ASHITA RESORTにまつわる話
久しぶりのnote更新!
4月にからくりごっこのNew EP
『ASHITA RESORT』を発表したので
今回はセルフライナーノーツほど大袈裟なものではないけれど、新譜にまつわる話を。
既に新譜を聴いていただいた方はデザート気分で読んで、また改めて聴いて下さい。
そして、まだ聴いていない方の、ちょいと聴いたろかいのきっかけになれば大喜びです。
からくりごっこ
New EP
『ASHITA RESORT 』
1.PUMP
2.南国マイクラブ
3.トゥモローランド
4.カレー彗星
5.犬ファンファーレ
🍏Apple Music
🎧Spotify
🏝️その他 配信サイト
去年の10月ぐらいに、もうすでにEPの制作と数ヶ月後のレコーディング日程も決めている中、
まだ曲目が決まっていなくて。
というか、完全には出揃ってもなくて。
ああでもない、こうでもないと
それはそれは焦っていた。
そんな中、そもそも苦手な秋の到来にうんざりしていたり、いまいちパっとしない、シャキッと張りきれぬまま、トドメにインフルエンザに罹って、今までに無いぐらいの寝汗をかいた。
熱が下がった数日後、この大汗地獄により毒が抜けたのか、無事、1日で2曲のデモを作ることができた。
パリッとしたごきげんソング達、よしこれは新譜の1曲目と2曲目にできるはず!!!!と
一気に頭は晴れ晴れ。
早速、デモに「PUMP(仮)」、「南国マイクラブ(仮)」という仮タイトルをつけた。
これらの仮タイトルは、からくりごっこの結成当初にメンバー間でのふざけたやりとりの中で出てきたフレーズでもあって、何となく頭の片隅にあったということと、エアロスミスのライブ映像を見た後に曲を作ったから、有名なアルバムのタイトルから「PUMP(仮)」としこう、肌寒くなって来て南国感を欲していたので「南国マイクラブ(仮)」としとこう、ぐらいのもちろん大した意味なんてなくテキトーに付けた。
結局、後にこの仮タイトルがそのまま採用されるわけやけど。
因みにマイクラブとは、ビーチボーイズの一応フロントマン的な人物で、鼻にかかった歌声がサイコーに南国な、Mike Loveさんのこと。
(「All I wanna Do」はMike Loveのボーカルで特に好きな曲。そしてこのアルバム「Sunflower」、大好き。
1970年の大名盤。フルハウスでジェシーおじさんが結婚式で弾き語る名曲「Forever」も入っている。)
そんなこんなで、「PUMP(仮)」と「南国マイクラブ(仮)」のデモを緊張しながらメンバーに送った。
すると、これは手をつけよう!!という好感触な反応をもらい、ここでやっとNew EPの全体像が見えた。嬉しかった。
そんな2曲からスタートする
「ASHITA RESORT」
話が逸れるし、この先も逸れるけど
ここからは曲ごとに書いていこう。
1. PUMP
(詞・曲 澤 亮良 編曲 からくりごっこ)
この曲は初の試みでラップみたいなゾーンがある。いつもデモ段階の仮歌はナーとかテレレーとかデタラメ語で入れることが多いけど、ラップ部分はどうしてもそれではニュアンスが出ないので、とりあえず言葉数だけを合わした、思い付きのワードで埋めることにした。
この日の昼に見ていた映像の影響で
頭の中の近所にエアロスミス。
エアロスミスを初めて見たのは忘れもしない2002年1月25日、母親に連れて行ってもらった
ジャスト・プッシュ・プレイ ツアー
at大阪ドーム。
まだ小2だったので、興奮と恐怖が入り混じった初めて味合う感覚で、どちらかというと恐怖が勝っていた。
たまたまアリーナ18列目という良い席だったので、メンバー5人の存在感に圧倒され、当時はオーラという表現は知らなかったけど、とにかく実際よりも何十倍もデカく感じた。
ステージには花道があり、その先にはジャスト・プッシュ・プレイのアルバムジャケットから
ロボットの手を再現したメカなセットがあった。
(お気に入りソングは 1. Beyond Beautiful、
2. Just Push Play、10. Drop Dead Gorgeous
)
そんなことを思い出しながら、
メカハンドにドギマギ、ジャストプッシュプレイ
と歌って、その次に出たアルバム「ホンキン・オン・ボーボゥ」を付け足して
(お気に入りソングは、1. Road Runner
2. Shame Shame Shame 7. You Gotta Move)
メカハンドにドギマギ、ジャストプッシュプレイ
の次 ホンキンオンボーボゥ イェイ!
