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プロダクトMission/Vision/Values で組織の未来と開発現場をつなぐ
2023年10月1日(日) Designship 2023 の発表内容をもとにした記事です
みなさんが働く会社に、ミッションやビジョンなどは掲げられているでしょうか? それらはどれだけ浸透していて意識されてるでしょうか?
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マネーフォワードは、共通の価値観と未来のビジョンを「Mission Vision Values Culture」として掲げ、これらを大切にしています。このミッションやビジョンを実現するためには、プロダクトを開発するチームのコミットは不可欠です。この記事では、組織全体が目指す未来と開発現場をつなぎ、チームを前進するために新卒2年目のデザイナーが奮闘した経験を共有します。
クラウドBoxチームの課題
昨年、クラウドBoxはプロダクトに求められる役割が大きく変化する兆しを見せていました。以前は裏側で動くストレージ機能という位置付けで、ユーザーがUIを直接操作することはほとんどありませんでした。しかし、最近ではユーザーにもっと近い存在として、そして「マネーフォワード クラウド」内で複数のプロダクトと連携する役割が求められるようになりました。これに伴い、PdMやデザイナーは多くの要求に直面し、意思決定に迷うことが増え、エンジニアは開発タスクの背景や意義に納得できていない時もあるように見えました。チームのメンバーは日頃、会社のValuesやCultureに深く共感しています。しかし、より具体的な「目線合わせや意思決定の拠り所となる指針」が必要だと考えました。そして、その指針は、組織が目指す世界と開発現場を繋ぐ役割を果たすべきです。
最初「チームの指針となる言葉を作ろう!」と張り切って取り組みましたが、失敗してしまいました...。「開発メンバーの混乱を何とか打破しなきゃ」と思い込みすぎて、目の前の業務改善ばかりに目が行き、1番大事な「ユーザー」の視点を見失ってしまったのです。そこで改めて、「我々はなぜプロダクトを提供し、どのような未来を実現したいのか?」という根本的な問いに立ち返る必要があることに気づき、「プロダクトを開発するチームのMission/Vision/Values を策定しよう」と動き始めることになりました。
プロダクトMission/Vision/Values 策定プロセス
次の4つのプロセスを通じて策定しました。
1. チームで発散
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まずはチームで発散しました。プロダクトの「現在届けている価値」と「これからのビジョン」を問うワークを設計し、私はファシリテーターとして進行しました。
2. PdMと深掘る
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つぎに、PdMに対してヒアリングし、描くビジョンを深掘りました。PdM自身が語り続けられることがMission Vision Valuesの浸透を左右すると考えたため、とても重要なプロセスです。
3. 作りこみ
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これまでの議論から得られたキーワードを元に、Mission Vision Values の言葉を具体化していきました。
4. チェック
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最終的な案を、会社全体のMissionやVisionに合致しているかどうかを確認しました。これにより、「会社全体のMissionやVision」と「開発現場」の橋渡しとしての役割を果たすプロダクトMission/Vision/Valuesが生まれました。
プロダクトMission/Vision/Values
最終的に、以下のプロダクトMission/Vision/Values が策定されました。
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Mission…クラウドBoxが追い求め続ける社会への使命
「証憑管理に、デジタルで寄り添う。」
Vision…クラウドBoxが目指すべき姿
「自走するバックオフィスの支柱として、働く人のそばに。」
Values…クラウドBoxが社会に約束する日々の行動指針
「Connect」
プロダクトMission/Vision/Values 策定後の効果
このプロダクトMission/Vision/Valuesを策定した後の効果を2つ紹介します。
議論の起点としてのMission/Vision/Values
1つ目は、目の前のタスクに対してプロダクトMission/Vision/Valuesを起点に議論されるようになったことです。「この設計は中長期的に見るとMissionを果たすことに繋がるのでは?」といった声がチーム内で上がるようになりました。
エンジニアによる新しいアーキテクチャの提案
2つ目は、エンジニアが新しいアーキテクチャの構想を提案してくれたことです。それはクラウドBoxのMission に繋がる提案であり、チームのメンバーもその構想に共感していました。クラウドBoxの役割が変化する中で、プロダクトMission/Vision/Valuesによって明確な方向性が示されたと考えています。
さいごに
このような経験から学んだことは「開発現場が混乱する時こそ、デザイナーは組織が目指す未来とチームを接続して推進できる」ということです。1つの領域を担当してるデザイナーも、異なる領域へのアプローチで解決できる可能性があります。プロダクトMission/Vision/Valuesの策定は始まりに過ぎません。そのMissionやVisionを「UI」へ落とし込み、ユーザーへ価値を届けるまでをやりきりたいです。
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