ポケモンワールドチャンピオンシップス2018の記録【③ 出国 ~ Day0編】
《① 8月22日の夜に仙台を出発し、東京にて前泊》
いよいよWCSへ向けて出発です。公式ツアーでは8月23日の朝早くから成田空港を発つスケジュールになっていました。そのため集合時間も8:50と早めです。
出発日当日に始発で仙台から新幹線に乗っていっても間に合うのかなと思いきや、最速で到着できたとしても9時10分頃みたいです。成田空港って思っていた以上に遠い場所にあるのですね…行ったことが無かったので全然イメージができていませんでした。そのため、出発日の前日夜に新幹線で東京入りして、上野にあるカプセルホテルで前泊してから朝一で成田空港へ向かうプランで行くことにしました。
8月22日の夜、家を出る時に母が「朗(あきら)の朗は、朗らかの朗だから頑張ってきてね」と声をかけ見送ってくれたことをよく覚えています。ポケモンカードをずっとやってきてこんなことを言われたのは初めてだったのでとても驚きました。人生初の海外旅行ということもあり家族は大分心配していたのですが、同時に自身のWCSへの挑戦を応援してくれていたのです。正直すごく嬉しかったですね。
また、私が当時所属していたチームであるチムLOLIからも、応援アイテムとしてこだわりハチマキが出発の前々日に送られてきました。これにはメンバーみんなからの想いが寄せ書きによる形で詰め込まれています。チームでは毎年WCSへ出場するメンバーにこれを送っていたのですが、今回初めて出場することになった自分にとってはこれを受け取るのは初めて…これを手にしてメンバーみんなからのメッセージを1つ1つ読んでいた時に、「やっとこの立場になれたのだな」と思えた時は感慨深かったです。WCSへ出場するのは1人だけど、気持ち的には1人だけではない心強さがこのこだわりハチマキにはありました。私にとってこれはWCS遠征中の一番のお守りでした。
他にも日本を発つ前からWCSの本戦が始まるまでに、メールやLINEやTwitterのDMなどで全国各地沢山の方々からも応援メッセージを頂きました。直接応援のメッセージを下さった方も沢山いらっしゃいます。私は色々な方々に背中を押されていました。
新幹線に乗って1時間半ほどで東京に到着し、上野のカプセルホテルにチェックイン。ここでは日本を発つ前に気持ちの整理をしっかりしておこうと思い、Diary Noteで色々なことを書いていました。読んでみるとわかると思いますが、WCSへの挑戦を決めるまでに私が相当ネガティブというか、あまりにも自信が無かった記録が残っています。
今思い返してみるとこれは貴重な記録なのかもしれませんね。おそらく私のような人でない限り、WCSへ出発する直前にこんなことは書く方は他にいないと思います(笑)
そのまま記事を書き終えたらカプセルに戻り、少しだけ仮眠を取りました。時差ぼけ対策に前日に徹夜をしてから飛行機に乗られる方々が多かったのですが、私の場合はおそらくその効果があまり期待できないと感じていたので普通に寝ることにしました。その後、早朝に起き、身支度を整えて成田空港へ向かいます。「これからどんな世界が待っているんだろう」とぼんやりした頭で考えながら電車に揺られているうちに、時間はあっという間に過ぎていきました。
《② 8月23日 成田空港からアメリカへ向けて出国》
成田空港へ到着し、集合場所へ向かうと既に日本代表選手が沢山集まっていました。大型公式大会で顔を合わせる方々、WCSへ向けた練習会でお世話になった方々などを見てとりあえず一安心。そして、今回の旅で行動を共にすることになっていたリョウ君とも無事合流できたので、ここからは1人旅モードではなくなります。チェックインなどの手続きをしながら、色々な方々とお話をして過ごしていました。
ここで何とポニータ石井さんが登場。ちょうどポケモンカードチャンネルの中継収録をしていたようで、私も少しだけインタビューを受けました。お決まりのように「WCSでの目標は?」といった質問をされたのですが、自信の無さは全然隠せていなかったので少しだけ考えた後、「東北にまた何かしらを持って帰れるといいなと思います」と答えていました。他にも、「WCSはこれが初めての参加なので、これから自分が感じるものを全て楽しんで行こうと思います!」とも答えていました。多分、その時から私は相当わくわくしていた気持ちで溢れていたのでしょうね。
チェックインを済ませ、搭乗口前で出発までの時間を過ごします。初めての国際線ということもあり、おそらく私はそわそわしていて傍から見ても落ち着いていなかったように思います。同じくその場にいた日本チャンピオンからも「緊張してる?(笑)」と声をかけられて、思わずビックリしてしまいました。
