質問に答えるシリーズ8
なかなかにシンプルで答えるのが難しい問いですな。
「良い」って難しいですね。
英語で言うと「good」なんでしょうか。
言葉って難しい。
僕が魅力を感じるグッドなチームの特徴は、次の5つの要素が満たされています。
1.Authenticである(ありのまま)
2.Interactiveである(相互作用的)
3.Cooperativeである(協力的)
4.Collaborativeである(協働的)
5.Dialogicalである(対話的)
1.Authenticである(ありのまま)
これはなんと言いましょうか、つまり「不自然じゃない」「自然体」ということです。隠さない・覆わない・取り繕わない。正直に、ありのままで、自ずと自らをオープンにする感じ。外部からの評価に頼らず、自己評価を求める組織って、こういう雰囲気になるんですよね。
2.Interactiveである(相互作用的)
細かく表現するとしたら、social-interactiveといったところでしょうか。「お互いがお互いの繋がりの中で相互し合っている」「意義や価値は関係性を育むことを通してなりたっている」ということを重視できる人たちって、大概にして穏やかです。インタラクティブの反対の意味を持つ言葉がOne-Way、一方的です。一方的な人たちって、大概にしてうるさい(笑)相手を尊重しないと相互に作用しないので、僕は穏やかなInteractivistsに魅力を感じます。
3.Cooperativeである(協力的)
4.Collaborativeである(協働的)
ここは協力と協働の違いについて触れたいです。協力、cooperationをcoとoperationに分解してみます。coは「いっしょに」とか「ともに」という意味が、operateは「うごかす」という意味があります。つまり、「いっしょにうごかす」というのが協力。みんなの力を合わせる、のが協力。
協働:collaborationについても考えてみます。coとlaborateとion に分解します。laborateはlaborという言葉に由来していて、「はたらく」という意味や、「産みの苦しみ」という意味もあります。コラボレーションといえば「共同作品」とか「合作」というイメージも浮かびますね。
というわけで、協力的な人たちは「いっしょにやろうよ」と声をかけて、お互いに力を合わせます。協働的な人たちは、目的の実現のためにお互いの違いを活かしながらひとつのものを作り上げようとします。僕は協力的で協働的な人たちに魅力を感じます。なんだよややこしい説明だな、と感じたら好きなスポーツチームを思い浮かべて下さい。そのチームはきっと協力的で協働的なはずです。
5.Dialogicalである(対話的)
対話、に似た言葉として会話(conversation) ・議論(discussion)・討論(debate)・熟議(deliberation)があります。「夫婦の会話」より「夫婦の対話」のほうが若干重い感じがしますね。議論、って正しい/間違いや、やるか/やらないかを「議論して決める」感じがしますね。「党首討論」っていうと、党首は個人の考えよりも党としての考えを述べるし、その考えの賛否に関しては聴衆が(競技ディベートであれば審判や審査員が)評価をしたりします。「熟議」もあまり耳慣れない言葉です。「慎重に丁寧に考えをすり合わせながら話し合うこと」です。「デンマークは熟議民主主義が盛んだ」なんて言われたりもします。
で、対話。対話はお互いに正解を求めません。お互いの話を聴きます。相手の話を聴くことを通してコミュニケーションを進めます。「聴き方に注力することで相手の話し方が変わる」ということを重視するのが対話です。相手が何を話すかは、私がどう聴くかによって変わる、という考え方です。対話には気づき(リフレクション)があります。対話には理解があります。対話は他人だけに関わらず、自分自身とも、あるいは森や川や海といった自然とも対話することができます。「内」から始まるのが対話です。
対話するチームは、豊かです。
この5つを整理するのに5日も自分と対話してもうた(笑)