「沖縄はいつも搾取されてかわいそう」という歴史観が壊れる時
4年前、来間泰男の『人頭税はなかった』(2015年・榕樹書林)という本が話題になりました。
人頭税とは、近世沖縄八重山地方にあった税制です。年貢という形ではなく、ひとり当たりいくらという「人に対する税」「労働で払う税です。
過酷な税に八重山の民衆は苦しめられました。しかも、明治政府による琉球処分以降も「人頭税」は放置され、そのために八重山地方の住民たちはその取り立てに苦しみ続け、その後、反対運動の末にようやく廃止されたというのが通説です。
宮古・八重山の人たちがいかに搾取され、苦しんできたか?
という話の中に必ずでてくるお話ですよね。
しかし来間先生によれば、実は、「人頭税」という名称自体がほんとうはなくて、明治の役人によって初めて名付けられたものだというのです。
実際は「頭掛け」という名称で、「頭掛け」は、八重山地方だけでなく沖縄本島でも行われていたそうです。
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