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「本質で生きる」とは? 自分を解放し、殻を破るプロセスと支える存在が描かれた『No No Girls』
⒈はじめに:No No Girlsとの出会い
私は普段、芸能界にほとんど興味がありません。家にはテレビがないので、音楽番組はもちろん、ドラマやバラエティーすら観ない生活を送っています。
このエッセイを書くにあたり、“国民的歌手”と呼ばれる2024年紅白初出場者を調べてみましたが、正直なところ、一人も名前を知りませんでした。仮にそのメンバーが目の前にいても、彼らが誰なのか気づけないほどです。
そんな私が、ある日ふとYouTubeを開いたとき、オススメ動画として表示された一本の映像に目が留まりました。
タイトルは「No No Girls」。
一体何だろうと思いながら、何気なく再生してみたのです。
この動画は、「No No Girls(ノノガ)」というガールズグループオーディション番組の一話でした。そのコンセプトは衝撃的でした。
「身長、体重、年齢はいりません。ただ、あなたの声と人生を見せてください」
この前代未聞のメッセージのもと、国内外から7000件を超える応募が集まったのです。
このオーディションでは、アーティストの“ちゃんみな”がプロデューサーを務めています。年齢や性別、外見にとらわれず、これまで社会から「No」を突きつけられたり、自分自身を否定してきた人々が「アーティストになりたい」という強い想いを胸に挑む場。それぞれが、ちゃんみなに憧れ、彼女の表現や生き方に共感して集まっていました。
もし、あなたが「ノノガ」を知らなくても、興味がなくても大丈夫です!
このエッセイでは、オーディション番組の内容を詳しく知らなくても、「自分の本質を発見し、それを生きること」 について理解し、考えを深められるように書いています。
むしろ、「自分の殻を破るとはどういうことなのか?」を知りたい人にこそ、読んでほしい内容だからです。
さて、話を本題に戻しましょう。私はこの時、“ちゃんみな”の存在を初めて知りました。調べてみると、彼女は2017年にデビューしたトリリンガルラッパー/シンガーで、「国内外を問わず若い世代を中心に圧倒的な支持を得ているアーティスト」とのことでした。
この番組を観続ける中で、候補者たちの成長の姿にも感銘を受けましたが、何よりもプロデューサーである“ちゃんみな”という人物にとても興味を持ちました。彼女の何が、その気持ちにさせているのかは全くわからないまま、MVを検索し、彼女の表現を受け取る日々が始まりました
「えっ?なぜ私は、この人を、この音楽を、これまで知らなかったの?」
それほどに彼女の楽曲はインパクトが強く、メッセージ性も高い。これほどまでに力のあるアーティストなら、どこかで必ず耳にしていてもおかしくないはず。それなのに、まるで“彼女が存在しない世界”を生きていたかのように、私は一度も彼女の音楽に触れることなく過ごしてきたのです。それがとても不思議でした。
しかし今では、ちょうどこのタイミングで出会うべくして出会ったのだと感じています。この番組とちゃんみなの存在がなければ、このエッセイを書くこともなかったでしょうから。
彼女の作品はメッセージ性が非常に高く、映像表現も刺激的です。しかし、それ以上に私を惹きつけたのは、プロデューサーとしての彼女が、オーディション参加者と向き合う姿でした。彼女の言葉や鋭い観察力、的確なアドバイスを通じて、参加者一人ひとりの幸せな未来を見据えたアプローチに感動しました。
ちゃんみなは「本質」を見抜き、相手が気づいていない才能を引き出すための問いを与える人でした。その視座の高さと、彼女の楽曲から感じる強烈な個性とのギャップに、私は完全に魅了されたのです。
そして先日、2025年1月11日、7000人の応募者から7名が選ばれ、“HANA”というグループが誕生しました。決戦の舞台は横浜アリーナ。50,000人の観覧希望者の中から抽選で選ばれた20,000人が会場に足を運び、YouTubeの配信では同時接続者数が56万人に達するという驚異的な数字を記録しました。この番組は何が人々をここまで惹きつけたのでしょうか?
また、リアルタイムでの『No No Girls』の放送はすでに終了していますが、その影響力は今なお広がり続けています。放送当時から追い続けた人だけでなく、後になってこのムーブメントを知り、今から見始める人も増えています。すでに選ばれた7名の存在を知っていても、何度も見直している人も少なくありません。(私自身もその一人です。)
そして、多くの人が初見と変わらない感動を覚え、
「なんだかわからない涙が止まらない」
「どうしてこんなに胸が熱くなるのかわからない」
と語っています。
それはきっと、ノノガの候補者たちが体現した「殻を破る姿」「本質で生きる姿」に、多くの人が無意識のうちに共鳴しているからではないでしょうか?
「自分も殻を破り、本質的に生きたい」
「もっと自由に、自分を解放したい」
「社会に貢献できる存在になりたい」
そんな願いを、候補者たちの姿を通して再認識しているのかもしれません。
だからこそ、このオーディション番組は単なる「アーティストを生み出す場」にとどまらず、「視聴者一人ひとりにとっての人生の鏡」となり、強く心を揺さぶるのではないかと思います。
自分を受け入れ、殻を破る。努力し、諦めず、自分を認める。成長し、夢を実現させる姿。観る人によって、共感するポイントは異なるでしょうが、
私が強く惹かれたのは、主催する「あなたの“今”を創るプロジェクト」(通称「“今”プロ」)と、多くの部分で通じるものがあったからです。だからこそそれを確認するためにも書き綴りたいと思いました。
しかし、ここで綴りたいのは、HANAというグループやちゃんみな自身についての音楽評論ではありません。彼女たちの音楽性や人間性を評価したり、その背景を深く掘り下げることが目的ではないのです。
もちろん、彼女たちのファンや推しとしての愛を語る文章でもありません。
むしろ、このオーディション番組が映し出した 「自分の本質を発見し、その本質で生きること」 というテーマに注目したいのです。
このエッセイでは、それがどのように「“今”プロ」の活動と繋がるのか、そして 自分の本質に気づくことで人生がどう変わるのか を掘り下げたいと思います。
「あなたは本当の自分で生きていますか?」
この問いに、すぐに「YES」と答えられる人はどれほどいるでしょうか?