そうこうしているうちに時間はあっという間に流れ、ついに飛行機へ搭乗…後方真ん中3列席のさらに真ん中の席だったのですが、隣の席に座られたのが同郷の油さんだったので一安心でした。反対側の席の方もジャパンチャンピオンシップスDay2進出者のTシャツを着ている方だったので、同じくWCSへ向かう方ということがすぐにわかり安心感がありました。この方とは飛行機に乗っている間にちょっとだけお話をする機会があったのですが、ゲーム勢の方だったようです。公式ツアーではなく自力で手配してこの飛行機に乗ったとのこと。お名前を聞き忘れてしまったのが勿体なかったな。
離陸してしばらくしてから機内食が出てきました。これも初めての体験だったのでわりと楽しみにしていました。乗っていたのはJALの飛行機だったのですが、思っていたよりは美味しかったです。他にもフライトの後半ではハンバーガーが機内食として出てきました。確かモスバーガーとのコラボ商品と書かれていたような気がします。機内食にも色々なバリエーションがあるのは面白いですね。
フライト中の時間潰しですが、私は3DSと逆転裁判1・2・3を持ち込んでいたのでずっとそれをやっていました。昔、何回もやり返したゲームですが、それなら今でもやり返せるだろうなと思いながら、ひたすらにのめりこんでやっていたと思います。もちろん飛行機内の設備として映画なども充実していたのですが、ラインナップを一通りみて何となく見る気が起きなかったで行きの飛行機では見ませんでした。それよりも、今この辺りを飛んでいます、現地到着まであと〇〇時間ですという、モニターに表示されていた航空経路や地図を見ていた方が面白かったかもしれません(笑)
ちなみにフライトは約13時間だったのですが、その内で寝れたのはおそらく1,2時間程度だったと思います。一応、耳栓・ノイズキャンセルヘッドホン・アイマスクなどは持ち込んでいたのですが、長時間の飛行機移動にはなかなか慣れることができなかったみたいです。ただ、不思議なことに飛行機に乗っていて酔うようなことはありませんでした。フライトの最中に何度か揺れが大きかった時はビクッとしましたが、一時的なものなのでずっとビクビクしていたわけではないです。
それと飛行機の中は割と寒かったので、スタッフさんにお願いしてブランケットを3枚ほど頂き、クルマユのように纏っていました。冷房が苦手な自分にとって、カーディガン1枚ではあまりにも寒すぎたので帰りの飛行機ではもっと着こもうと思いました。他にはエコノミークラス症候群対策にお手洗いへ立つたびに、後方のフロアでもも上げやアキレス腱を伸ばすなどのストレッチをやっていました。実際にどれほどの効果があったかはわかりませんが、やっていて損は無かったように思います。
《③ 国際線から国内線へ、中継地シカゴ空港に到着》
国際線から国内線へ乗り継ぎをするためにシカゴ空港に到着し、飛行機を降りてから早速入国審査を受けます。WCS経験者の中には「入国審査が一番緊張した」とお話されていた方もいらっしゃったので、どんな感じなんだろうと再びドキドキ。パスポートを電子機器で読み込んで出てくるチケットに謎の×マークが描かれてヒヤっとするも、そのまま審査ゲートを潜り入国管理官とお話をします。その際、相手をして下さった入国管理官が右手を広げて日本語で「オヤユビ」と言ってくれたのを聞いた瞬間、「あ、これ大丈夫だ」と思えたのはよく覚えています。これは指紋を電子機器に記録するためのやり取りだったのですが、お決まりの流れで入国目的を聞かれ「Pokemon World Championships」と返すと、「OK, Good luck!」と見送って下さいました。もしかするとこれは公式ツアーによる流れができていたから簡単に済んだのかもしれません…何はともあれ無事入国完了!ホッとしました。
搭乗ゲートから出てから他のターミナルを移動する際、バスに乗ることになったのですがそこで案内してくれるスタッフが皆大柄で陽気な方々でした。そのままバスの車窓から見える風景を見て「あぁ、やっとアメリカにやってきたのだな」と実感が湧いてきます。そのまま国内線の乗り継ぎまでは1時間以上あったので、早速リョウ君と共にターミナルの中を探検していました。その頃にはお腹がすき始めていたので、様々な飲食店のブースが並んでいるフードコートのような場所でご飯を食べることにしました。私が選んだのはSUBWAYのサンドイッチという無難なチョイス。リョウ君はたしかピザを食べていたのかな。空港の中でしたが、とりあえずアメリカっぽいものを食べられたのは楽しかったですね。
それにしてもシカゴ国際空港のターミナルは広い!様々な人種の方々が多く行き交い、あらゆるジャンルのお店が沢山並んでいます。イメージ的にはまるで巨大なショッピングモールを歩いているような感じでした。しかも、ポケモンGOのポケストップやジムもある。それだけで乗り継ぎの時間で退屈するようなことはほとんど無かったと思います。
