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爪をけずる

何時ぞやか、とある女子がおれの手を取り爪を触りながら

「男子はこんなものか。」

そんなことを言っていた。

そしてそれを無印良品の店内で突如として思い出した。

とりあえずカゴに一式を放り込みお会計。

四種の神器らしい。

①ハードタイプの爪やすりで爪の形を整え
②ノーマルタイプで爪の表面を削り
③ソフトタイプで爪の表面の綺麗に整え
④オイルを塗り塗りして輝きを出す

らしい。

甘皮処理?
知らない子ですね。

最近、自宅にいる際にエンドレスリピートし続けている曲を聴きながら無心で削り整える。

幼少期に母親が居間で黙々とネイルケアをしていた後ろ姿を思い出した。
CHANELの高そうなあれこれを使っていた。
母の爪は赤かった。

自身の爪に光沢が出始めるとほんの少しだけ心が和らいだ。

一通り処理を終え(なんとなくの判断で)オイルを塗りこんでいく。

また記憶が軋む。

「きみもネイルサロンに行けばいいのに。手入れするのは悪いことじゃないよ。一緒に行くかい?」

行ってみりゃよかったな。
まあいい。

大丈夫。
今は1人でしっかりやれています。

色はつけねど爪の処理をするのは良いことなのかもしれない。
女に産まれていたら夏には爪の水槽に金魚を浮かばせるか高山植物の花弁か色をモチーフに彩っていたかもしれない。

ペティキュアの色は暗色がいい。
アンクレットも付けたかった。

女になりたいわけではないけど、自分を彩ることは良いことなのかもしれない。


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