もし「わからない」「今の自分は違う気がする」と感じるなら、このエッセイを読み進めてみてください。
あなたが本質で生きるためのヒントが、きっとここにあります。
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⒉自己紹介:なぜこのテーマを語るのか
ここで少しだけ、私自身のことをお話しさせてください。
私は現在、「あなたの“今”を創るプロジェクト」(通称「“今”プロ」)のプロデューサーとして活動しています。
このプロジェクトは、参加者一人ひとりが自分自身と深く向き合い、究極の自己理解を深め、本質に繋がることで、内側から満たされ、本質を生きることで、その存在が自然と世界に調和をもたらす人へと成熟することを目指す場です。
ただし、「“今”プロ」に参加できるのは、本質型(内向型)の人に限定しています。
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本質型とは、私が確立した概念です。 一般的に「内向型」と呼ばれる気質と共通する部分が多いですが、私はあえて「本質型」という言葉を使っています。
それは、このタイプの人が単に「内向的」だからではなく、“本質を大切にする生き方こそが、最も自分を満たす” という特性を持っているからです。
本質型の人は、外向型の人とは違い、感受性が強く、物事を深く考え、自己内省する力があります。
その一方で、社会の期待や他人の評価に影響されやすく、外の世界に合わせて生きるうちに、本来の自分を見失い、抑圧されやすい傾向があります。
そのため「自分らしさとは何か」「本当の自分の価値とは何か」と迷い続けることも少なくありません。
しかし、本質型の人こそ、一度本質に繋がると圧倒的な影響力を持ち、世界に貢献できる存在になります。
深い洞察力を活かし、言葉や表現を通じて他者に気づきを与えたり、関わる人の人生を変えるほどの影響を与えることができるのです。
だからこそ、本質型の人が安心して自己探求し、成熟洗練できる場が必要だと考えました。
「“今”プロ」は、外向型の人が競争し、社会的な成功を掴む場ではなく、本質型の人が「本質を生きることで内側から満たされ、その存在を通じて世界に調和をもたらす」ための場なのです。
私自身が「本質を生きる」ことで満たされるようになった
私は今、本質に沿って生きながら、心からの充足感と穏やかな幸福を感じる毎日を送っています。
プライベートを大切に、魂が震える仕事だけをしています。
1日3時間以内の仕事で十分な収入を得ながら、月に一度だけ各地に出張するスタイルを選びました。
仕事は論理的なものと感覚的なもの、どちらも取り入れています。
以前は「どちらかに絞らなければ」と思っていましたが、今はどちらも私にとって必要なものであり、無理にどちらかを諦める必要はないと気づいたのです。
1日の大半は、自分の好きなことに使っています。
植物に囲まれながら、ガーデニングを楽しみ、発酵食品や手作りの調味料を仕込み、食事の準備をゆっくりとする。
論理をまとめる時間も大切にしながら、誰にも邪魔されることなく、心の赴くままに過ごす。
そんな時間こそが、私を満たし、次の創造へと繋がっていきます。
また、私は自然に近い場所で生まれ育ったこともあり、林や山を探索し、足元の植物や自然の中の生き物たちと一緒に過ごすことが、人生に欠かせない時間です。
子どもの頃はただ楽しくて自然の中を歩き回っていましたが、今はその時間が「本質と繋がる」ための大切なひとときになっています。
不要なものは手放し、必要なものだけを大切にする。
以前の私は、周囲の期待に応えようとしすぎて、人との付き合いを優先し、自分の時間を削っていました。
でも今は違います。本当に必要なものだけを選び取り、不要な付き合いはしない。
私にとって最も大切なのは、「一人の時間を守ること」。
それが、自分の本質と繋がり、充足感を得るための鍵だと分かったからです。
そして、私の暮らしには、100鉢以上の植物が共にあります。
室内だけでもその数ですが、これは単なる趣味ではありません。
「生きること」を共にしている存在であり、植物の成長や変化を感じながら、私自身もまた成長し、進化し続けています。
こうして、「本質を生きる」という選択をしたことで、人生そのものが豊かで満ちたものになりました。
外側の基準ではなく、自分自身が心から満たされる生き方を選ぶことで、無理をすることなく、自然とすべてが循環し、調和が生まれています。
これが、「本質軸で生きる」ということです。
かつては迷い、葛藤し、自分を見失ったこともありましたが、本質に戻ることで、私はようやく「自分の人生」を生きられるようになったのです。
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「本質型」の生き方を守るために「“今”プロ」を創る
私はこの生き方を「特別なもの」だとは思っていません。
むしろ、本質型の人であれば、誰もがこのように満たされた生き方を手にすることができるはずなのです。
けれど、本質型の人は、社会の中で自分を抑えたり、周囲に合わせることで、本質から遠ざかってしまうことがほとんどです。
私自身もかつては、他人軸に縛られ、自分の本質を見失っていた時期がありました。
だからこそ、本質型の人が「本質を生きる力」を取り戻し、安心して成長できる場が必要だと確信したのです。
「“今”プロ」は、ただの学びの場ではありません。
本質型の人が本当に自分を生きるために、安心して自己探求できる場所です。
本質型のあなたが、あなた自身の本質を取り戻し、満ちた人生を送ることを、私は心から願っています。
私が「ノノガ」に惹かれた理由:ちゃんみなとの共通点
私は「ノノガ」を通じて、ちゃんみなというプロデューサーの在り方に強く惹かれました。それは、私自身の活動と大きく重なる部分があるからです。
①優しい世界を作るという想い
ひとつ目は、優しい世界を作りたいと願い、そのために行動しているということ。(ちゃんみな自身は「優しい世界」とは表現しておらず、「世界を変えたい」と言っています)
ちゃんみなは、作品や表現を通じてその世界を描き出し、その想いを引き継いでくれる人たちをプロデュースしようとしています。そして、彼女が育てた人たちが、またその先の世界を変えられる存在となる未来のビジョンを描いています。
一方で私は、人々を成熟させることで、自己表現や他者との関わりによって優しい世界を創れる人=優しい世界の住人を増やしたいと願っています。その人たちがさらに他の人々と繋がり、優しい世界が広がっていくことを目指しているのです。
優しい世界の住人とは、自分の本質を生きている人たちのことです。
彼女たちは、社会や自分自身から突きつけられた「No」を宝物に昇華させ、その結果、自分の内面から満ちた人生を歩んでいます。彼女たちの豊かな生き方が、周囲や社会にまで影響を及ぼし、ポジティブな循環が生まれるのです。
②「本質」を見抜き、引き出す力
ふたつ目は、「本質を見る」という点です。
ちゃんみなは、表情や声を通じてその人の人生や本質を見抜く力を持っています。彼女が「声にはその人の人生が現れる」と語るように、声を通じて人の内面や可能性を捉える力は本当に素晴らしいと感じます。
一方で、私のアプローチは少し異なります。私は「感覚」と「観察力」、そして「問いかけ」を使いながら、本質を多面的に捉えることを大切にしています。
それは少しだけ特殊な能力のようにも感じられるかもしれませんが、対話中に受け取るエネルギーから、その人の「在り方」「背景」「本質」を一瞬で感じ取り、読み解いていくのです。それは単なる表面的な情報に留まらず、生命エネルギーの状態や命や魂の質、未来の可能性や潜在力、さらにはその人自身が無意識に隠している側面までをも見抜くプロセスです。
③ 人への関わり方、受け取り方、相手を想う心
そして三つ目の共通点は、人への関わり方と受け取り方、相手を想う心です。
これは、本質型(内向型)という気質と、これまでの人生経験から培われたものだと感じています。
ちゃんみなが相手を尊重し、その人の中に眠る可能性を信じるように、私もまた関わるすべての人に対して真摯に向き合い、その人が持つ本当の力を引き出すサポートをしています。
このようなアプローチを通じて、私は多くの人々が自分自身の「殻」を破り、本質と繋がる瞬間に立ち会ってきました。それは単に個人の変容に留まらず、その人の周囲や環境にもポジティブな影響を与える「信頼の循環」を生み出していきます。そして、その循環が広がることで、優しい世界を構成する一人ひとりが繋がり合い、新たな未来を切り開いていくという大きな希望を抱いています。
このエッセイを読むあなたへ
このエッセイでは、「ノノガ」の候補者たちが見せた「殻を破る」瞬間を通じて、人生を変える本質軸への移行について掘り下げたいと思います。
「ノノガ」やちゃんみなを知らなくても、「本当の自分を生きたい」「今の自分を変えたい」「もっと本質に生きたい」と願う人なら、このエッセイの内容は、きっとあなたの人生に役立つものになるはずです。
これは、特定のアーティストやオーディションの話ではなく、「誰にとっても必要な人生のテーマ」だからです。
もし、あなたが「自分の殻を破りたい」と思うなら、あなた自身がすでに本質軸へ向かう旅の途中にいるのかもしれません。
この文章が、あなた自身が殻を破り、優しい世界を生きる一歩を踏み出すきっかけになることを願っています。
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3. 自分と向き合う大切さ
私が「ノノガ」の番組に心を動かされた理由の一つには、候補者たちが自分自身と向き合い、成長していく姿がありました。彼女たちはオーディションという舞台の中で、技術を磨くだけでなく、自分の内面と向き合い、殻を破る瞬間を見せてくれました。
そのプロセスには、迷い、葛藤、涙がありました。しかし、それを乗り越えた先には、「誰かになる」のではなく、「自分として生きる」と決意する瞬間がありました。これは、「ノノガ」特有の話ではなく、人生のあらゆる場面に共通する本質的なテーマです。
「ノノガ」のコンセプトは、
「社会や他人からNOと言われた経験があったとしても、自分と人生にNOと言わないこと」。
そして、このオーディションを通して「NO」を「YES」へと成長させること。
これは、「“今”プロ」の理念とも重なります。
「“今”プロ」もまた、参加者が自己と向き合い、殻を破り、本質に戻ることで、自分らしく生きることをサポートする場です。
「ノノガ」の候補者たちが自己を見つめ、成長していく姿を見ながら、私は「“今”プロ」で参加者たちが経験する「自己と向き合うプロセス」と深く重なっていると感じました。
なぜなら、自己探求を続けることは、時に苦しみを伴うけれど、その先には想像もしなかった新しい自分との出会いが待っているからです。
Noな自分の正体
私たちは誰もが、社会や他者の評価に影響を受け、無意識のうちに自分に「No」と言い続けてしまう瞬間を経験します。
「どうして私だけ認められないのだろう」
「私はこのままでいいのだろうか」
「もっと頑張らなければ、価値がないのではないか?」
こうした疑問や不安に囚われていると、自分を否定するループにはまり、気づかないうちに「本来の自分」と「社会の期待に応えようとする自分」の間にズレが生じていきます。
「ノノガ」の候補者たちも、過去に社会や周囲から「No」を突きつけられた経験を語りました。その言葉は痛みを伴い、彼女たち自身が自分に「No」と言い続けてきた証でもありました。
しかし、殻を破るためには、まずそのループに気づく必要があります。
「Noのループ」に気づき、それを手放す準備が整ったとき、人は初めて「Yes」を見つける可能性に気づけるのです。
これは決して、オーディションを受けた人だけの話ではありません。どんな人にも共通する「自己否定から抜け出すプロセス」なのです。
「“今”プロ」でも、私は参加者たちがこの「Noのループ」から抜け出し、自分自身を受け入れるプロセスをサポートしています。
「本当にやりたいことがわからない」「自分らしく生きられない」と悩む人が、その内側にある「No」に気づき、そこから抜け出すことで、本質に戻ることができるのです。
「自分は何者なのか?」
「どうすれば自分らしく生きられるのか?」
そんな問いを抱えたことがある人なら、ノノガの挑戦者たちの姿を通じて、自分自身を見つめ直すヒントを得られるはずです。
向き合わないことのリスク
では、もし自分と向き合うことを避け続けたら、どうなるのでしょうか?
