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【#ざっくりレビュー】2019 J1リーグ第28節 ジュビロ磐田戦

akira(@akiras21_)です。
メインイメージのこのTシャツ、見に行ってみたらいつの間にか販売終了してた…

【前節の振り返り】

【vs磐田 前回対戦の振り返り】

磐田が開始早々ファイヤーフォーメーションを披露してきた後はだいたい流れで点が取れちゃった試合でしたね。ということで今節のメンバーは以下。ちょっぴりフォーマットいじってみたよ!

喜田もティーラトンもおかえり、すぽると(CV:平井理央)
スタートポジションはあくまで開始位置!てなわけでササッと行きましょう!

ざっくり総括:ルキアンしゅごい

勝ったさ!

前回対戦時からいろんなことがあってガラリとチーム状況が変わった磐田ですが、約束事が整備されたのかなという印象でした。4-4-2をベースとして、人に付くというよりはスペース重視、守備に意識を置きつつもスキあらばラインを上げて連続攻撃の姿勢に打って出る。だいたいそんな感じでした。

そうそう、藤川とルキアンはいい選手ですね。特にルキアンは磐田の攻撃に欠かせない存在で、上手さもタッパもそれなりに兼ね備えててなんでも屋っぽさを醸し出してました。ちょっぴりマルキーニョスに重なる部分があったというか。横浜で夢を叶えないか。

さてマリノスはというと、前節の引き分けを無駄にはしまいとしっかり試合に入ろうと思ったらまーまーボール握られちゃってアタフタしちゃってという立ち上がり。そこから徐々にボールを握れるようになったところで先制。これが超デカかった。

その後も「ボールを持ってるほうが強いんや」というひとさじのジャイアニズムを発揮しつつ、試合展開がオープンになりかけてはそれを喜田名人が抑え、追加点取ったらはい閉店ガラガラ、といった具合…だけで済めばよかったんだけどねぇ…

ヘコんでばかりもいられない!軽傷だったらしいし!ということで両チームの狙いをざっくり捉えていきましょう。

要はハーフスペース合戦

ハーフスペース。すっかりおなじみとなりましたでしょうか。今回のポイントはこのエリアでした。以下の図では黄色い帯で示すこととします。

序盤は主導権を握った磐田でしたが、その後マリノスがボールを握る時間が長くなるにつれて自陣まで押し込められると、「縦幅を狭め、横幅を広げる」タイプのブロック守備を実行。そして奪ったら前線2枚にポーンという単純明快な基本線を同時に設定していました。磐田があんまりプレスに来ないとすれば、マリノスが押し込める展開になります。なので、こういう展開になるのはマリノスとしても予想できたことでしょうし、先発メンバーのチョイスにもそれが表れていました。

マリノスはマテウス、仲川、エリキの快足3トップを起用してサイドからの突破を図ります。特に左サイドのマテウスにゴリゴリのドリブルで強行突破させよう!というもの。これは磐田も事前に織り込み済みだったようで、このような陣形になることがしばしばありました。

この形になっちゃえば反対側に飛ばすのは時間が掛かって、その間に陣形も整えられるだろう…というのが磐田の算段。前も前でコース塞いでるしいけるやろ、と思ってたらマテウスは真っ正面からぶつかりに来るという大胆不敵なプレー選択を披露。「コースがないなら自分が動いてコースを作ってしまえ」という考え方を実行できるあたりは、やはりチームびっくり人間

そんな具合で、エリアを密集させてゴチャゴチャしたところを抜けてくマリノス左サイドに対し、右サイドはスマートに間を抜けてくラストパスが目立ちます。1点目は正にこのパターン。松原と仲川の連動性は「come(カム)の概念」か?なんて自分の周りではささやかれましたが、長くなりそうなのでここでは割愛します。

ていうかいつの間にか仲川が右サイド、エリキが真ん中になってましたね。エリキがもう自由自在に動き回ってたんで、それに仲川が奔走…じゃなくて連動して動いてたとも取れますが、1点目のシーンはエリキがキチンとニアサイドに走り込んでたし、それはそれでいいんじゃないですかね。知らんけど。

ちなみに、左サイド→右サイドの展開でスパーンと決まったのが2点目でした。パギからのリスタートで畠中→高野→ティーラトン→ナベ・コウタと経由して高野に戻し、少し間を置いてから反対側の仲川へサイドチェンジ。バタバタしてた状況にありながら、落ち着いてこの形を披露できたのがよかった!

