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【#ざっくりレビュー】2019 J1リーグ第20節 ヴィッセル神戸戦

akira(@akiras21_)です。
バタバタしてたものがよーやく落ち着いてきそうです。

【前節の振り返り】

・海外移籍を果たした天野純に代わり、負傷離脱明けの扇原貴宏が先発
遠藤渓太、ついに今季初ゴール
・疑惑の判定も、スタッツでは浦和を圧倒しリーグ戦2連勝

てんやわんやのでんがなまんがなといった様相の浦和レッズ戦でしたが勝利を収め、7月の公式戦はここまで3戦3勝。今節のヴィッセル神戸戦で月内全勝が懸かる展開となりました。そういやアウトレイジネタは最初しか使わなかったっすね。知らんけど。

【vs神戸 前回対戦の振り返り】

・負傷離脱明けのエジガル・ジュニオが先発復帰
「マルコス・システム」初のお披露目
・面白いように試合を支配してあれよあれよと4-1勝利

神戸自慢の外国人トリオ・VIPはV(ダビド・ビジャ)しか来なかったけど、日産スタジアムは4万人超の大入り。あの時の配布ユニは未だにスタジアムでよく見かけますね。

この神戸戦から今節に至るまでリーグ戦8試合は6勝2敗と、急浮上のきっかけになった試合であることは違いありません。んなもんだから今回も期待しちゃうよね!

といった感じで、今節のメンバーは以下。

[4-2-1-3]
GK:朴一圭
DF:広瀬陸斗、チアゴ・マルチンス、畠中槙之輔、ティーラトン
MF:喜田拓也、扇原貴宏、マルコス・ジュニオール
FW:仲川輝人、エジガル・ジュニオ、遠藤渓太

[SUB]
飯倉大樹、伊藤槙人、和田拓也、大津祐樹、山田康太、三好康児、李忠成

よく言われる「勝ってるチームはいじらない」という流れを汲んだのか、先発メンバーに変更はありませんでした。が、一方で今夏新加入組の伊藤槙人がさっそくサブメンバー入り。この時、まさかあんな展開が待っていようとは…

これ以上は語るまい!さっそくいってみよう!

思うてたんと違う!!(CV:笑い飯・西田)

はい、神戸はまさかの4-3-3スタート!4-4-2とかじゃないかって言われてたのに!そして速攻からビジャがハーフスペースを攻める!からの早速クリリンが削られる展開に!ここまで1分とか忙しすぎるぞこのオープニング!

立ち上がりの神戸はFW2人(ビジャ、ウェリントン)をハーフスペースに配置し、MF2人(安井拓也、イニエスタ)を中央に配置しつつ、

①FW陣がコースを切りながらジリジリと寄せていく
②喜田は2人で挟み込む
③サイドに寄せたら密度上げてボールを奪う

といったやり方を披露。そしてこぼれ球を古橋亨梧が拾ってミドルを狙う感じ。古橋はじっくり攻めるパターンだと本来の右サイドに入ったり、まーとにかく走るんですわ古橋が。そういえば前回対戦はケガしてて出てなかったですね。

走るといえば、山口蛍もまーまー走ってます。前線のプレスのこぼれ球を狙いに行ったかと思えば、サイドに寄ったボールを奪ってイニエスタにパス、そしてイニエスタビジャにドンピシャのパス。

別に狙ったわけじゃないよ!たまたまだから「早野乙」とかいらないよ!

まーそんなこんなで笑い飯・西田ばりの「思うてたんと違う!!」が聞こえてきそうな展開だったわけですが、一方で神戸は基本的にあんまり寄せてこないし、攻撃時はシステムの重心をかなり前に持ってくるので、ボールを奪えた時のカウンターは結構前に運べていました。

そして気になるイニエスタ対策はというと、もちろんイニエスタ自身にもプレスは掛けにいくんですが、出し先を切ってこうというパターン。なので、あくまでボールから遠い場合ですが、イニエスタ自身は結構浮いてたりするんですよね。それよか仲川が守備に走ってることのほうが注目すべきでしょうね。知らんけど。

ほいで攻めてはギリギリまで惹きつけてからパス、それを繰り返したら遠藤なりティーラトンなりにポーンと預けて前進と実に明快なやり方。昨季もわりとそうでしたが、マリノスはビルドアップしての攻撃については左サイドを使うことが多いです。遠藤が倒れないタイプのドリブラーだからですかね。

とか言ってたら喜田とイニエスタの1対1(14分31秒ごろ)が!相変わらずバチバチやってるけどボールをロストした喜田は3バックの右にいたんだよな!今更だけど相変わらずポジションの概念を無くしにきてるぜ!