「ノノガ」の候補者たちの中にも、向き合うことを避けていたがゆえに、不健全な自分軸にとどまってしまった人がいました。
自己と向き合わずにいると、不安や恐れ、怒りの感情を外に投影し、周囲を信頼する力を育むことができません。
例えば、CHIKAのエピソードがあります。
彼女は圧倒的な歌唱力とダンスの実力を持ちながらも、「自分にはカリスマ性がない」「人を惹きつける力が足りない」と自信を持てず、過去のオーディションでの敗退経験や、デビューに至らなかった経験を引きずっていました。
そんな彼女に対し、ちゃんみなは4次審査でこう伝えました。
「自信がない感じはもうここまで。いい加減にしろ。」
「過去のCHIKAを讃えてほしい。やってきたこと、乗り越えたことを振り返って、自分を信じてほしい。」
「こんなに歌とダンスが上手いのに、自分の過去に中指を立てちゃダメ。」
そして、彼女の博多弁のリリック(歌詞)を「響いた」と評価しました。
これは、ちゃんみながCHIKAの本質を見抜き、「そこにこそ、あなたの本質があるんだ」と伝えていたのだと思います。
しかし、5次審査では、ちゃんみなから厳しい指摘を受けます。
「今回ちょっと残念だった。今までで一番、目立ってなかった。」
「理由は、周りに気を使いすぎて、自分にフォーカスできてなかったんじゃない?」
「4次審査で『自信を持って』って言ったよね? 自信を持つって自己愛が大事。」
「このまま進んじゃうと、ただ歌が上手い、ダンスが上手な人になっちゃう。それが私は一番怖い。」
CHIKAは、周囲を気遣い、チームの雰囲気を大切にする優しさを持っていました。しかし、そのあまり「自分自身のことを後回しにしていた」のです。グループの中では支え手としての役割を果たしながらも、自分の内面としっかり向き合うことを後回しにし続けた結果、自分の個性が十分に活かされないままステージに立ってしまったのです。
ちゃんみなの指摘を受け、CHIKAは涙ながらにこう語りました。
「今まで以上にポジティブに審査に臨めたと思っていた。でも、思うことがあっても、空気が悪くなるならと話すことを諦めた自分が悔しい。」
「明日からはもう一度自分と向き合って、『私でないとダメな理由』を、自分が一番わかっていられるように頑張ります。」
この瞬間、CHIKAは初めて「他者のために動くこと」ではなく、「自分自身を大切にすること」に意識を向けたのではないでしょうか。彼女がずっと避けてきた「本当の自分と向き合うこと」を、ようやく受け入れた瞬間だったのです。
そして迎えた決勝ステージでは、CHIKAの本質が存分に開花しました。博多弁のリリックが活かされ、彼女にしかできない表現がステージ上で輝きました。まさに、「CHIKAでなければならない」パフォーマンスとなったのです。
もう一つの例として、KOKOのステージも、自分と向き合うことの重要性を象徴しています。
彼女は過去に突きつけられた「No」に対する怒りや悲しみを、そのままの形で表現しました。他責により生まれた、相手への怒りも感じられました。その結果、観客は彼女の感情に圧倒されましたが、共感や救済を得ることはありませんでした。なぜなら、そのステージには、「感情を昇華し、観客に何かを与える表現」が欠けていたからです。
敗退した彼女にちゃんみなはこう語りました。
「もう「NO」と言われてきたことをリリースしてほしい。言われてきたこと、私が言ってきたこと、感じたことを、全部消化(昇華)してほしい。そしたら素晴らしいステージ(成熟段階)に行ける(進める)だろうなと思った。でもKOKOには(殻を破る)きっかけが必要だろうなと思ったから、この決断をした。」
つまり、実力が十分にあった彼女が落選したのは、単に技術的な問題ではなく、「成熟の機会と時間が必要だったから」なのです。
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ちゃんみなが望むのは、世界を変えられるアーティスト。つまり、自分の傷をそのまま自己表現として訴えるのではなく、それを乗り越えた先で、他者に影響を与え、励ます力を持つ表現者だったのです。
『No No Girls』のオーディションは、ただの競争の場ではなく、「自分と向き合い、本質を生きるための試練」でもありました。
CHIKAはそれを受け入れ、本質の表現へと進みました。一方で、KOKOはまだその過程にある。どちらの姿も、「向き合うことの大切さ」を私たちに示しています。
「“今”プロ」でも、参加者が自己と向き合う中で、時には「痛み」や「怒り」を感じることがあります。しかし、それをただ発散するのではなく、昇華することで、他者に貢献できる形へと変えるプロセスを大切にしています。
それは、ただの自己表現ではなく、「世界に影響を与える存在になる」ための道なのです。
健全な自分軸への道
では、どうすれば自分と向き合い、健全な自分軸を育むことができるのでしょうか?本質軸へと成熟するのでしょうか?
そのためには、まず自分の過去や痛みを受け入れることが必要です。
私たちは多くの場合、自分の弱さや痛みを見たくない、認めたくないと感じます。
しかし、その「見たくないもの」に直面し、それを自分の一部として受け入れることで、自己否定を超える道が開けるのです。
ちゃんみなはこう言っています。
「弱さを認めた上で、誰かを演じるのではなく、今の自分を表現してみよう。」
これは、自分の弱ささえも力に変え、本質で生きることの重要性を示しています。
「“今”プロ」でも、参加者が自分と向き合い、過去の痛みや課題を超えていくプロセスをサポートしています。
自分を受け入れたとき、人は驚くほど大きな可能性を発揮することができるのです。このプロセスを乗り越えたとき、「自分はこれでいいんだ」と思える本当の自己信頼が生まれます。
そして、その先には、「本質軸」で生きる未来が待っています。
殻を破ることの意味
殻を破るとは、ただ過去を乗り越えるだけのことではありません。
自分の弱さや痛みを「宝物」に昇華させ、本質と繋がることです。
「No」と言われ続けた経験や自己否定の感覚すらも、未来の自分を創るための糧になります。そしてその変容は、周囲の人々や社会にまでポジティブな影響を与えます。
「ノノガ」の挑戦者たちの姿を通じて、私は改めて感じました。
人が殻を破る瞬間には、他者を勇気づけ、希望を生み出す力があるのだと。
「信頼の循環」 は、殻を破った人が生み出すもの。「“今”プロ」もまた、参加者が自分と向き合い、殻を破り、本質で生きるための場なのです。
4. 成長のプロセス:他人軸から本質軸へ
「本当の自分で生きること」は、一瞬で手に入るものではありません。人は成長の過程で、「他人軸」「不健全な自分軸」「自分軸」「本質軸」という4つの段階を経ながら、少しずつ自分の殻を破っていきます。
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このプロセスは、特に本質型の人にとって重要です。なぜなら、本質型の人は感受性が強く、深い内省力を持つ一方で、他人の期待や評価に影響を受けやすいため、自分自身の本質を見失うことが少なくないからです。
「本質軸」とは何か?
