何にも負けたくない。
在り処の次回作の最終稿を書きあげた。『窮鼠たちのメメント・モリ』というお芝居だ。原因不明の奇病が大流行する中、ある大学生が神になってしまう話だ。今まででいちばん良く書けたし、やっと戯曲になったと感じる。
負けたくない。最近はそればかり考えている。
次回作は第8回名古屋学生演劇祭にて上演する。3ブロックに分かれて予選を行い、ブロックから1団体ずつと審査員が選ぶ1団体で決勝を行う。上位2団体は全国学生演劇祭に出場することができる。
とにかく勝ちたい。負けたくない。去年は決勝にすら上がれなかった。審査員には評価していただいたのに、だ。悔しかった。全国に行きたかったしロームシアターで上演したかった。悔しすぎて、打ち上げで号泣した。小生は負けず嫌いだ。今年こそ全国に行きたい。
でも、この「勝ちたい」という気持ちは演劇を作るときは邪魔だ。稽古場では、純粋に作品のことだけ考えていたい。煩悩は面白い作品を作るのにノイズでしかない。面白くない演劇で大賞を獲ったって、虚しいだけだ。
今、稽古は遅めの盆休みで、小生は実家に帰っている。猫(ふくという名前だ。長毛で、身体が大きくて、美人な雌)を撫でたりしながら文章を書いている。でも心は勝負への不安でざわついている。負けたくない。自信が無いわけではないが、不安だ。去年だって自信があった。負けるのが怖い。夜に送られてくる、決勝進出団体の報告が怖い。講評会が怖い。決勝に進むにはどうすればいいかばかり考えている。同じブロックに出場する団体のTwitterやサイトを漁っている。煩悩でいっぱいだ。
早く稽古をしたい。皆で芝居を作っているときは、勝ちたいという欲に頭を支配されない。ただ、面白い演劇について考えていたい。今の自分にノイズはいらない。決勝に進めたときと進めなかったときのシミュレーションを繰り返して眠れないのはもう嫌だ。小生は演劇が好きだから、演劇以外のことで悩みたくない。稽古は月曜からだ。
第8回名古屋学生演劇祭は9月6日(金)~9日(月)うりんこ劇場にて。在り処は予選Bブロックです。『窮鼠たちのメメント・モリ』という演劇をします。何にも負けたくありません。勝ちにいきます。面白い演劇やります。是非ご来場ください。何卒。
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