『ジョゼと虎と魚たち』(アニメ)

監督:タムラコータロー
声:清原果耶、中川大志、
  宮本侑芽、興津和幸、Lynn、松寺千恵美 ほか
上映時間:98分   公式サイト

田辺聖子による恋愛短編小説を劇場アニメ化。

幼いころから車椅子生活のジョゼが大学生の鈴川恒夫と出会い、自分の世界を広げてゆく物語。

原作にある生命感と性と死の雰囲気がそのまま現れていた2003年の妻夫木聡&池脇千鶴による実写版も名作。

アニメ版では、華やかさが増していて原作&実写版の現実的なしんどさが薄まった。エロチシズムも皆無。そこにも挑戦してほしかったような気持ちも少し。


原作同様、舞台は大阪。

“ジョゼ虎” オリジナル大阪MAP
https://joseetora.jp/special/map.php


車椅子ユーザーとして、車椅子がちゃんと描かれていたことが嬉しかった。
地下鉄に乗る時のスロープ補助まで!!

なにげない事なんやけど、そこに目を向けていることに感動してちょっと涙が出た。

(まぁ、大阪メトロのタイアップがあったからなんやろうけど)

地下鉄のバリアフリー(駅施設編)|Osaka Metro
https://subway.osakametro.co.jp/barriafree/subway/barriar_free_subway/barriar_free_subway.php

・ツッコミ1
雨の日のアクシデント後に、車椅子が変わった。
あの電動車椅子は僕も欲しいやつ。でも高価。
ジョゼは電動になって間もないのにどうしたんやろ。買い替えたのかな。貯金を使ったのかな。ええなぁ。

・ツッコミ2
あんな雪は大阪ではめったにないよ。


冒頭と終盤、坂道でジョゼを突き飛ばしたやつ犯罪じゃないか。


ジョゼの道が開けたのは、2人のおばちゃんのおかげでもある。
・恒夫を家にあげたおばあちゃん
・駅でぶつかったオッサンに怒るおばちゃん。

社会は虎。
怖い。

近所の人は通報するより、身を案じて訪ねてきてよ。
感じ悪い民生員も何だかなぁ。

でも、優しさもたしかにある。

声をかけてくれた図書館の司書さんが嬉しい。
こんなフレンドリーな司書さん理想。

ジョゼを対等に見ている舞もよかった。


恒夫のバイト先でジョゼの心中に複雑な感情が芽生えたシーンに共感。

障害の有無で、どうしても届かない部分がある。その淋しさは時には圧倒的で、埋まることは難しい。

健康な世界と、そうではない世界を知って大きな悲哀に涙するジョゼにもらい泣きした。


とある事故を招いてしまい現実的なつらさに直面するも、自分が出来ることで一歩を踏み出した読み聞かせのシーンに感動。


背中を押しあって、夢をともに追いかける2人の未来を応援。

轍の後に、いつもずっと足跡もいっしょに残りますように。


ファンタジーやなくて、こういう関係性が日常的になればいいな。


ボイスアクトの清原果耶&中川大志うまい!

関西弁が自然だし、二人の顔が前に出てこないし。すごい。(清原果耶は大阪出身)

画像1


★2021年2月7日
朝日新聞「男のひといき」欄に、鑑賞時に感じた嬉しさを12/26に投稿したところ、採用されて掲載された!









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