本質軸とは、私が確立した概念です。
これは、単なる「自分らしく生きる」ということを超えた、より成熟した生き方を指します。
人は成長の過程では、まず 「他人軸」 の段階を経験します。
他者の価値観や社会の基準に従って生きることで、自分の本音や感覚を抑え込んでしまう時期です。
そこから抜け出そうとすると、次に 「不健全な自分軸」 に迷い込むことがあります。
「不健全な自分軸」 とは、私がこの成長プロセスを整理する中で明確に定義した概念です。多くの人が 「他人軸」から抜け出す過程で、健全な自分軸に進む前に通る段階 であり、ここに長くとどまってしまうことがしばしばあります。
この段階では、「もう誰にも振り回されたくない」「私は私だ」 という強い反発のエネルギーが生まれます。しかし、それは 本当に自分の本質を生きることとは異なり、まだ「他者との関係性の中での自己防衛」にとどまっています。そのため、極端な孤立や攻撃性が現れたり、必要以上に自分を守ろうとしてしまうことがあるのです。
この 「不健全な自分軸」 を超え、健全な「自分軸」へと進むことで初めて、 「私はこう生きる」と、自分の価値観を確立できる ようになります。
そして、その先にあるのがさらに成熟した段階、「本質軸」です。
本質軸とは、自分の本質に繋がり、それを生かしながら、社会や他者と調和し、貢献していく生き方 のことを指します。これは、単なる自己実現を超えた、自己超越の領域でもあります。本質型の人は、この本質軸に到達することで、最も深い充足感を得ることができます。
しかし、このプロセスは単なる知識として理解するだけでは不十分です。
●「今の自分はどの段階にいるのか?」を正しく把握し
●実際の経験として腑に落とすことが
が必要です。
なぜなら、現状を認識できなければ、自分が抱える生きづらさや課題を どのように解決すればいいのか も見えてこないからです。
どの段階も成長のプロセスとして必要であり、順番を飛ばして到達することはできません。だからこそ、自分が今どの位置にいるのかを理解し、その時々に必要な取り組みを知ることが重要なのです。
4つの成長段階
他人軸
周囲の期待に応えようとし、自分の価値観を後回しにする段階。
「どうすれば評価されるか?」を基準に生き、自分の本当の声を無視してしまう。
不健全な自分軸
他人軸から抜け出そうとするが、反発や孤立に走りやすい時期。
自分を守るために過剰な攻撃性が出たり、周囲の評価を極端に拒絶することもある。
自分軸
「私はこう生きる」と決めるが、視野が狭く、他者理解力はまだ低い
自己理解が進む一方で、他者との深い関係を築く余裕がまだ生まれにくい。
本質軸
自然体で生きながら、内側から満たされ、その存在が世界に調和をもたらす状態。
「私は私でいい」と自分を信頼し、自分の才能や影響力を、他者や社会のために活かせる。
成長の過程で起こる「つまずき」
この4つの段階のどこにいるかを知り、必要なステップを踏むことで、人は「他人の評価に左右されず、自分の本質を生きることができる状態」へと移行していきます。
しかし、多くの人は 「他人軸」から抜け出したあと、不健全な自分軸にとどまりやすい という特徴があります。他人の期待に応えることをやめ、「自分を大切にしよう」とする過程で、今度は「私は私」「誰にも指図されたくない」と、反発することで自分を守ろうとしてしまうのです。
この段階では、「自由になれた」と感じる一方で、心のどこかで孤立を感じたり、必要以上に攻撃的になったりすることがあります。
しかし、本当に求めているのは「ただ反発すること」ではなく、「自分の本質を生きながら、調和の中で存在すること」 のはずです。
さらに、自分軸に進んだ後も、「私はこう生きる」と決めたことで、他者との関係が疎遠になったり、自分の価値観を守ることに必死になりすぎてしまう時期があります。
ですが、その先にある本質軸では、「私は私でいい」と自分を信頼し、周囲とつながりながら影響を与えていくことができる のです。
このプロセスは、本質型の人が持つ繊細さや深い思考力を活かしながら、自己を成熟させ、人生を豊かにしていくための道でもあります。
今、自分がどの段階にいるのかを客観的に捉えながら、焦らずに次のステップへ進むことが大切です。
「“今”プロ」で大切にしていること
「“今”プロ」では、この成長プロセスを 単なる知識として理解するのではなく、実際に体感し、腑に落とすこと を大切にしています。
なぜなら、自分の本質は、頭で考えるだけではなく、感覚として感じることによって初めて本当のものになる からです。
知識を得るだけでは、実際の選択や行動が変わらず、「理解しているつもり」になってしまうことも少なくありません。どんなに学んでも、頭での理解だけでは本質軸に進むことはできず、むしろ「知っているのに変われない」と感じてしまうこともあります。
だからこそ、「“今”プロ」では、「声を通して受け取る場」 を提供しています。
本質型の人は、単に理論を学ぶだけではなく、エネルギーや響き合いの中で実感し、自分の感覚として腑に落とすことが必要です。言葉では説明しきれない本質的な気づきも、実際に「受け取る」ことで初めて深く浸透していくのです。
もしあなたが
「私は今どの段階にいるのだろう?」
「どうすれば本質軸へ進めるのか?」
と感じているなら、まずは 「今の自分を正しく知ること」 から始めてみてください。
本質を生きるとは、知識を詰め込むことではなく、自分の内側から感覚として確信できる状態になること。
そのプロセスを進めることで、あなたは本質軸へと移行する準備が整っていきます。
今、どの段階にいても大丈夫です。
焦る必要はなく、自分に合ったペースで進めばいい。
本質軸へと進む道は、あなたの中にすでにあります。
それを見つけ、歩んでいくことこそが、本当の意味での「自分を生きる」ということなのです。
5. 殻を破るプロセスと信頼
「殻を破る」ということは、単に勇気を持つことや意識を変えることだけではありません。本当に殻を破るためには、生命力そのものが十分に満ちていることが大前提となります。
ストレスが多く、生命力が低下し、不健康な状態では、殻を破るためのエネルギーが生まれません。自分自身と向き合い、変化しようとするには、肉体的・精神的なエネルギーが必要です。
しかし、エネルギーが不足していると、「変わりたい」「成長したい」と思っても、実際には動くことができません。
さらに、自律神経のバランス も、殻を破るプロセスに深く関わっています。特に、腹側交感神経 の発達が重要です。これは、「つながり」や「絶対的な安心・安全」を感じることで活性化される神経です。
この神経が十分に発達していないと、人を信頼することができず、緊張や不安に支配され、自己表現ができなくなる という状態に陥ります。
つまり、生命力が弱く、不安定な状態では、いくら努力しても殻を破ることはできないのです。
「ノノガ」のオーディションでは、この生命力や神経システムの働きが、候補者たちの成長にどのように関係しているのかが、非常にわかりやすく映し出されていました。
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「本来のステージにあげてほしい」という願い
話は少し脱線しますが、私はクライアントからセッションの中で、「本来のステージにあがりたい」という希望を何度も聞いてきました。
多くの人が、「今いる場所は違う」「もっと自分らしく生きたい」「でも、どうすればいいかわからない」と感じています。
「本来のステージ」とは、単に社会的な成功や外的な評価を得ることではありません。
それは 本質軸で生きること ——すなわち、自分の本質をそのまま生かし、無理なく自然体でいられる場所のことです。
それは、誰かに引き上げてもらうものでもなく、自分自身が殻を破ることで、自然と立てる場所 なのです。
では、その「本来のステージ」にたどり着くために、何が必要なのでしょうか?
最も大切なのは、「殻を破るプロセス」を経ること。
自分の可能性を制限しているものを手放し、本質の声を取り戻すことが欠かせません。
しかし、そのためには 単なる意識の変化だけではなく、生命力を満たし、安心と信頼の感覚を育てること が不可欠です。どれだけ努力を重ねても、生命力が不足し、自分自身への信頼が持てなければ、本質軸に立つことは難しいのです。
「殻」の正体とは何か?
