翔べ君よ大空の彼方へ 6-⑰ 遙か彼方に
激しい雨が降りしきるパリ•ロンシャン競馬場。タフな戦いになるであろう欧州最高峰のこの1戦には、過去の凱旋門賞でも類を見ない程の最強クラスのメンバー15頭が集結した。
ダービー馬の称号を獲得した競走馬が5頭•••本年の英、愛、独、仏ダービー馬が一堂に会し、日本ダービー馬ダークブリザード、そして欧州で一線級相手に互角の戦いを演じたストロングクーガー、前走のサンクルー大賞で世界最強長距離王者ストレスフリーを撃破し勢いに乗るアモルファス•••出走馬15頭が続々とゲートイン、雨は一層激しくなり完全なる不良馬場•••ストロングクーガーにとっては追い風となるであろうか、最後に大空翔馬が愛馬をゲートへと導いて一拍後、その激戦のスタートが切られた。
一団はほぼ団子状態、スローペースでレースを進めていた。
先頭から最後尾まで約7馬身•••先手を奪った鷹騎乗のアモルファスを先頭に、直後にインからストロングクーガー、英ダービー馬スリーアギトス、愛ダービー馬アーランが併走し、その後ろを仏ダービー馬アルジャントウィユ、独ダービー馬クライネヴァール、英の王者ストレスフリー含む有力馬が続き、シンガリから追い込みに賭けるダークブリザードが鞍上河田ユウを背に、虎視眈々と前方進出の機会を伺っていた。
間違いなくスタミナとパワーが必要とされる持久力勝負••• 4コーナーを回ってからの底力勝負になるであろう。
それぞれの鞍上が愛馬と慎重にコンタクトを取りレースを進めていた。
全馬が自ずの脚を大地に叩きつけ、その度に芝が削り取られていく。この極悪馬場でスタミナを、スピードを削られた数頭の競走馬の手応えが怪しくなり、最終コーナーを前にして後方へと下がっていった。
日本馬3頭は、先行2騎、後方1騎•••前門の虎、後門の狼と言うべき理想の展開で最終コーナーを回り、勝負の直線へと向かった。
懸命に粘るアモルファス、捉えるかストロングクーガー。
残り200、ストロングクーガーが遂にその背を捉えた。
降りしきる雨の中、大歓声がスタンドから湧き上がる。
懸命にステッキを振る翔馬と鷹。
そして遂に先頭に立ったストロングクーガーと翔馬。
しかし、英ダービー馬、愛ダービー馬の力強い足取りがその背に迫る。
残り100、3頭横並びとなり、火花散る叩き合いのその外を、末脚一気のストレスフリー、独ダービー馬クライネヴァールの両馬が極悪馬場の芝を蹴散らしゴールを駆け抜けた。
全馬が泥を被り、息を切らし、それでも選ばれし者の精神力の高さを見せつけ
、死力を尽くした勝負•••紙一重の勝利を掴んだのは、独ダービー馬のクライネヴァールであった。
2着ストレスフリー、ストロングクーガーは日本馬最先着の4着、ダークブリザードは後方から差を詰めたものの5着、そしてアモルファスは8着•••日本の最強3本の矢をもってしても、その欧州の頂きは遥か彼方に聳え立つばかりであった。
その栄光を掴む為には、頂点に到達する為には、一体どれ程の力と努力が必要なのであろうか。
山がそこにある限り、頂点を目指すクライマーと同様、ホースマン達もまた、ただ愚直に前を向いて突き進むのだ。
今日の溜息を、いつかの歓喜の涙に変える為に。
リベンジを誓う騎手、遠く離れた日本は北国の牧場スタッフ達、そして今、健やかに眠りに就いているであろう1頭の天馬と、彼に関わるホースマン達•••。
〝DREAM AS ONE!〟
共に1つになり、夢に向かって!
来年に向けての戦いは、既に始まっていた。
PS•••いつもお目に留めて頂き、心より感謝申し上げます🥹🙏
次回配信は、8月3日土曜日正午🕛となります!
全ての観客の視線が彼に注がれます👀👀2歳G1、ホープフルS(中山芝2000メートル)に出走•••伝説を作り上げるか?ファイアスターいざ見参🐴🔥💨
それではまたお会いしましょう😊👋
AKIRARIKA
TEAM JAPAN🇯🇵🇯🇵おめでとう御座います㊗️👏👏
大会の少ない国内を飛び出し、海外で研鑽を重ねて辿り着いた栄光✨🎖️🏆👏
何度見てもfantastic👍👍
TEAM JAPANの皆様、そして関係者の皆様、本当におめでとう御座います👏👏
この作品を通して、養老牧場への牧草寄付等の引退馬支援を行います。その為のサポートをしていただければ幸いです。この世界に生まれたる、すべてのサラブレッドの命を愛する皆様のサポートをお待ちしております🥹🙇