国内線の搭乗時間を迎え、アメリカン航空の飛行機に乗り込んでみると、機内は何と1席 2席だけが並んでいる非常に小さい狭いものになっていました。普段から飛行機で移動すること自体が少ないので比較がしづらいかもしれませんが、自分がこれまで乗った飛行機の中では最も小さいものでした。搭乗してから離陸するまで思いのほか時間がかかったように思いますが、結果的には概ね当初のスケジュール通りに目的地へ到着。この飛行機でのフライト時間は大体1時間半ぐらいだったので、また寝れないだろうなと思い引き続き逆転裁判をプレイしたり、窓から見える広大なアメリカの大地を眺めていました。
《④ ナッシュビル空港到着、WCS2018の会場へ》
ナッシュビル空港へ到着し、そこからバスで宿泊先となるホテルへ移動します。バスの中では現地の添乗員さんがナッシュビルの案内をして下さいました。その内容に関しては残念ながらあまり詳しく覚えていないのですが、空港から街の中心部に向かっていくにつれて見えてくる大きなビルや大橋などの解説をしていたと思います。特に↑の写真にあるてっぺんがバッドマンのような形になっているタワーは、ナッシュビルではとても有名な建物らしく、現地に来てから見たものでは一番最初に印象に残るものでした。
バスを降りてホテルに到着したかと思いきや、最初に案内されたのはWCSの会場となるMusic City Centerのオリエンテーションが行われる部屋でした。どうやらホテルは会場から道路を挟んですぐ隣にあるみたい。それまでは選手オリエンテーションまで少し時間があったので、一旦オリエンテーションが行われる部屋に荷物を置き、それまで会場のフロアをふらりと歩いていました。ちょうどこのタイミングで同じく今回のWCS遠征にて行動を共にすることになっていたMocky君とも合流。彼は公式ツアーではなく自力で現地まで辿り着いたので、とりあえずお互い無事に会えてよかったと一安心。何というか、異国の地だと無事に再開できるとそれだけで嬉しくなります(笑)
この日はまだWCS開催日前日だったのでメイン会場となるホールには入れず。しかし、会場のフロアでは既に世界中の人々が集っていました。フロアのモニターにはWCS2018デザインのピカチュウや沢山のポケモンたちが映っていて、何万マイルも遠くからやってきた人々を出迎えてくれました。
また、物販と選手登録は前日から行われていたこともあり、物販で購入したであろうアイテムや選手登録で受け取ったウェルカムキットを手に動いていた人々が多かったです。また、テーブルがあるエリアではフリー対戦なども行われていたのかな。もしかするとこのタイミングからトレードを行っていた人々もいたのかもしれません。私はオリエンテーションまでの時間に物販に並んで買い物をして戻ったのですが、予想以上に時間がかかってしまってオリエンテーション開始時間に遅刻をしてしまいました…すいません。
オリエンテーションが終わり、ホテルに到着すると案内されたのは14階の色々な意味ですごく高い部屋。ベッドもクイーンサイズで大きくて本当にちょっとしたことなのにとにかく興奮していました。とはいえ、会場にまたすぐに戻りたい気持ちもあったので、そのまま荷物を簡単にまとめて再び会場へ戻ることに。
《⑤ ウェルカムキットゲット&異国間トレード》
会場に戻ってから真っ先にやったことは選手登録でした。私はDay2からの出場だったので選手登録は翌日でもよかったのですが、それよりもウェルカムキットを今すぐに受け取りたいという気持ちがとにかく強かったので、すぐに向かいました。確か身分証明書代わりにパスポートを持って行って本人かどうかを照合していたのかな。パスポートをホテルの部屋に忘れてきてしまった方もいて、急いで一旦戻らなきゃということもあったので、初めて選手登録をする際はご注意下さい。
ウェルカムキットと共にWCS2018の選手Tシャツ(紺色)を受け取った時は、「やっとここまで辿りつけたんだ」という嬉しさのあまり、強く抱きしめていました。そのリアクションを見たスタッフの方から「Congratulation!」と声をかけてもらえたのも嬉しかったです。
その後はフロアの隅の方でトレードが行われていることを知ったので、一旦ウェルカムキットをホテルの部屋に置きに行って、日本から沢山持ってきたトレードサプライのうち1/3ほどを持って会場フロアへと戻りました。
WCSへ出場するにあたって、「海外の人々とトレードを楽しむのもWCSの醍醐味の1つ」ということをWCS経験者から聞いていたので、日本からはサプライを沢山持ってきていました。大きいスーツケースを2個も持ち込んでいた理由の1つがこれです。
そのトレードにおいて特に魅力的だと思ったのは「言葉が完全に通じない相手との、対戦とは違った駆け引きが楽しめる」といった経験者からのアドバイスでした。私は英語が大して話せないので上手くできるのかなと思っていたのですが、実際にやってみると本当に駆け引きのようなものがあって、その中で無事に交渉が成立する度お互いに握手を交わす…何だこれめちゃくちゃ楽しいぞ!