と、とりあえず吹き込んだ。
結局、この「歌詞カード見ても何言うてるかわからんわ!」な歌詞がそのまま採用されるわけやけど。
バンドでのアレンジも固まって、タイトルと歌詞をどうしようかという所で結構迷って。
この仮タイトルとラップ部分について、これは小2の自分とエアロスミスとの思い出であるという解説込みでメンバーに相談すると、書き直さずにこのままでいくべき!との意見をもらい、思い切ってそのまま採用した。
そうするといよいよエアロスミスの歌になってしまう。それでは余りにも偏り過ぎてしまう、と沼にハマりそうになったので、考え込んで書くのではなく、一旦1人でスタジオに入って、本息で歌いながら、勢いで書いてみることにした。
そうしてようやく完成。
結局、フレーズは所々エアロスミスからの引用。
でも、すべての年老いていく憧れのスター達への
思いみたいなもの
もうこれ以上居なくならないで!
最後とか、引退とか、仕方ないけどうんざりや!
という、まさに小2の自分がそのまま大人になって駄々を捏ねながら愛を伝えているような、そんな歌詞になった。と、同時に決意表明的な部分もある。
MVは、そんな思いを体現するかのように
様々なオマージュが散りばめられております。
だけど再現度が、ごっこレベルな点も見所。
短髪のスティーブン・タイラー?や
細くて小柄なRUN D.M.C?などが登場して
非常に愉快です。
この撮影、グリーンバック初体験やったけど
めちゃくちゃ楽しかった。一日中、皆で大笑いしながら作った。ぜひご覧下さい、何度でも。
2. 南国マイクラブ
(詞・曲 澤 亮良 編曲 からくりごっこ)
大汗インフルからの生還で誕生したシリーズ
2曲目!
ずっと、メンバーで歌い回す曲をやってみたいと思っていて、やっと叶った。
最初はそんなつもりで作ってなかったけど、
デモの歌メロを探りながら録音している時に
Bメロはなんとなくハミーっぽい?
と思って、そう来るならハミーを降ろして歌おうと、そんな遊びをしていたらどんどんメロが固まっていった。
そしたら間奏開けの歌い出しは前田くんを、後半はフカイを降ろして歌ってみると、自分なりのメンバーそれぞれのイメージに合ったメロが出来上がった。
そんな奇妙な、生き霊イタコ製法という、新たな作曲スタイルを発明してしまった。
歌詞はメンバーそれぞれに対して、こんなことを言って欲しいっていう、そんな思いで書いた。
次のフカイソング「トゥモローランド」の影響もあって、スターウォーズ用語を2つ投入。
スカイウォーカーとハイパードライブ。
ハイパードライブはワープの時の、周りの星が
グンワ〜〜シュンってなるあれのこと。
曲調的にはどこか喜劇的でドリフターズやクレイジーキャッツのイメージもあったので、歌詞の歌い回しには植木等をオマージュした箇所もある。
「こらまた失礼」とか「ってなこと」とか。
(お気に入りソングは、2.スーダラ節、
3.ハイ それまでョ 17.だまって俺について来い)
(お気に入りソングは、2. ドリフのズンドコ節
8. 加藤茶のはじめての僕デス 9. ドリフのバイのバイのバイ 17. ドリフのビバノン音頭)
そしてMVでは、と続けたいところですが
近日公開なのでお楽しみにー!
3. トゥモローランド
(詞・曲 フカイショウタロウ
編曲 からくりごっこ)
ライブではお馴染みのフカイソングをやっと
音源化できた!最近のからくりごっこのライブでは無くてはならない曲。
間奏でどうしてもオモチャの拳銃の音を入れたいということで、フカイが2丁手配した。
その中の1丁は小さい頃、実際に持っていたやつらしい。ノスタルジーポイント!
歌詞もデヴィッド・ボウイの「Space Oddity」からの引用があったりして(最近知った)、今回のEPは狙っていたわけではないけど、オマージュが1つの共通項としてあるということに改めて気がついた。
フカイの歌詞の、ファンタジーな世界観にも人間味がしっかり漂っていて、優しくてちょっとヘナチョコな感じが楽しい。
自分の歌詞の曲とフカイの曲をこう並べた時に
語感なのかリズム感なのか、どっか共通してる部分があって、不思議と全く違和感がない。
ハミーの英語セリフからの前田くんのロケット発射ギターソロも聴きどころ!
