写真展示で必要な道具や得られたもの【闇の王展2022】
9月29日〜10月2日までの4日間、渋谷・LE DECOで開催された「闇の王展2022」にて、緩苺さんがモデルの「闇の種子」「黒向日葵」を展示しました。
写真展への出展はまだ回数が少なく、とくに今回は初めて額装展示だったため、分からないことが多かった。そこで、備忘録がわりに展示に必要なもの、わざわざ紙に印刷して展示する手間を踏んで得られたものをまとめました。
(1)展示会場のルールを確認する
まずは会場で、展示スペースと展示するために何が使えるのかを確認します。展示スペースの大きさによって、印刷するサイズ、点数が変わります。
壁に飾るにあたっては、吊り下げる金具、粘着シール、釘、虫ピン、Jフックなど使えるものによって、作品の大きさや重さも変わります。
一般的には、ネジ釘は使用禁止、釘は25mm〜30mmくらいまでの長さと決まっているようです。
パネルならば軽いので虫ピンで固定できますが、額装となると釘とJフックを使わないと重さで落下します。
(2)印刷所を決める
印刷所ごとに得意なことが違いますし、納期も異なります。一概に、安ければ品質が悪く、高ければ品質が良いというわけではないです。
プロのカメラマンに好評なクリエイト、PHOTOPRIがRGB入稿できて、専門家がこちらの要望を聞きながら色を調節して印刷仕上げしてくれます。PHOTOPRIに関しては選択できる用紙の種類が多かったです。
私は今回A2サイズだったので、価格としてはパネル加工込みなら1万円ちょっと、プリントだけなら五千円弱でした。
ただし、クリエイトは土日祝含めると14日間くらいは納品まで時間がかかりました。
PHOTOPRIは印刷だけなら3日くらいで納品してくれたので、今回はPHOTOPRIの厚手光沢紙を選びました。
※印刷所入稿は2週間以上は余裕を持ちましょう。
厚手光沢紙は、通常の光沢紙よりも反射を抑え、黒が綺麗に出る印象でした。写真では蛍光灯に反射していますが、肉眼だと反射はほぼ気づきませんでした。ただし、蛍光灯の反射はどうしてもあるので、今後はマット系の紙で印刷するのが無難な気もしました。
(3)写真をパネルにするか、額装にするかを決める
作品をどう見せるかによってパネルか額装を選ぶと思うのですが、展示するだけならパネルのほうが虫ピンで止めるから楽だと感じました。しかし、値段に関しては高級な額縁でなければそんなに変わらなかったです。
クリエイトだとA2パネル2枚印刷で2万〜2万3千円くらいだったのですが、PHOTOPRIでA2プリント2枚印刷で5千〜6千円+額装が1個8千円×2+台紙1枚1500円弱×2で2万5千円くらいでした。パネルはどうしても時間経過で曲がってしまったり、少しぶつけただけで凹んだりと消耗しやすいのに対し、額縁は使いまわせるし、写真展が終われば飾った写真をそのままファイルに移管することができます。
初めて額縁を購入する場合は新宿にある世界堂がおすすめ。オーダーメイド(2万円〜)もできますし、額縁の種類や台紙のサイズ、どうやって貼り付けるかなど、スタッフさんにその場で教えてもらうことができました。
そして、パネルにしろ、額装にしろ、印刷された写真を扱う際は指紋がつかないように手袋を忘れずに。指紋がついたら蛍光灯で反射してすごくカッコ悪いです。
(4)展示する時に必要なもの
展示する前に、設計図を書いておくのが前提ですが、ここでは展示に必要なものと注意だけを書きます。
まず、パネルならば虫ピン、額装ならば釘とJフックを用意しましょう。もちろん、トンカチは忘れずに。
そして、パネルや額装が水平に展示されているかをチェックする、水平器は必須です。先にたこ糸をマスキングテープで止めて水平位置を定めてから、壁に打ち込んだほうが確実です。
また、名刺や配布物は、壁にウォールポケットなどを貼り付けたり、台座を貼り付けたりして、そこに置くのがおすすめです。
そして、壁は基本的に白なので、今回の自分みたいに黒布を先に貼る時に注意してほしいのが、シワが目立たないように先に黒布にアイロンをかけることです。シワが目立つと本当にダサかった・・・。
以上です。今回の設営は友人のtamaさんが手伝ってくれたので、計2時間で終わりました。1人だと3時間以上はかかったと思います。一番大変なのが水平を取ることでした。
そして、搬入に関してはA2より大きめの額縁くらいであれば、キャリーカートに詰めるし重くないので、車がない方にはおすすめです。
(5)写真展で得られたもの
SNSが盛んの昨今、写真投稿や賞応募の手軽さに対し、わざわざお金をかけて印刷して設営するのは大変な労力でした。それでも、出展して良かったと思えることはたくさんありました。
まず、今回は同じテーマで様々な写真家が技術や経験、アイディアを活かして作品を展示しており、同じテーマに臨んだからこそ、参考になる気づきが多かったです。とくにHASEOさんを始め、すごい方々の作品は大きな刺激になりました。
次に、SNSで流れてきた写真は「いいね」と「RT」を押した後は、すぐにスクロールして見なくなることが比較的多いと思います。写真展だと、わざわざ足を運んでもらうため、来場者が足を止めて1分以上作品を見てくれるため、価値や情報量を詰め込むという目的意識がある気がしました。SNSでバズるとは異なる難易度があり、大きな魅力がそこにあると感じました。
(お世話になったモデルの緩苺さんも見にきてくれたので、形にできたことを喜んでもらえたかも?と個人的に嬉しかったです。)
最後に、協賛企業メーカーが出展していることもあり、その場で気になる機材を試して、気に入ったら購入できるのが良かったです。今回はフィルターで有名なKANIさんのブースで、気になるフィルターを試したり、色々と教えてもらったりできて、思い切って購入しちゃいました!8万6000円!角フィルターのレビューはまた次の機会に!