そしてこれ以外にも右サイドのハーフスペースを狙う動きは多数ありまして、出し手はだいたい松原だったし受け手はだいたい仲川でした。この2人のホットラインを持ってきたのは結果的に正解でしたね。

ちなみに、磐田もハーフスペースを使った攻撃をちょくちょく仕掛けてました。たとえばこういうの。

磐田は露骨なまでにハーフスペースを狙ってましたが、裏を返せばそれだけ有用性があるということ。実際、ハーフスペースを抜けられたときはほとんどピンチになってましたしね。マリノスとどこかの試合に限らず、この「ハーフスペース」と呼ばれるエリアには注目していきたいところです。

おわりに:「勝つ」ということ、アプローチ

名波浩前監督時代後期はそこかしこでいろんな声が飛び交っていたジュビロ磐田ですが、フェルナンド・フベロ監督就任以降は「もしかしてこの先良くなっていくんじゃ…?」という意見も聞かれるようになっていたので、個人的には「フベロ監督はどのようにチームを整備しているのか?」といったあたりもちょっぴり気にしながら観ていました。

するとどうでしょう、「とにかくプレスや!空いた穴はみんなでなんとかしろ!」という歯車の錆びついた機械じかけの(※カラー的な意味で自主規制※)風味から一転、穏やかな遠州灘の如く均整の取れたブロック守備を基調とした、現実路線のサックスブルーへと切り替わっていたのです。「柔よく剛を制す」を地で行かれたわけですね。

磐田も磐田でフルメンバーではなかったし、フベロ体制になってからもまだまだ日は浅いです。ゲームモデルの落とし込みも十分ではなかったでしょう。しかし、それでもこれだけのサッカーを繰り広げ、結果としてマリノスが2点しか取れなかったということには驚いています(2点目が入ったも80分過ぎてからだしね)。

さて、「2点しか取れなかった」とは書きましたが、マリノスは点差を広げることよりも勝ち点3を確実に得ることを念頭に置いていた感はあります。ボスの言葉を借りて言い換えれば、「試合をコントロールする」ことですね。喜田やティーラトンが戻ってきたのも大きなポイントでしたが、なにより「先制点を挙げながらも試合の主導権を握り切れず、最終的に2ポイントを掴みそこねてしまった」という前節の反省を早速活かした形です。

得失点差やゴールランキングも気になります。ただ、シーズン34試合を終えて頂点に立つ確率を上げるには、何よりも勝ち点を確実に積み重ねていくことが最優先です。50得点してても9位にいたり、60失点してても11位にいるクラブだってあります。

上位3チームはすべて16勝で並んでいて、その順位を決めているのは引き分け数、すなわち「勝ち点を取りこぼすことなく、1ポイントでも確実に持ち帰った数」です。もう、そういう時期です。

だからこそ、「2点しか取れなかった」試合でも、確実に勝利を収め3ポイントを横浜へと持ち帰ったことに何よりも意味があります。勝つための手段としてゲームプランや戦術を練ることは大切です。しかし、それよりも何よりも「勝つ」ことが現状さらに大切です。だって優勝したいから。

代表ウィークを挟み、久しぶりの三ツ沢で迎え撃つのは湘南ベルマーレ。昨今話題の多いクラブではありますが、試合は試合です。実力差があろうがなかろうが、次節も勝ち点3を目指して、共にホームスタジアムへと歩みを向けましょう!

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