といったところで、15分を過ぎたあたりから神戸にも若干の焦りが見られるようになります。浮き球の落下地点で選手がカブっちゃったり、まだ余裕あるのに蹴っ飛ばそうとしたり、イニエスタがボールを受けに下がってきちゃったり。

そんな中で、マリノスをハーフコートに押し込んでから、ビジャからの折り返しのボールを受けた初瀬亮がクロスを上げて、それにウェリントンが合わせるもオフサイド…みたいな危ないのもひとつありましたね。

オフサイドということでゴールキックから再開しましたが、その後すぐさまガンガンプレス掛けてきたりとなんだか落ち着きのなさを感じさせる動きでした。たぶんスカウティングに従った動きなんでしょう。知らんけど。

関西でスベる

その後も神戸はハーフスペースを狙ったロングボールによる攻撃を展開。ほいじゃこちらも、といった具合にマリノスもハーフスペース付近を抜けていく低弾道のロングボールを使ってあっという間に前線へ。

そうなると神戸は全力で戻ってきてブロック守備を敷きます。だからといってガツガツ球際に来るかといったらそうではなく、むしろ扇原→ティーラトン→仲川みたいな感じでつないでペナ角※付近からの攻撃も仕掛けちゃったりなんかして。

ペナ角
「ペナルティエリア角」のこと。いわゆる「ハーフスペース」でもあるため、ここを経由したプレーは得点のチャンス・決定機につながりやすいとされる。
(参考)https://everest8848.net/2018/09/08/%E3%83%9A%E3%83%8A%E3%81%AE%E8%A7%92%E3%81%A3%E3%81%A1%E3%82%87%E3%81%B8%E6%8A%9C%E3%81%91%E5%87%BA%E3%81%9B/

てな具合でそこそこマリノス優勢で試合は進むんですが、一方でなかなか決定機にはつながらず。ていうか試合前に水を撒きすぎたのか、やたらと選手が足を滑らせてるのも気になりました。

「関西でスベる」って、もういろいろと良くないイメージしかない(当社比)ので早くなんとかしてほしかった。ボールはおろかチアゴの足にすら当たってないウェリントンのスライディングがなぜかファール取られたりとか、もう本気で嫌な予感しかしなくて。

そういえば、30分ごろの守備時のフォーメーションが4-4-2になってたのは珍しかったですね。たまたまだとは思いますが。

1点目:またじゃ(CV:千鳥ノブ)

さーてそんなグダグダ…攻めあぐねた展開の中、寺西裕一アナウンサーが「マリノスはここまでシュート0本」とか言っちゃうもんだから、前節に続いてウイイレ感が出てきちゃったわけですよ。そういや今節も水沼貴史解説員でしたね。そしたらエジガルが強烈なミドルを放って本日のマリノス初シュートを記録。

そしてですね、遂にスベっちゃったんですよ。神戸のGK前川黛也が。

37分7秒ごろ、バックパスを追いかけてったエジガルがスライディング。前川がそれをかわそうとしてツルッといってしまいました。これで前川の足を離れたボールをエジガルがすぐさま回収、寄ってきていた遠藤にパス。浦和戦に続いてまた左サイドじゃ(CV:千鳥ノブ)

で、遠藤は中央レーンにいたクリリンにパス。同時並行で、仲川が逆サイドハーフスペースを駆け上がってきていたので、クリリンは仲川にパス。仲川がひとり、ふたりと細かいステップでかわす中、エジガルはひとりファーサイドでオフサイドライン際を見極めながらポジションを微調整。ほんでいい頃合いに仲川からパスが出てきたんで、エジガルとしては後はそれをゴールに流し込むだけ、と。やったぜ。

あとあれっすね、決定機だけは阻止しようとした山口蛍が突っ込んでった結果「仲川へのプレスどっちがいくよ?」問題が瞬間的に発生してた可能性ありますね。最終的に宮大樹とポジション丸かぶりになっちゃったし。知らんけど。

芝がトゥルットゥルやねん

イニエスタの超危ない抑えめのシュートなどありましたが、その他は概ねピンチもなくハーフタイム。強いて挙げるなら神戸のリズムに乗っかり気味な試合運びをしてたことでしょうか。ただ、強かにゆっくりとボールを回して時計の針を進めるやり方は、おそらくボスの美学に反するのだろうということはなんとなーく想像が付きます。知らんけど。

といった感じで後半スタート。メンバーもシステムも互いに変更はありませんでした。そんな中、パギがバックパスを処理しようとしてスベり、ボールが腕に当たってしまうという事態に。

