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140字小説

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140字の小説を3編づつ掲載しています。
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#ショートショート

140字小説/広

ジャンボで1億当たった。即ボロ1Rから1DKに引っ越した。運ぶのは机とPCと座布団だけ。買替えよ…

若林明良
9か月前
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140字小説/深

保育所の送迎は深緑色のホンダZだった。祖母の車。昭和五十年代。地元では運転する年配の女性…

若林明良
9か月前
23

140字小説/遠

遠い昔、人類は箱であった。ときおり展開し光合成した。箱に戻る際、誤ってたびたび蝶を閉じ込…

若林明良
9か月前
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140字小説3編「黴パン・白鳥の湖・ラーメン屋」

黴パン 子供はなぜ食べ残した給食のパンを持って帰らずお道具箱に入れるのだろう。生徒からの…

若林明良
1年前
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140字小説3編「女優・名前・塩の瓶」

女優 水野真紀、水野美紀、坂井真紀、酒井美紀のドラマを作りたい。テレ朝木曜9時の層。セレ…

若林明良
2年前
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140字小説3編「魔法の粉・餃子・カツ丼」

魔法の粉 ラーメン店の各テーブルにある調味料。食する前にこれをひとふりするとあら不思議、…

若林明良
2年前
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140字小説3編「詐欺・保健室・ラブレター」

詐欺 電話を保留にして訊いた。「グーグルプレイカードってどこですか」若い女の店員が売場まで案内してくれた。電話の主が3万円と5万円いずれかと言うので5万円分を買った。「はい、はい、今購入しましたのですぐ家に戻ります」店員がやけににやにやしている。俺は詐欺犯よりもあの女が憎い。教えろよ。 保健室 中学一年の途中からずっと保健室で勉強した。保健の先生になりたてのその人は最初僕の扱いに苦慮していたがそっとしておいてくれた。本当はダメだけどたまに紅茶とお菓子をくれた。カーテンで

140字小説3編「マクドナルド・蜜柑・むかで」

マクドナルド 家に帰るとマクドの臭いが漂っている。ここのバーガーを食べる際に誰もが体感す…

若林明良
2年前
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140字小説3編「絵・風邪・水たまり」

絵 小学校入学後の初めての授業が図画だった。チューリップ。この花は大きな花弁が6枚重なり…

若林明良
2年前
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