僕が街の不動産屋さんでいる理由

街の不動産屋さんになって15年が経っている。

元々大きな会社で働くことは苦手だったが、「街の」という言葉には時間をかけていきたいと思っていた。

不動産屋さんという仕事も歴史は古く江戸時代の長屋のころからいた大家さんが今の不動産屋さんに近い仕事をしていた。だから飽きっぽい自分にはあっていると30歳でこの仕事を始めた時に思った。

仕事とは働く規模の大きさや知名度、むずかしさ、希少さなど、憧れや働き甲斐で色々と基準や好みがあると思うけれど、今の仕事になる前には新卒で入った会社は社員数だけはグループで大きかった会社だったりした。

小さいころから親の手伝いで現場で出ていたので「社長の息子」という人より優遇されたバッジをもって大人と接していた。最初はからかわれていたけれど、そのうち仕事を覚えて対等な立場で現場を仕切っていった。それから現場の職人さんは大切にすることを自分のプライドにした。

街という働く舞台は本当に無駄が多い。仕事と関係のないことで呼び止められたり、今でもやっているが商店街の仕事で本業ができないこともある。でも日常会話を重ねることが街の居場所を作ることだと思って知らない土地だったけど続けてきた。

大きい会社で学ぶことや経験は、素晴らしいことだったりするかもしれないけど、それは今の場所だから効くことが多いことかもしれない。

小さな会社、狭い場所、理解のないところでは、今までできていたこと、持っていた道具、やれていたことは手元にないこともある。

そんな時はやっぱり怒りたくなることもあるけども、逆に世の中そんなもんだなって、おじさんになった今なら猶更怒っている若者がいたら言ってあげたいと思う。自分も怒ってきたけどそれやっちゃ周りに人がいなくなる。

働く知識と経験だけは自分から離れない。変わるのが環境だったりタイミングだったり相手だったり。それを一つ一つコツをつかめば、大きな会社にいたときの道具がなくたって生きていける。

そんなコツを出せるチャンスが街で働いているとある。

そんな瞬間が日常になると自分に自信が持てるし、生きていて強くなれる。

街で働いていければどこだって働くことができる。大きな会社にだって戻れることができる。だけどもうおじさんなのでそれもないけどね。

自分の寿命と働ける時間の勘定が日に日に増えました。街で最後まで働けるといいな。そのあとは自由なことがしたい。それはいくつかは今後また変わると思う。

ざっくり書いたけどこれが僕が街で働く理由。日が変わるともっと上手に言えるかもしれないけど、今なんとなく書きたいこと。


それでは。

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