4. カレー彗星
(詞 澤 亮良 曲 ハミー 編曲 からくりごっこ)
ハミー 作曲、澤 作詞という、過去には『JUICE』ってEPに入っている「ハイホー」や、音源は出していないけどライブで披露している「スイム」などのタッグで1曲、新たなハミーソング。
人の曲に歌詞を書くっていうのもまた新鮮で楽しいし、なぜかそっちの方がすんなり書けたりする。ちょっと距離があるからかな。
ハイホーもそうやけど、ロックステディ的なカラッとしたノリの中に童謡っぽさのある歌メロが切ない。生粋のベーシストであるハミーの作る歌メロに童謡っぽさがあるのが面白い。
からくりごっこはバブルガムロックバンド
って名乗ってるけど、最近はこのバブルガムの部分はハミー曲が背負ってるかも。
アレンジの最終段階で前田くんのギターが決まって、より一層この切ない感じというか、夕方感がドンと増した。他の曲にも言えることやけど、そこで曲の色がグーっと決まる。毎度ながら、歌詞よりも歌詞みたいなギターと思ってる。
ハミーのデモを聴いている時に、どうしてもカレーって言うフレーズを入れたくなって、って言うかハミーは絶対そんな風には歌っていないけど聴こえてきて。最後の最後に無事カレー投入。
タイトルはダジャレでごめん「ハレー彗星」から。
ハレー彗星って言葉、小さい頃に擦り切れるくらい見ていた、大晦日だよドラえもんのビデオに入ってる「ハリーのしっぽ」っていう話で知ったな。ノスタルジーポイントpart2!
5. 犬ファンファーレ
(詞・曲 澤 亮良 編曲 からくりごっこ)
さて『ASHITA RESORT』最後の曲は
脱力ソング。放っておいても無駄な力が入ってしまうから、思い出すためのそんな歌。
フォークソング調で初期のからくりごっこ感もある。
サビ終わりの、あらら らららら
の部分、元々は、全部らららで歌ってたけど
プリプロの時フカイが間違えて あらら〜
って歌ってて1回訂正したけど
いや、あらら〜の方がまぬけでいいなとなってきて。
急遽あらら〜に変更。
そんな、あらら〜の部分、とても気に入っている。あとはギターソロ。このギターソロがこの曲を最後の曲に相応しくしてくれた。あったかい。
そんなわけで、ごちゃごちゃセルフライナーノーツでした。
タイトルの「ASHITA RESORT」は、1番わくわくするワードってなんやろという発想から。
明日リゾート。
1stEP「回想ランド」の逆っぽくもあり
先しか見ていない感じ、煌めき倒すぞ〜という
今の心意気ともマッチしていると思う。
そして、ジャケットデザインは「Birthday!」に引き続き、大内岳さん。
曲を聴いた上で描いてくれて、音でしか無かったこのEPを客観的な目線で視覚化してくれたことに感動した。このジャケットをいただいた時に、やっと新譜が完成したなと実感した。
自分に絵心が無いから、ステキな絵を描ける人ってずっと憧れ。
RECエンジニアは、1stEP、2nd EPに引き続き
杉山オサムさん。
久しぶりのオサムさんとのレコーディング、めちゃくちゃ刺激的で何より楽しかった。
MIX完了後、乾杯しながらオサムさんが色々なレコードをかけてくれた。ビーチボーイズやラヴィン・スプーンフル、あの時間、幸せやったなあ。
リリースパーティーのBGMは、その時にオサムさんがかけてくれた曲からも選曲した。
長くなったけど『ASHITA RESORT』
一言で言うと、大好きと憧れが詰まった作品です。
たくさん聴いてください!
既に次回作の計画が進みつつあり
今はまた、ああでもないこうでもないと
新曲を作っている。
楽しみは続きます。ヨロシク。
おいぇい!
そして、今年の夏はとびっきり
熱々のイベントが決まっております。
ぜひぜひ遊びに来て下さい!
ご予約はTwitter DM、または
karaqurigocco.band@gmail.com
にて受付中です!
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おしまい!