最初のうちは慣れるまで20分ぐらいかかったと思いますが、段々とやり方がわかっていって気が付いたら2時間ぐらいトレードを繰り返していました。この時の私は、特にウルトラビースト関連のプレイマットが欲しかったので、主にその辺りを目当てに色々な人々とやり取りしました。そのタイミングで特に欲しいと思っていたのが、アーゴヨンとウルトラネクロズマのプレイマットだったのですが、これを手にすることができた時はすっごく嬉しかったですね。やっと持っている人を見つけたぞって時にも(笑)
(↑の写真に載せたのがこの日の成果です)
《⑥ アメリカで初めての夕ご飯と買い出しに街へ》
ある程度、トレードがひと段落した後は、リョウ君、Mocky君と共に夜ご飯を食べに行こうということになり、街の川沿いにあるHard Rock Cafeに行くことにしました。私はグリルチキンのサンドイッチセットを、彼らはハンバーガーセットを頼んだのですが、これが想像以上にでかい。写真だとわかりにくいかもしれませんが、皿の奥にあるバケツのような銀色の容器に大きめのフライドポテトも入っています。普段から食べ物を残すということは滅多にない私ですが、この時はあまりにもボリューミーすぎる内容にポテトだけは全部食べられませんでした。いやー、噂には聞いていたけれどアメリカのご飯のスケールって本当にでかいんだなと。
その後は翌日以降のためにミネラルウォーターを買い出しにいきました。この日はトレードに夢中になりすぎた影響で夜に動き始めるのがやや遅くなり、気が付いたらスーパーマーケットは既に閉店時間を迎えていて、買い出しができるような場所が会場から15分ぐらい離れたコンビニだけになりました。無事にミネラルウォーター500ml × 24本のセットを見つけたので、それを購入してホテルへと戻ります。
Hard Rock Cafeに向かって、ホテルへ戻るまでの間にちょっとだけナッシュビルの繁華街のような場所を歩きましたが、街中では様々な場所からあらゆる音楽が流れていました。ナッシュビルはMusic city(音楽の街)と呼ばれているということだけは事前情報として知っていたのですが、実際に歩いてみるとそれが想像以上の光景だったので本当に驚きました。この辺りの話は観光がメインのタイミングの記事で書こうと思います。
それと、これは個人的にやっていたことなのですが、私は4年前ぐらいからWCSを目指すにあたってスマートフォンの待ち受け画像を、毎回その年の開催地にある名所の写真にしていました。例えば2016年は開催地となったサンフランシスコではビッグブリッジの写真、2017年は開催地となったアナハイムにあるディズニーランドの中にあるグリズリーピークの写真など…
結局、何年もの間ずっと行けずに悔しい思いをしていたのですが、「いつかWCSに行ったらこの場所を自分の目で直に見てやるんだ」という気持ちは継続させるべく、WCS2017が終了した直後もナッシュビルにある名所の写真を待ち受け画像にしようと考えました。ナッシュビルのことを調べていた時に色々な写真を見ていると、何となく気になった不思議な形の建物が出てきました。どうやらそこはカントリー・ミュージック殿堂博物館という有名なスポットの1つらしいです。
ということで、WCS2018を目指すと決めた時から待ち受け画像はその写真になりました。どこにあるのかなど詳しい情報は後から調べればいいかなと思っていて、結局現地に辿り着くまで具体的な場所は調べていなかったのですが…実はこの建物、宿泊先のホテルの真後ろにありました(笑)
(3枚目の写真の建物です)
いつか自分の目で直に見たい風景が、偶然にもホテルへの帰り道であっさり見つかってしまったので思わず現地で笑ってしまいましたね。これも不思議な巡り合わせだなと思いながらこの日はそのままホテルの部屋に戻りました…そういえば、この時に見たホテルとMusic City Centerの合間から差し込む月の光がとても綺麗でした。
部屋に戻ってからは体力的な意味で時間が許す限り、翌日のDay1から出場する2人の最終調整を手伝いました。それが終わった後はみんなで身支度を整えて寝ました。おそらく0:30ぐらいだったかな。遅すぎず早すぎずといったところです。前半の方で飛行機ではあまり寝られなかったと書きましたが、現地のホテルではちゃんと寝られたので安心しました。
さて、次回の記事ではいよいよWCS2018本編の内容になります。引き続き写真と共に会場などの様子に加え、Day1で過ごした内容を書いていきたいと思います。意外とDay2本戦のレポートより重要なものが書かれているかもしれません。
もしよかったら引き続きご覧下さい。
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