見出し画像

機動戦士ガンダム 水星の歌姫

水星の歌姫

最近偶然に、森口 博子の「水の星へ愛をこめて」のYouTubeの映像を観た。

それは彼女の「GUNDAM SONG COVERS 」というアルバムに収録されている曲のうち、第1曲目であり彼女本人の曲を歌っている様子である。

物静かで感じのいい雰囲気の中で始まり、ピアノやヴァイオリンの心地よい演奏に乗って、懐かしい「青く眠る水の星にそっと~♪」という彼女の美しい歌声が響く。

もちろん知っている曲だったこともあるが、そのアレンジの完成度の高さに心惹かれ、何度も観てしまった。

2018 年にガンダム生誕40周年を記念してNHKで放送された「発表!全ガンダム大投票」という番組で、ガンダムの全歌の中で森口 博子の「水の星へ愛をこめて」が1位に選ばれた。

ちなみに彼女の「ETERNAL WIND」も3位に選ばれた。

その快挙をきっかけにして、翌年森口 博子自身がランキング1位から10位までの曲を歌い上げるというこの「GUNDAM SONG COVERS 」というカバーアルバムが発売された。

発売後その人気は予想以上で、売れ行きは10万枚を超え、その年のレコード大賞の企画賞を受賞した。

実は私も一応ガンダムファンであり、ここまではすでに知っていたが、あまり気にしてはいなかった。

しかし実際に彼女の歌う映像を観て、
スゴく良かった。

そういえば発売した頃TV の歌番組にもよく出演していたが、今回の映像が一番いい!

そんなことを考えていたらこのアルバムが欲しくなり、ついに買ってしまった。

ダウンロードという手もあったがCDを選んだ。

本音を言うと、初回限定の「Zガンダムとノーマルスーツの森口 博子」のカバーイラストバージョンが欲しかったが、さすがにもう遅すぎる。

でも森口 博子の写真バージョンを入手したが、ちゃんと説明書の中に初回限定のイラストのページもあり、それはそれで満足できた。

さて、ではそれらの曲をさっそく聞いてみると、どれも見事に歌い上げ、森口 博子の歌唱力の高さを思い知った。

その中でも特に心に響いたのは、「逆襲のシャア」の主題歌で4位に選ばれた「BEYOND THE TIME」

難解な名作のエンディングにマッチした名曲である。

カラオケでよく歌ったし、私自身の思い入れも強い曲だが「女性の声で歌うとこんな感じになるのか」とその素晴らしさに感動した。

買って大正解だった。

このアルバムは現在シリーズ3まで発売されている。

このあとの購入を検討してみるか。




逆襲のシャア 友の会

さて「逆襲のシャア」といえばもう一つ、最近こんな本が発売された。

あの庵野 秀明責任監修の「逆襲のシャア 友の会」という同人誌の再販である。

ちょっと高額だったが、「逆襲のシャア」についてのプロの批評がぜひ聞きたかったのと、庵野監督なら間違いないと出版前に予約して購入した。


読書後の感想
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 友の会

さてその内容は、
基本的に広い範囲(漫画家や脚本家、プロデューサーなどを含む)で1993年当時のアニメの業界人として第一線で活躍する人々を対象に、映画「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」についてインタビューし、各人の作品に対する評価や考えを庵野 秀明が編集しまとめたもの。
ちなみに最後には、映画の監督である富野  由悠季自らのインタビューも収録してある。

「逆襲のシャア」といえば、ファーストガンダムのラストを飾る名作とされているが、その内容は難解で、私も3・4回観た。
その結果、時間も経過し、私としても名作と解釈していたが、作品について友人などとあまり深く議論することはなかった。
そこに突然本書の発行(復刻)を知った。
確かに高額だったが、あまり抵抗はなく、「逆襲のシャア」に対してぜひ制作者側のプロの評価を聞いてみたいという想いが先行。
そこに庵野 秀明の名を聞いてハズレはないと確信した。
さて本が届きいざ読んで見ると、アニメの業界人(とまとめる)から様々な「逆シャア」に対しての貴重な意見が聞けた。
特に新鮮味を感じたのは作品に関する性描写
ファーストガンダムの中にそういったシーンがあったのに、気づいていなかった自分を知り、そうだったのかと腑に落ちた。
また、「逆シャア」ばかりでなく当時のアニメ業界の縮図というか、業界人の関係も知ることができた
先に性描写と書いたが、宮崎 駿作品と富野 由悠季作品の本気度の違いなんかも知り、ジブリ作品で育った私としては、抵抗なく受け入れていた普通が、よくよく考えると確かに不自然なところ(ロリコン!?)についても意見を聞け、今さらだがアニメに対する視野が広がった気がする。
最後のインタビューは富野 由悠季なのだが、とても過激な内容だった。
しかし、「逆シャア」の根幹を知る貴重な意見を、特にアムロとシャアとは富野監督にとってどのような存在であったかを知り、「逆シャア」に対する見方も変わった。
シャアは監督自身の自己投影であり、アムロはコントロールできない子供でヒーローではなかった」「それゆえ、映画の最後はアムロが勝って終わったように見えるが、実は勝てなかった」「だからシャア(富野監督)が塩を送らざるを得なかった」という会話は、自分にとってまさに映画の解釈を変える驚きの内容だった。
よりシャアが好きになった。

最後に庵野 秀明が語っているが、この「逆シャア」があったので「エヴァンゲリオン」が生まれきっかけになったとも言っている(インタビュー当時はまだ企画段階であった)。
 
「逆襲のシャア」に対するまさにプロの批評が聞けてとても面白かった。
ぜひこの本は機会を見てアニメオタクの友人に貸して意見を共有したい。

これを書いた後は、私も再び映画を観るつもりだ!

読書後の感想

読み終わってみると、「機動戦士ガンダム」という作品のとらえ方が変わり、とても得ることの多い本だった

魅力的なキャラクターを生み出すヒントになるかな。

でもシャアを超えるキャラクターなんてハードル高かそう。

いや、かなり高いな。

でもまぁ、

今後の小説の参考にしたい。。。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?