日本語のラ行って10種類あんねん〜巻き舌とは何か〜
「文中のラ行が巻き舌になってしまう事があります。おそらく力強く発声しすぎてしまう事が原因と思われるのですが、発声時のポイントや対策などあればお聞きしたいです」
というご質問をいただきました。
簡潔にこの質問に回答すると
「舌を"面"ではなく"点"で発音してあげよう!」
というアドバイスになります。
説明していきますね。
日本語としてのラ行は実は結構発音に揺れがあって、僕が観測した限り子音が10種類ほどあるのですが
(詳しくはこちらのXポストをどうぞ)
これだけマスターすれば綺麗な日本語のラ行に聞こえるよ!という子音が2つあります。
[ɹ]歯茎側面はじき音
[ɾ]歯茎たたき音
この2つです。
このうち
[ɹ]歯茎側面はじき音
は語頭や「ん」「っ」の後のラ行で出てきやすい子音です。
語中、文中に出てくるラ行は主に
[ɾ]歯茎たたき音
こちらの子音です。
これは、
「舌の筋肉を一回だけ収縮させてとても短い時間舌の先を歯茎に接触させる」
という音。
まさに、舌先で歯茎をたたくような音ですね。
そして、巻き舌とはそもそもどんな音なのか。
巻き舌は国際音声記号的には
[r]歯茎ふるえ音
と言います。
舌先の面と歯茎が瞬間的にくっついたり離れたりを繰り返す音です。
文中のラ行が巻き舌になってしまう(巻き舌にならないようにしたい)という課題を解決するには
[ɾ]歯茎たたき音
[r]歯茎ふるえ音
この2つの子音の違いを明らかにして、「ふるえ」ずに「たたき」でラ行を発音すればいい訳です。
歯茎たたき音は「舌尖音」といって、舌先(点のイメージ)を歯茎に接触させる音。
これに対して歯茎ふるえ音は「舌端音」といって、舌先からその背後にわたる部分(面のイメージ)を歯茎に接触させる音。
舌先を「点」でくっつけるか「面」でくっつけるか
という違いがあります。
たしかに、舌先を点で歯茎にくっつけて巻き舌の音を出すのはかなり困難だし、
舌先を面で歯茎をたたくと、破裂音的になって「タ行」っぽくなってしまいます。
というわけで、文中のラ行を発音するときは
「舌先を点のイメージで歯茎に当てるようにすると、巻き舌になる可能性はかなり軽減される」
と思います。
ぜひ意識してみてください!
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