これをハンドじゃないかと見る意見もあるんですが、不意に体勢が崩れたからとっさに出した手にハンド取られてたら、もうやってらんないっすよね。そういうことだと思います。

それよりもパギにプレッシャー掛けてたのが山口蛍、ってグイグイ来るやん。ほんで山口もパギと同じようなところでスベってるし。ピッチに撒いてたのってホンマに水なんか?知らんけど。

とまあ冗談はこのへんにしておいて、神戸の攻撃の基本線はあんまり変わってません。アタッカーはマリノス最終ラインの裏を狙って、ボールホルダーはそれに合わせて浮き球のロングボールを出す。そして、アタッカーが空中で競り合ってこぼれた球をイニエスタとかが拾ってそのままミドルじゃーというのが神戸のやり方のひとつだったと思われます。ウェリントンとビジャがいたらそうするよね、うん。

とかなんとかやってたら、思いもよらぬ緊急事態がマリノスを待ち受けていたのです…

アクシデントの嵐(いろんな意味で)

たっぷり書き溜めてた下書きがどういうわけかぶっ飛んじゃった(泣)ので結論から申し上げますと、エジガルの左足がとんでもない方向に曲がっちゃって負傷交代という非常にマズいアクシデントが発生。担架で運ばれてったエジガルが「マジか…」と言わんばかりに口元を押さえてたのが全てを物語っていました。

代わって入ったのは三好。事故が起こる前から扇原と代える予定だったみたいですが、まずはエジガルと代わることに。三好がトップ下、そしてクリリンが3トップの真ん中に入るという展開となりました。出てすぐ遠藤にすげー長い距離のスルーパスを出したあたりが三好です。横浜に家買っちゃえ。

なーんてのんきなこと言ってたら、今度は #Jリーグジャッジリプレイで取り上げて 案件にもなったチアゴの退場劇ですよ。もう何なんだと思いましたね。そりゃ下書きもぶっ飛ぶわけですよ。

そしてもっとぶっ飛んだのが伊藤槙人の投入。扇原に代わって出てきたわけですが、これはテンションがぶっ飛びました。本人もさぞぶっ飛んだことでしょう。だって、J1デビュー戦を10人でやるんですよ?しかも途中から入ってくるんですよ?オーキド博士からもらったポケモンじゃなくてグレン島のポケモンやしきあたりで捕まえたガーディがチャンピオンロードを行く頃に突如主力に食い込んでくるようなもんですよ?知らんけど。

フリーキックはイニエスタが蹴りましたが、どよめきとざわめきと胸騒ぎを軽く吹っ飛ばすパギの好セーブで試合のムードが戻ってきます。本日1パギ目

ここでシビレたのはシステム配置です。4-4-1です。両ウィングが1列下がり、喜田と三好がセンターハーフのような位置取りで、中盤〜最終ライン間をグッと狭めつつ、それでいて「一番強いのはな、ハイラインなんだよ!!」と言わんばかりのストロングスタイルを披露。イヤァオ!!

中邑にまさかこんな芸人ギミックが付くなんて思ってもみなかったよ!

#今日の伊藤さん (J1デビュー編)

試合に戻りましょう。基本陣形は4-4-1ですが、サイドハーフはボールホルダーが近くにいれば寄っていって最終ラインに組み込まれたりもしてたので、言ってしまえば変則的な5バックないし4.5バック、はたまた6バックを見ることすらできました。

ほんで何が凄いかっていったら伊藤の違和感の無さ。いやそれなりの期間チーム練習してたのは分かるんだけども、それにしたってすんなりでき過ぎてないか?と。クロスが上がれば小気味よくヘディングで跳ね返すし、それでいて最終ラインも乱さないし、何より超冷静。ワー坊を初めて見た時並みかそれ以上の驚きでした。

あとは10人になって逆に動き回れるスペースが増えたのと、それまでややマンマーク気味に守っていた神戸が的を絞りきれなくなったのか、1人少ないマリノスの方が躍動し始めるという展開に。神戸は攻撃時のサポート意識に欠けるというか、あるいは前線に4人が張り付いちゃうだとか、最近でこそ見られなくなりましたが、ちょっと前の良くない時のマリノスみたいな感じになっちゃってたんですよね。

あと、

裏抜けしたウェリントンが伊藤と交錯した結果コケながらのヘディングでボールをクリア

こぼれ球をビジャが鋭いパスでウェリントンに戻す

全速力でプレスバックしてきた広瀬にシュートを阻まれる

っていうこれまたウイイレ感あるシーンもありましたね。そこまでやって最後決まらんのかーい、みたいな。

2点目:仲川めっちゃ顔出すやん

ほいで神戸の攻撃を跳ね返したら来たぞ大チャンス!

