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あなたに

17 May 2020

Stay home 56日目

桜も散り、季節はもう紫陽花の花咲く頃が待ちどうしい今日この頃。

この時期になり、紫陽花の花を見つけるたびにこの花が大好きだった両親のことを思い出す。

ふと思い返せば、母は父のことを生涯ずーっと「あなた」と呼んでいた。

父がこの世を去った後、ある方にこんなことを言われたことがある。

「お前の家のペンキ屋。親父さんはいつも現場にお前の母親を連れて来ててなぁ…。それでお前の母親はお前の親父を『あなた!あなた!』っていつも現場で呼んでんだよ。俺は昔はお前ん家のペンキ屋を『あなたペンキ』って言ってたこともあったんだよ。笑」

確かに僕の母は、いつも父のことを「あなた」と呼んでいた。

父がこの世を去った後に、いちど母にどうして父のことを「あなた」と呼ぶようになったのかを聞いたことがある。

なんてことはない、新婚旅行の際に、母が父に「これからなんと呼んだらいいの?」と聞いたところ、父は「なんでもいい。お前の好きな呼び方でいい。だけど名前で呼ばれるのは嫌だ」

と、言われて思いついたのが「あなた」だったそうです。

母は父に呼び方は「あなた」でいいかと聞いたところ、父からは「別にどうでもいい」という返事が返って来たので、それ以来、父の名前は「あなた」になったそうです。笑笑

そんなふたり。

まぁ、子供の頃の僕から見ても、なんともまぁ、仲の良いふたりでありました。

確かに夫婦喧嘩もよくしていましたが、そんなことはどうでもいいくらいに仲睦まじい夫婦だったように僕は感じています。

そんな仲の良いふたりに育てて頂いたおかげで今の僕があるわけで。

今ある日々の中で、

「幸せを感じる心」

「想いやる心」

「感謝する心」

そういった心を、最近になってではありますが、ようやく少しづつわかるようになってまいりました。

父と母とは今ではもう二度と会う事は出来ませんが、そういった教えは今でも確かに頂けております。

本当に有り難いことであり、今迄のふたりが僕に与えてくれた時間のお陰様でございます。

そんなふたり。

穏やかに過ごす時も、時には激しく感情を剥き出しにする時も、まるで山の様だった父。

常に穏やかに、そして何があっても全てを包み込むようなまるで海の様に広い心を持っていた母。

僕にとって越えるべき偉大なる山は父の背中。

尊び慈しむべき雄大なる自然は母。

山が師であり。

自然が師。

今ある全てはこのふたりのお陰様でございます。

有り難し出会い。

有り難し日々。

心の限りに感謝也。

慈しみの心

尊びの心

感謝の心

我芯心也

父がこの世を去った後も、ずーっと父への想いを貫き通した母。

本当は父にいつまでもそばにいて欲しかったんだと思います。

散る桜 残る桜も 散る桜
(良寛禅師)

どうか彼の地でもふたり仲良く毎日笑って過ごしていることと自分自身の心の中に勝手に思い、日々ふたりの幸せを感じながら生きる毎日。

有り難し日々。

感謝也。😄

今日は最後に僕の大好きな
「MONGOL800」のこの歌の詞を。

- あなたに -

人にやさしくされた時
自分の小ささを知りました

あなた疑う心恥じて
信じましょう心から

流れゆく日々その中で
変わりゆく物多すぎて

揺るがないものただ一つ
あなたへの思いは変わらない

泣かないで愛しい人よ
悩める喜び感じよう

気がつけば悩んだ倍
あなたを大切に思う

ほら元どおり以上だよ
気がつけばもう僕の腕の中

あなたに逢いたくて 逢いたくて
あなたに逢いたくて 逢いたくて

眠れない夜 夢で逢えたら
考えすぎて 眠れない夜

夢で逢えたら どこへ行こうか?
あなたがいれば どこでもいいよ

あなたに逢いたくて 逢いたくて
あなたに逢いたくて 逢いたくて

流れゆく日々 季節は変わる
花咲き散れば元にもどるの

こんな世の中 誰を信じて
歩いてゆこう 手を取ってくれますか?

あなたに あなたに

(詞:上江洌 清作)

今日も最後までご愛読頂き有り難うございました。

大切な想いはみんなそれぞれ。

みんなあってみんないい。

知行合一。

感謝也。

それではまた。

皐月十七日 東京にて。


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