【#創作大賞2024】蒼に溶ける 第2章 ⑦ 決裂

←  前の話・2ー⑥ 喪失 「ちょっと待って、お父さん。確かお母さんは、火葬を嫌がってたっ…

秋田柴子
4か月前
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【#創作大賞2024】蒼に溶ける 第3章 ① 勘違い

←  前の話・2ー⑦ 決裂 母の沙和子が交通事故で急逝してからというもの、結依の足はすっか…

秋田柴子
4か月前
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【#創作大賞2024】蒼に溶ける 第3章 ② 迷い

←  前の話・3ー① 勘違い 「そういう父と兄のいる家が苦手で、私は早くに家を出ちゃったん…

秋田柴子
4か月前
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【#創作大賞2024】蒼に溶ける 第3章 ③ 施設

←  前の話・3ー② 迷い 沙和子が亡くなって一か月が過ぎた頃、結依のもとに兄の大樹から連絡があった。 「どうしたの? お兄ちゃんが電話なんて珍しい」 『いや、今後のこともあるからさ。父さんから連絡が来ただろ? 一度こっちに帰ってこいって』 結依は曖昧に唸った。 今後の相談という名目はもっともだが、母のいない実家へ足を運ぶのがどうにも億劫で仕方ない。仮に行ったところで、母がいた頃のあの居心地の良い空間は、ほとんど消え失せたと言ってよかった。 あの広く手のかかった造りの