では、人が自分の可能性を制限してしまう“殻”とは、一体何なのでしょうか?
それは、以下のような要因によって作られています。
●他者や社会の期待:「こうあるべき」「こうしなければ成功できない」といった価値観の制約
●自分の恐れや思い込み:「自分にはできない」「傷つきたくない」「どうせ認められない」という自己否定のループ
●過去の経験やトラウマ:「あの時ダメだったから、また失敗する」「傷つくくらいならやらないほうがいい」という心のブレーキ
●生命力の低下:エネルギー不足により、新しいことに挑戦するパワーが生まれない
●神経システムの影響:幼少期の環境や人間関係によって培われた「安心感」の有無
これらの要因が絡み合うことで、人は自分に「No」を突きつけ続け、殻の中に閉じこもることを選んでしまいます。
時にその“殻”は、時に自分を守る役割も果たします。しかし、それに縛られている限り、人は本質を生きることができません。
しかし、「ノノガ」では、候補者たちはこの“殻”を破るプロセスを通じて成長していきました。 彼女たちは過去に突きつけられた「No」を抱えながらも、それを乗り越え、自分自身を表現する力を身につけていったのです。
「殻を破るために必要な環境」ーー安心・安全・信頼の土台
「殻を破る」とは、単なる意識の問題だけではなく、生命力と神経システムの問題 でもあります。人は、安心安全が確保されなければ、本当の意味で変容することはできません。
この安心安全を担うのが、自律神経の一つである「腹側交感神経」です。
この神経が十分に発達していると、人は「他者とのつながり」を感じ、リラックスしながら能力を発揮することができます。
しかし、これが不十分だと、
●人を信頼できない
●他者と関わると緊張する
●自分を表現するのが怖い
という状態に陥りやすくなります。
「ノノガ」では、候補者たちがこのプロセスを経る姿がありました。
●最初は遠慮して自分を出せなかったり、他者と比較して自己否定していた候補者たちが、信頼と絆を深めることで安心して自分を出せるようになっていった。
●チームで作品を創る中で、他者との協力を通じて「他人を信じていい」「弱さを見せてもいい」「ライバルではなく信頼できる仲間」という感覚を取り戻していった。
●決勝ステージの1ヶ月前、候補者たちがちゃんみなに対して遠慮や緊張を感じている姿を見た彼女は、彼らを自宅に招き、プライベートな姿をあえて見せることで、「私は家族。私はみんなを誰よりも応援していて、大切に想っている。」と態度で示した。
このように、安心安全な環境が整って初めて、「人を信頼する」という感覚が生まれ、殻を破る準備が整うのです。
「“今”プロ」でも、安心安全な環境を提供することを最優先にしています。
特に本質型の人は、過去に傷ついた経験が多かったり、深く考えすぎる性質ゆえに、人との関係に慎重になることが多い。
だからこそ、他者への安心感と信頼を持てることが、本質型の人が殻を破るために不可欠な要素なのです。
信頼の大切さーー「自分を信じる」ことが「世界を信じる」ことへ
「殻を破る」ためには、何よりも「自分を信じること」 が重要です。
しかし、それは一人ではできません。
「ノノガ」の候補者たちも、最初は自信がなく、自分の可能性を疑っていました。
しかし、圧倒的な位置にいるちゃんみなが、一人ひとりの才能や個性を信じ続けることで、彼女たちは徐々に自分を信じられるようになっていったのです。
これは、「“今”プロ」でも同じです。
人は「自分を信じる経験」を積むことで、はじめて他者や世界を信頼できるようになる。
信頼が生まれることで、人は自分の殻を破り、新たな世界に飛び込む勇気を持てるのです。
昇華の力 ー 苦しみを「表現」ではなく「メッセージ」に変える
私は「昇華」とは、苦しみや痛みを単なる感情の吐露や表現ではなく、「宝物」に変える力だと考えています。つまり、経験をただ過去の出来事として語るのではなく、それを人生の糧として意味づけし、さらに他者にとって価値のある「メッセージ」として届けること。このプロセスこそが、本質軸への道につながっています。
「昇華」のステップー本質軸に至る道
殻を破る過程では、「苦しみや痛み」とどう向き合うかが重要になります。しかし、それをどのように扱うかによって、表現が持つエネルギーは大きく異なります。
① 苦しみを抱えたまま表現する(他人軸・不健全な自分軸)
●まだ痛みを消化できず、感情のままに表現してしまう状態。
●怒りや悲しみをそのままぶつけるため、観る人・聴く人が圧倒されるが、癒しにはつながらない。
●「自分をわかってほしい」という強いエネルギーが前面に出るため、共感は生まれても、受け取る側の変容には至らない。
これは、「ノノガ」候補者であるKOKOのステージにも見られました。彼女は過去の「No」と言われた経験を、そのままのエネルギーで表現しました。その結果、観客は彼女の強烈な感情に圧倒されましたが、それが昇華されたものではなかったため、「共感」を超えた「癒し」や「気づき」にはつながりませんでした。彼女の中にある怒りや悲しみが未消化のまま表現されていたからです。
② 経験を受け入れ、意味づけする(自分軸)
●「この経験があったからこそ、今の自分がいる」と、自分の人生の一部として受け入れられるようになる。
●過去の経験を、自分の強みや学びの源として捉え直すことができる。
●ただし、この段階ではまだ「自分のため」の気づきが中心であり、他者に向けた影響は限定的。
「ノノガ」候補者MOMOKAも、まさにこのプロセスを体験していました。
彼女は過去に、他のオーディションやさまざまなチャンスで期待されながらも、あと一歩のところで敗退を繰り返してきました。そのたびに大きな傷を負い、悔しさを抱えていたのです。
しかし、「ノノガ」に参加した今、彼女は過去の経験をこう語っていました。
「当時の私は、自分らしさを出せていなかった。求められるものに合わせ、擬態していた。だから、もしあのまま選ばれていたとしても、いずれ自分とのズレを感じ、苦しんでいたはず。でも、あの時選ばれなかったからこそ、私は『ノノガ』に参加できている。ここでは、等身大の自分を受け入れてもらえる。それなら、あの選択は間違いではなかった。今の私にとって必要な道だったのだと思える。」
過去の「No」と言われた経験が、彼女にとっての「Yes」に変わる瞬間でした。自分の選ばれなかった過去に意味を見出し、それを受け入れることで、「自分のための気づき」へと昇華できたのです。
しかし、この段階では、まだ「自分のための乗り越え」にとどまっています。
つまり、「自分は成長できた」「今の自分でよかった」とは思えても、その経験が他者にとっての学びや希望となるには、もう一歩進む必要があります。
昇華の本当の力は、この先にあります。
過去の経験を「私の人生の糧」とするだけではなく、それを「誰かの未来を照らすメッセージ」として伝えられるようになることーーそれが、本質軸に進むための鍵なのです。
③ 経験を「他者にとってのメッセージ」に変える(本質軸)
●ここで初めて、自分の経験が「他者にとって意味のあるもの」として伝えられるようになる。
●ただの自己表現ではなく、観る人・聴く人が「自分ごと」として受け取れる形に変わる。
●「過去の経験があったからこそ、今の自分がある」ではなく、「この経験を通じて、私は今ここにいて、あなたに伝えたいことがある」という視点が加わる。
●つまり、「自分の物語」ではなく、「受け取る人の人生に影響を与えるメッセージ」へと変わる。
ちゃんみながプロデューサーとして求めたのは、まさにこの領域の表現でした。彼女がオーディション中に何度も「もう『No』と言われてきたことをリリースしてほしい」と伝えていたのは、単に過去を乗り越えるという意味ではなく、その経験を昇華し、観客に「力を与える」ステージへと変えてほしいという願いからでした。
昇華された表現は、単なる「私の痛み」ではなく、「あなたの気づき」へと変わります。それができるのは、殻を破り、自分軸を超えて本質軸へと進んだ人だけです。
「“今”プロ」でも、私はこの昇華のプロセスを大切にしています。
「No」と言われた経験は、そのままでは傷として残りますが、昇華することで「宝物」に変わるのです。
どんな経験も、意味を見出し、成長の糧とすることで、人は新たなステージへと進むことができます。
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6. ちゃんみなの成熟した本質軸と、人を導く力
「ノノガ」のオーディションを通じて、ちゃんみなが、ただの「成功したアーティスト」ではなく、「本質軸に到達し、人を導く存在」であることが明確に伝わってきました。
彼女が目指していたのは、技術や外見の優れた人をプロデュースすることではなく、「その人自身の本質を開花させること」でした。
それを象徴するのが、オーディションで選ばれた7人のグループ名「 HANA(花)」 です。
「頑張って、頑張って、頑張って咲いたみんななのでHANAという名前にしました。枯れない花を私も一緒に作ってみせます。」
そう語る彼女の言葉には、アーティストとしてだけでなく、プロデューサーとしての信念が込められています。
では、なぜちゃんみなには、人を本質軸へ導く力があるのでしょうか?
