映画感想:完全初見で劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデンを見に行った
※タイトルの通りです
※途中から若干のネタバレを含みます
結論
結論から先に書いておきます。
原作・TV版未履修でもお話についていけるように作られております。
心配入りません。
「興味あるけど、TV見てないしな……」という理由で避けているあなた、
今すぐ劇場へ行こう!
事の始まり
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」名前を知ってはいたけど、見たことないアニメでした。
とあるTwitterの信頼できる筋からの情報を得て、いっちょ見てみるかという気になったのです。
・信頼できる筋の情報
何故かこのときTVアニメ見てないけど大丈夫でしょ?という根拠のない自信がありました。結果的には正しかったのですが。
映画館へ
田舎に住んでいるので、映画館がとても遠いのです。橋をいくつも渡らねばならないのでいつも「遠すぎた橋」のテーマを聞きながら映画を見に行ってます。今回の映画と奇妙な縁を感じますね。
ヴァイオレット・エヴァーガーデンとマーケット・ガーデンをかけたとても高度なギャグ。みな考えることは同じ
ついでにTENETも同じ日に見たんですが、その感想はまたいずれ。
鑑賞の前に
鑑賞前のヴァイオレット・エヴァーガーデンに関する知識はこの程度。
各方面からの多大な怒られを覚悟して以下に列挙しておきます。
・京都アニメーション
・Fateのセイバーみたいな女の子が出てくる(多分この子がヴァイオレット)
・両腕が機械になってる(加点方式で+10000点)
・自動手記人形(そそるワード:+100000点)
・メカの腕でタイプライターを打つ(溢れるスチームパンク感:+100000点)
・大きな戦争の後(とてもエモい設定:+10000000点)
プラスこの予告編以外の知識は皆無です。対戦よろしくお願いします。
冒頭10分
無料で公開されてるのでこれだけは見て。
冒頭10分で初見の人向けの世界観説明を会話の中で自然とこなし、おばあちゃん宛ての手紙を読み返すシーンで「想いを伝える」が作品の重要テーマであることを示しつつ、その手紙を書いた当時話題のドール→ヴァイオレット・エヴァーガーデン(タイトル)へと流れるような導入。
アホみたいに親切で考え抜かれた無駄のない構成ですね。これはTV版未見の人ほど強く感じると思います。いやマジで感動した。10分で全部わかる。
まだ10分、そんなことでこの先大丈夫か?(大丈夫じゃない)
以下、感想(ややネタバレ有)
あまりうまく感情がまとめられなかったので誰かに代筆してほしいくらいですが、仕方がないので自分で書くことにします。映画から得た学びですね。
まず第一にTV版の方も見なきゃ(使命感)ですね。TV版(劇場版から見て過去の時系列)に色々あったことが示唆されています。最低限ストーリーに絡む回想がちゃんと入るので、初見でも話についていけないことは全くないのですが、やっぱりTV版を見てたらここがもっとエモいんだろうな、と思わせるシーンが数え切れないほどあります。このへんの作りもとても巧みですね。
次に時代設定ですが、でっかい電波塔が建設中で電信・電話の普及が進みつつあり、前弩級っぽい戦艦が映ったり飛行船(ツェッペリンっぽい)が飛んでいるあたりから技術的な過渡期であったり、戦後復興のさ中という感じが滲み出てます。
そして手紙の代筆という職業もやがて消え行くだろうということも示唆されます。今現在売れっ子ドールとして日々を過ごしながらも過去を引きずっているヴァイオレットの今後進むべき道=人生は?という問いかけですね。
もうこれだけで泣き出すくらいエモいな。
少年からの依頼とか、少佐との再会であるとか、野暮なので多くは語らないですが涙腺と感情を容赦なく破壊してくるのでティッシュないしハンカチの用意はちゃんとしましょう。
コロナ対策でハンカチ常備する習慣なかったらエラいことになってたわ。
ラスト、ヴァイオレット(と少佐)がどんな生涯を送ったのか、その詳細については多く語られません。それで大正解だったと思います。
「余計なことを抜かしたらその口縫い合わすぞ。」と思いながらエンディングクレジットを眺めていました。
『餓狼伝』 夢枕獏 板垣恵介 より
まとめ
「付け足すものがなくなった時ではなく、削るものがなくなった時が完成」とはサン・テグジュペリの言葉ですが、まさにこの映画、不要な要素がないのです。
もちろん原作小説・TV版から入るのが正規ルートとは思うのですが、
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」という作品の入り口がこの映画からだったとしても十二分に楽しめることは保証します。
ぜひ映画館で見てくださいね。
以上