縦の突破を試みた仲川を郷家友太がタックルで止めてファール、そしてそのリスタートに裏抜けで反応したのも仲川。ドリブルでボックス内に侵入した先で前川に倒されてアッサリPK。まー宮も寄ってってたんでレッドではなかったんやろなとは思います。

で、PKを蹴ったのはクリリン。バッチリ逆を突いてゴール。そして三好と遠藤を引き連れて気円斬。気付いたら仲川もおった。知らんけど。

何はともあれ、これで2点差。しかも1人少ないのに。まさしくこれ。

あの頃のCSKAってヴァグネル・ラヴがやたらイエロー貰ってたイメージなんだけど、かと思えば別の選手が退場してる…みたいな。知らんけど。

#今日の伊藤さん (違和感ゼロ編)

2点差を付けられた神戸はさすがに焦ったのか、宮を下げて田中順也、そしてほぼ目立ってなかったせいで「いたの?」ってなってた西大伍に代えて小川慶治朗を投入。スピード系ですよスピード系。ライン高いんだから裏狙ってけ、って感じですか。だとすればごく一般的。

一方マリノスは足の攣った仲川に代えてターミネーター大津を投入。かわいい顔してめっちゃ走るしめっちゃ体張るし、はたまためっちゃピン留めするしで毎度頭が上がりませんが、1人少ないこの状況では特に助かりました。

ていうか人数減ってようが自分たちのサッカーをやり切ろうとする選手たちホンマすごい。伊藤もしれっと古橋をファールで止めたり、イニエスタに関しては足先だけで止めてるし。クリリンなんか大名行列で退場したら即ピッチに戻ろうとするし。ヒヤッとした一瞬はどないしてくれんねん!

あとは古橋のボレーとか田中のポストギリギリのシュートとかといったピンチや、遠藤の惜しいミドルシュートとイニエスタにガツガツ行く大津、そしてゴール前の混戦で田中やウェリントンのシュートをことごとく体ごと阻止する伊藤槙人など見どころもありましたが、ホイッスルが鳴って勝負あり。痛みに耐えてよく頑張った!感動した!!

おわりに:Once In A Lifetime

ということで、度重なるアクシデントも跳ね除けてリーグ戦3連勝、そして7月公式戦全勝をマークしました。首位・FC東京との勝ち点差は3のまま縮まりませんでしたが、1節の結果で並ばれるプレッシャーをFC東京に与え続けることはとても大事です。

次の代表ウィークは9月頭。それまでの清水エスパルス、鹿島アントラーズ、セレッソ大阪、名古屋グランパス、そしてガンバ大阪と相対するリーグ戦5試合は今後の趨勢を見極めるポイントになるかもしれません。優勝戦線に留まるために負けなしは最低ライン、その上で勝ち越せたら上々といったところでしょうか。

そして、その前に…

次戦、マンチェスター・シティ。

ついに、この時が近付いてきました。現在のマリノスのアタッキングフットボールの源流ともいうべきシティ、率いるはペップ・グアルディオラ。2019-20シーズン最初の公式戦であるコミュニティ・シールドを8月4日に控え、今オフ最後のプレシーズンマッチを横浜で演じます。

ちなみに、直近の傑志(中国・香港)戦に臨んだシティの先発は次の通り。

GK:クラウディオ・ブラーボ
DF:カイル・ウォーカー、ジョン・ストーンズ、アイメリク・ラポルテ、アンヘリーノ
MF:イルカイ・ギュンドアン、ダビド・シルバ、ケビン・デ・ブライネ、レロイ・サネ
FW:ベルナルド・シルバ、ラヒーム・スターリング

アグエロやエデルソンこそ帯同していないものの、それでも聞き覚えのある選手だらけですね。

傑志戦のハイライトを観てみても、連係プレーで崩しにかかるスタイルは今季も健在。マリノスとも共通点の多いペップ・シティの迫力を肌で感じられるとなれば、リーグ優勝を目指すマリノスの選手たちにも大きな影響があるのではないでしょうか。

選手たちも心待ちにしているという一戦。ボスも「0-0では絶対に終わらない」と宣言するなど、あくまで真っ向勝負を仕掛けに行く姿勢を見せています。

7月27日、満員の日産スタジアムで19時30分キックオフ。

夢を、現実に。




来ないで台風(切実)

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