それは、彼女自身がかつて 「他人軸」に囚われた時期を経験し、そこから本質軸へと成熟していったから です。
彼女が導けるのは、自らがその道を歩いてきたからなのです。
これは、「“今”プロ」を主催する私自身の経験とも深く重なります。
私もまた、かつては他人軸の中で生き、そこから抜け出し、本質軸へと至るプロセスを経てきました。
だからこそ、本質型の人々が本質軸へと進むための場を創り、彼女たちが持つ影響力を解放することができるのです。
ちゃんみなの「他人軸」から「本質軸」への成熟プロセス
今でこそ、ちゃんみなは、「自分のためではなく、世界や他者のために表現する」という境地に達しています。
しかし、彼女のキャリアは最初から本質軸にあったわけではありません。
彼女は幼少期から音楽を志し、強い意志を持って成長してきましたが、その過程で 他人軸の苦しみ、不健全な自分軸の迷い、そして本質軸へ至るプロセス を経験してきました。
①幼少期 ーー 健全な自分軸
ちゃんみなは日本人の父と韓国人の母のもと、韓国で生まれ、3歳から日本、韓国、アメリカを行き来しながら育ちました。7歳で日本に定住したものの、日本語がわからず、学校ではいじめを受けることもあったそうです。しかし、彼女はその経験を「才能の一部」として受け入れていました。
「変わっているからこそ、曲を作れるし、音に敏感なんだもんって思っていました。だから、自分が変わっていることを受け入れてましたね。それくらい自分の音楽の才能を信頼してたし、小さいころから今まで、それは一度も揺らいでいません。」
この頃の彼女は 「健全な自分軸」 の中にありました。いじめや批判があっても、それを気にすることなく、自分の世界を生きていたのです。
②思春期 ーー 不健全な自分軸
しかし、中学生になると環境が変わり、仲間を求める中で「不健全な自分軸」に傾いていきます。彼女は、周囲に馴染もうとしながらも、本当の自分ではない生き方をしてしまっていたと語っています。
「そのころ、一番大切なものが仲間だったから、(離れることには)すごく勇気がいりましたね。でも私にとって、その仲間というものはいちばん大事で、いちばん必要のないものだったんです。」
自分の意思ではなく、仲間に合わせて生きるようになったことで、彼女は「本来の自分」とのズレを感じるようになりました。しかし、高校進学を機に、過去の交友関係を断ち切り、新たな人生を歩み始めます。
③高校時代 ーー 健全な自分軸への回帰
高校に進学すると、「音楽をやる」という明確な目標を持ち、再び健全な自分軸へと戻っていきます。韓国でのガールズグループデビューを夢見て18回のオーディションに挑戦し、すべて敗退。しかし、それでも彼女は諦めませんでした。
そして19回目の挑戦で「高校生ラップ選手権」に合格。この時、彼女は初めて「自分の本質」を表現し、注目を集めることになります。
④デビュー直後 ーー 他人軸の影響と不健全な自分軸
メジャーデビューを果たしたものの、彼女は ルッキズム(外見至上主義)の攻撃 にさらされ、心を病み、摂食障害を患い激痩せしてしまいます。この時期、彼女は 初めて他者や社会の「No」を強く受け止めすぎてしまった のです。
「醜いブスが歌ってんじゃないよ。あの時狂った精神に才能が開花。味わった幸も不幸も一般じゃなかった。」(「美人」より)
この経験は、彼女にとって 初めて「他人軸」に影響を受け、本来の自分を見失った時期 だったのかもしれません。
⑤洗練期ー自己受容と転換 / 自分軸へ
彼女はその後、自分の痛みや葛藤を受け入れ、少しずつ「自分のために音楽を作る」ことを選び始めます。この時期の楽曲には、「私は私でいい。完璧でない私でいい」「誰かの期待に応えなくていい」というメッセージが込められています。
こうして、彼女は 自分軸を確立し、自分らしく生きる選択を取り戻していきました。
⑥現在ー本質軸への到達 / 世界を変える存在へ
やがて、彼女の意識は 「自分を表現する」ことから、「世界を変える」ことへと進化 します。
その変化は、彼女の楽曲やプロデュースの姿勢にも表れています。
「ノノガ」のオーディションで彼女が求めたのは、単なる技術指導を超えて、
「本当の自分を生きることで、他者に影響を与えられる存在になること」
でした。
「あなたたちはただ、あなたでいればいい。売る(成功させる)のは私だから。」
この言葉には、彼女自身の経験から生まれた「本質軸に立った表現の力」が込められています。
彼女がプロデューサーとしてオーディションの参加者に求めたものーー それは「本質を生きる力」。
その姿勢こそが、人を鼓舞し、変化を促し、世界を動かしていく力となるのです。
筆者自身も「他人軸から本質軸」への道を歩んできた
私は「ノノガ」でのちゃんみなの姿を観ながら、どこか自分を見ているような錯覚を覚えました。
特に、候補者一人ひとりに向き合う姿勢、彼女たちへの深い想い、言葉の選び方、声のかけ方。
それはまるで私自身の姿でもあり、私が目指し続けてきた「理想の私」でもありました。
彼女は単に才能ある人をプロデュースするのではなく、「その人自身の本質を開花させること」 を最も大切にしていました。
私もまた、本質型の人々が自分の本質を開き、成熟し、世界と関わり影響を与えていくことを支援しています。
なぜそれができるのか?
私自身もまた「他人軸」に囚われた時期を経験し、そこから「本質軸へと成熟する道」を歩んできたからです。
かつての私も、他人軸の中で生きていた
私は長い間、家族や社会の期待、周囲の目、評価されることを最優先に生きていました。
「どうすれば認められるのか?」
「どうすれば価値ある人間になれるのか?」
そんな問いに縛られながら、外側の基準に適応しようと必死でした。
そして、他人軸に生きるうちに、気づけば自分の本当の声を無視するようになっていました。
どれだけ頑張っても、どれだけ評価を得ても、心の奥底からの満足感や幸福感を得ることはなく、むしろ 「もっと頑張らなければ、もっと認められなければ」 という焦りだけが募っていきました。
次第に私は、自分が何のために生きているのかもわからなくなり、気づけば、自分自身の存在意義を完全に見失いました。
その結果、自暴自棄になり、人に優しくする余裕もなくなっていきました。
ときにはトラブルを引き起こし、後悔や罪悪感に押しつぶされそうになることもありました。自分の行動が自分をさらに傷つけるという悪循環に陥っていたのです。
他者から突きつけられた「NO」を、自分で自分に押しつけて
「私はダメな人間だ」「私は価値がない」という自己否定が深まり、自信も希望も失っていきました。
やがて、自信も希望も失い、挑戦する気力すら湧かなくなり、生命力はどんどん衰え、ついには 何もできないほどの鬱状態に陥ってしまいました。
仕事どころか、日常生活を送ることさえ困難になり、時間が過ぎていくのをただ耐えて過ごしていました。
そんな日々の中、私はようやく気づきました。
「私は、本当に自分を生きていただろうか?」
この問いが、私が本質へと向かう旅の始まりでした。
「自分の本質に戻ること」こそが、本当の人生を生きるための鍵だった
そこから抜け出すために必要だったのは、「他人の評価ではなく、本当の自分を生きること」 でした。
つまり、「本質軸に戻ること」 です。
私は、これまで無視してきた「自分の声」と向き合い、抑え込んできた「本当の想い」を認める必要がありました。
そして、何があっても揺るがない「私自身」として生きること。
それこそが、本当の意味での自由であり、幸福の本質なのだと気づいたのです。
このプロセスを経て、私は確信しました。
「自分の本質で生きることこそが、人を最も満たすものなのだ」
そして、この気づきと経験こそが、
「本質型の人たちが安心して本質軸へと進むための場を創る」 という、私自身の役割へと繋がっていったのです。
*私の具体的なストーリーや、本質型がどのようにして本来のステージへと進むのかについては、「ディバインストーリー・ワークショップ」 で詳しく紹介しています。
より深く学びたい方は、ぜひそちらで触れてみてください。
ちゃんみなと筆者の違いー「世界に通用するアーティスト」か、「自分と世界を幸せにできる人」か
ちゃんみなは、オーディションの候補者たちに「本質と向き合うための問い」を投げかけ、彼女たちが自ら殻を破る機会を与えていました。
彼女の目的は、世界に通用するアーティストを生み出すこと。
そのため、候補者が自身の才能や個性を極限まで引き出し、それを武器にして戦えるようになることを求めていました。
一方で、私が目指すのは、「本質を生きることで、内側から満たされ、存在そのもので世界に調和をもたらす人」を育てることです。
私は本質型の人々が安心して自分自身を開き、成熟し、本質軸に立つことで、自分の人生だけでなく、周囲にも影響を与えていくことを支援しています。「他者を圧倒する影響力」ではなく、「調和を生み出す力」です。
そのために、「問いを与える」だけではなく、どのように向き合い、どのように殻を破ればいいのかを個別に見極め、最適な方法を提示します。
誰にでも当てはまる再現性のある方法を提示するのではなく、一人ひとりの本質や背景を読み取り、その人に最も適した方法を提案することを重視しているのです。
つまり、ちゃんみなが「本質と向き合う覚悟」を引き出し、世界で戦うアーティストを生み出すプロデューサーだとしたら、私は「どのように本質と向き合い、どうすれば本質軸で生きられるのか」を具体的に示し、本質を生きることで内側から満たされ、存在そのもので世界に調和をもたらす人へと導くナビゲーターなのです。
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本質軸に立つことで、人は世界に調和をもたらす
「ノノガ」のオーディションを観ながら、私は改めて確信しました。
本質軸に立つことは、単なる「自分の幸せを手にするため」ではなく、「その存在を通じて世界に影響を与え、調和をもたらすこと」なのだと。
ちゃんみなは、アーティストとしてその影響力を発揮し、才能ある人たちを本質と向き合わせ、世界に通用する表現者へと導いています。
一方、私は「“今”プロ」を通じて、本質型の人々が自己の本質を開き、成熟し、内側から満たされながら周囲に調和をもたらす存在へと進むことを支援しています。
「ノノガ」も、「“今”プロ」も、単なるスキルを磨く場ではありません。
本質と向き合い、自己の可能性を開花させるプロセスを歩むことで、結果として世界に影響を与える人を生み出す場なのです。
そして、このエッセイを通じて、私が伝えたいのはーーー
もしあなたが
「自分らしく生きたい」
「本当の自分に戻りたい」
「他人軸ではなく、本質軸で生きたい」
そう感じているのなら、あなたもまた 「本質軸へと進む旅の途中」 にいるのかもしれません。
そして、その旅の先には、
「あなたがあなたのままで、周囲に影響を与え、世界を変えていく未来」が待っています。
「“今”プロ」は、そんなあなたのための場所です。
7. オーディション挑戦者に見る本質の覚醒
「No No Girls」のオーディションは、単に歌やダンスの技術を競う場ではなく、自分自身と向き合い、殻を破る場でもありました。その過程で、候補者たちは「本当の自分」と対峙し、弱さや葛藤を受け入れながら、自己表現の本質へとたどり着いていきました。彼女たちの成長の姿は、まさに「本質軸へ進むプロセス」の象徴ともいえるものです。
特に印象的だったのは、FUMINOとYURIの変化です。
FUMINO:「自分の声」で勝負するということ
FUMINOは、透き通るような優しい裏声が特徴の候補者で、ちゃんみなに「R&Bに革命が起きそう」と称されるほどの唯一無二の美声を持っていました。
ですが、ちゃんみなの楽曲は、ジャンルの幅が広く、裏声だけでは表現しきれないものも多くありました。そのため、彼女は地声でもしっかりと歌えるように、練習を重ねてきました。
最終バンドリハーサル後、FUMINOはちゃんみなに相談します。
「(私が歌っている)〜🎵この歌い方じゃなく、〜🎶この歌い方にしてって(ボイストレーナーに)言われたんですけど、その歌い方がよくわからなくて、、、」
その言葉を聞いたちゃんみなは、迷いなくこう伝えました。
「どっちで歌いたいの?自分が歌いたい方にして!他人にこう思われるからこう歌う、はやめて。自分が見せたいFUMINOで歌ったらどっちで歌ってもそれが正解。」
この言葉を受け、彼女は「どちらが正解か?」ではなく、「自分の声で歌う」ことを選びました。
これは、「他人軸から自分軸」へ意識が移行した瞬間 でした。
「どう見られるか?」ではなく、「私はこうありたい」と自分の意志を持って表現するステージへと進んだのです。
本番のステージでは、FUMINOは自分の声を貫き通し、見事なパフォーマンスを披露しました。
しかし、その結果、ちゃんみなはこう判断します。
「私の手を離れたほうがFUMINOは幸せかもしれない。FUMINOの才能、素質は素晴らしいから、他の環境で輝いた方が幸せになれるのではないか。」
最終的に敗退となりましたが、彼女のステージは、「FUMINOというアーティスト」を最大限に表現した、感動を呼ぶものでした。
YURI:弱さを受け入れることで生まれる強さ
YURIは、幼少期に父を亡くし、「強くなければならない」「弱音を吐いてはいけない」と思い込んで生きてきました。そのため表情は硬く、歌う時も怒り顔は表現できても、笑顔が出ない。どこか感情を押し殺したようなワンパターンな表現になっていました。
そんな彼女に、ちゃんみなが決勝ステージの楽曲として選んだのは、彼女自身が無感覚になったときのことを書いた「ハレンチ」でした。
この選曲には、ちゃんみなの確信があったように思います。
「YURIが自分と向き合えば、必ず殻を破り、本当のYURIが現れる」 と。
しかし、YURIにとってこれは大きな挑戦でした。
ちゃんみなの代表曲でもあることで、プレッシャーを感じながらも、人一倍努力し、悔し涙を流しながらも、彼女は自分と周囲を信頼し、表情も明るくなり、ついには「自信あります!」と堂々と宣言できるまでに成長しました。
ところが、最終リハーサル後、彼女はちゃんみなに泣きながらこう打ち明けます。
「自信がついたと思っていたけれど、1人になると、縮こまってしまう」
そんな彼女に、ちゃんみながかけた言葉が印象的でした。
「向き合えてなかったんだよ。自分の弱い部分と。無視してきたんでしょ? 強がらないといけないと思って生きてきたんでしょ? 謝ってあげてね。YURIの中の弱い部分に。謝って、そのYURIと一緒にステージに立とう。」
この言葉に、YURIは涙を拭い、深く頷きました。
彼女はこれまで、「強くなければならない」と自分に言い聞かせ、「弱さを否定しながら生きてきた」のです。
しかし、ちゃんみなの言葉を受け入れたことで、「強がらなくてもいい」「弱さを見せることは、負けではない」と認め、自分を許すことができたのです。
そして、本番のステージでは、「弱さ」を受け入れたまま堂々と歌い上げる姿 がありました。
特に彼女が書いたリリック
「お父さん! 褒めてよ!」
という言葉は、力強くも感情的になりすぎることなく、観客の心を震わせました。
これは、「自分軸から本質軸」へ進むプロセス でした。
自分を守るために作った「強さ」ではなく、本当の自分を認め、受け入れた上で生まれる強さ。
それこそが、本質軸の持つ力なのです。
ASHA:握りしめた「殻」から抜け出せなかった才能
ASHAは、大手事務所で6年間契約生として活動してきた実力者でした。しかし、それは同時に「夢破れた大きな傷」を抱えていることも意味していました。見た目はギャルのラッパーというスタイルでしたが、性格は本質型(内向型)そのもので、繊細で傷つきやすい。自分のラップスタイルに誇りを持ち、それこそが「自分そのもの」だと信じていました。
しかし、ちゃんみなは見抜いていました。
「そのスタイルが、ASHAの本質の才能を隠してしまっている」
彼女の発声や発音には、長年のクセが染みついていました。それを解きほぐし、もっと本質的な表現を引き出そうと、ちゃんみなは何度も指導を繰り返しました。
しかし、ASHAの中には「これが私だから」という強いこだわりがありました。
「これを壊したら、私は私でなくなってしまう」
本来の自分を解放するには、時に「これまでの自分」を手放す勇気が必要になります。でも、ASHAはその一歩を踏み出せませんでした。殻の先にある可能性ではなく、今の自分を守ろうとする気持ちが勝ってしまったのです。
そして、結果的に彼女はオーディションを去ることになりました。
殻を破ることで生まれる影響
FUMINOとYURIの成長は、彼女たちだけのものではありませんでした。
彼女たちが本質を開いた瞬間、その表現は観る人の心を震わせ、影響を与えたのです。
自分が変わることで、周囲の人たちにも変化をもたらす。
それが、本質軸の持つ「影響力」です。
「No No Girls」は、単なる個人の成長物語ではなく、
それを観る人々にも、大きな気づきを与えるものでした。
候補者たちが自分と向き合い、殻を破っていく姿は、
「本当の自分を生きるとはどういうことか?」 を、私たちに問いかけてくれます。
これは、「“今”プロ」においても同じです。
「本質型」の人が自分自身を取り戻し、安心して本来の姿で生きることで、周囲との関わりも変わり、世界に影響を与える存在へと成長していきます。
もし、あなたが今、「自分らしく生きたい」と願っているなら、
あなたもまた、殻を破る準備ができているのかもしれません。
8. 「No No Girls」と「“今”プロ」の共通点
「ノノガ」は、単なるオーディションではなく、アーティストとしての覚醒を促す場でした。一方で、「今プロ」は、本質型の人々が安心して自己を開き、本当の自分として人生を生きるための場です。
この二つの共通点は、どちらも 「安心・安全な環境の中で、自分の殻を破るプロセス」 を重視していることにあります。
① 安心安全な場があること
「ノノガ」では、候補者たちは最初、緊張や不安から自分を出せずにいました。しかし、共同生活やチームでの作品制作を通じて、次第に互いを知り、支え合う関係が生まれることで、少しずつ本当の自分を表現できるようになっていきました。
決勝ステージの1ヶ月前、ちゃんみなは候補者たちが「まだ私に緊張している」と、自宅に招き、プライベートな姿をあえて見せることで「安心していいんだよ」と伝えました。これにより、候補者たちとの距離が縮まり、「プロデューサーとアーティスト」という垣根を越えた、深い信頼関係を築くことができたのです。
「“今”プロ」でも、同じように 「本質型」の人々が安心して成長できる環境 を提供しています。本質型の人は、外の世界では「理解されない」「浮いてしまう」と感じることが多く、無意識に自分を抑えてしまうことがあります。そのため、「今プロ」では 評価されることなく、自己をそのまま受け入れてもらえる場 を提供し、自分の本質を安心して表現できる環境を大切にしています。
② 殻を破るプロセスの類似点
「ノノガ」の候補者たちは、歌やダンスを通じて「本当の自分」を見つけていきました。その過程では、過去の自己否定や恐れと向き合いながら、本質を開いていく姿がありました。
「“今”プロ」でも、参加者たちは 「本質を見つけるプロセス」 を体験します。ここでは、表面的な成功や他者からの評価を求めるのではなく、自分の内面に深く向き合い、自己否定のループを抜け、本質の声を取り戻すことを目的としています。
違いがあるとしたら、「ノノガ」はアーティストを目指す場であるのに対し、「“今”プロ」は「自分の人生そのものを生きる」ことにフォーカスしている点です。
③ 「本質型」の人が社会で生きるための訓練の場
「ノノガ」は、アーティストとしての未来を掴むための場でした。一方で、「“今”プロ」は 本質型の人が自分の力を発揮し、社会と調和しながら生きるための場 です。
本質型の人は、 一度本質に繋がると圧倒的な影響力を持ち、周囲に変化をもたらすことができる存在 です。しかし、それを社会の中でどう活かすのか、そのプロセスには一定の訓練が必要です。
「“今”プロ」では、
●自分を知り、他者との関係性を見つめ直すこと
●本質的な自己表現の方法を学ぶこと
●社会の中で自分の力を発揮する訓練をすること
このようなプロセスを通じて、本質型の人が 自分を取り戻し、安心して生きることで、周囲との関わりも変わり、優しい世界を広げていくこと を目指しています。
まとめ
「ノノガ」候補者たちの成長と、「“今”プロ」の参加者が経験する変化には、大きな共通点があります。
どちらも 安心・安全な環境の中で、自己と向き合い、本質を開くプロセス を経ることで、自分らしさを発揮できるようになっていくのです。
そして、殻を破り、本質を生きる人々が増えることで、その影響は社会に広がっていきます。
「ノノガ」が 世界を変えるアーティストを生み出す場 だったように、「今プロ」は 優しい世界を創る人を育む場 なのです。
9. あなたがあなたの人生を生きるために
「あなたたちはただ、あなたでいればいい。売る(成功させる)のは私だから。」
これは、「ノノガ」のオーディションで、ちゃんみなが候補者たちに伝えた言葉です。
この言葉を聞いたとき、私は深く共感しました。
なぜなら、これはまさに 「本質軸を生きること」 の本質を突いた言葉だからです。
本質軸を生きるとは、誰かの期待に応えたり、社会の基準に合わせたりすることではなく、
「自分の声に耳を傾け、自分自身の人生を生きること。」
他人軸ではなく、自分軸でもなく、自分の本質に根ざして生きること。それが本質軸を生きることです。
それこそが、人を満たし、周囲にも影響を与える本当の力となるのです。
しかし、これまでの人生で「他者からのNO」を受け続けた人ほど、
「本当にこのままの私でいいのだろうか?」
「本質のままで生きるなんて、本当に可能なの?」
と、不安や疑問を抱えてしまうかもしれません。
でも、大丈夫です。
あなたの本質は、あなたが思っている以上に強く、あなたの内側にずっと存在し続けています。
そして、それを開花させることで、あなた自身も、周囲の人々や世界にも影響を与えることができるのです。
ちゃんみなが「売るのは私の仕事」と語ったように、私もまた、今プロのプロデューサーとして言えます。
「あなたたちはただ、あなたでいればいい。本質に戻し、人生を満ちさせるのは私だから。」
と。
このエッセイをここまで読んでくださったあなたは、きっと本質軸へと進む準備が整っているのではないでしょうか?
もし「YES」と感じたなら、あなたの中で何かが変わり始めているのかもしれません。
自分の本質を生きることを選ぶことで、新たな可能性が開かれていくのです。
10. 結論:本質軸への道を共に歩む
「殻を破ること」は、本質軸へと進むための第一歩 です。
それは特別な才能を持つ人だけのものではなく、本質型の人なら誰もが歩める道。
なぜなら、本質型の人々は生まれながらにして「本質で生きる力」を備えているからです。
しかし、その力を十分に発揮するためには、「安心安全な環境」 と 「適切なプロセス」 が必要です。
「ノノガ」では、ちゃんみながその環境を提供し、候補者たちは殻を破り、本質のまま輝く方法を学びました。
同じように、「“今”プロ」もまた、本質型の人々が安心して本質に戻り、可能性を開花させるための場です。
本質を生きることで、あなたは内側から満たされ、その存在が自然と世界に調和をもたらしていく。
それこそが、あなたが本来立つべき「ステージ」なのです。
もし、「もっと自分らしく生きたい」「本質に沿った人生を歩みたい」と感じているなら、
あなたはすでに、本質軸への扉を開く準備ができています。
「“今”プロ」では、あなたが本当の自分を取り戻し、満たされながら生きられるよう全力でサポートします。
実際に「“今”プロ」に参加した方々も、大きな変化を経験しています。
→『“今”プロ』参加者の声 〜本質を生きることで生まれた変化〜
あなたも一歩踏み出してみませんか?
年に一度の新規参加者受付中!締め切りは3月10日です
→『“今”プロ』ガイダンスはこちら
より詳しいご案内は
→本質型・内向型さんの幸せの法則ー優しい世界の創造者たちへ
一緒に、本質軸への道を歩んでいきましょう。