「また」や「次に」を使うとき、使わないとき【文章術035】
僕のnoteでは、これからライターを目指す人や、新たなスキルを身につけたいビジネスパーソンに向けて、文章力を培うためのポイントを解説し、練習課題を出していく。
今回は、文章をつなぐ「また/そして/さらに/加えて/なお/ちなみに」や「まず/次に/その後に/最後に」といった表現を使う是非について考えたい。
使わない方が良い文
前提として、段落が別れるような長く堅い文章を書くときには、なるべくこうした接続詞は使わない方が良い。
例1では、「また」「なお」などの語を一度も使っていない。このように、淡々と文を並べただけでも、文章として成立する。
一方、よくあるのが「なんとしてでも文と文を繋がなくては」と考えてしまい、余計な語だらけになってしまうケースだ。先の例文に手を加えてみよう。
大げさに見えるかもしれないが、実際に例2のような文を書きがちな人は多い。このような書き方をすると肝心の内容がかえって理解しづらくなってしまう。自信を持って、「また」などの語を消そう。
一方、話題が大きく変わるときや、文章構造的なブロックをわかりやすくする意図で、敢えて使うことは問題ない。
例3では、(1)トウガンとは、(2)なぜ冬の瓜、(3)栄養価、のように話題が分かれたところを明示する意味で、敢えて「また」「なお」などの語を入れてみた。「話題が変わるぞ」と読者が気付きやすくなるための標識として使っているわけだ。
ただし、こうした使い方も「段落」を分けられる場面ならば、改行に任せてしまった方が良いだろう。
使った方が良い文
一方、文章をつなぐ表現をた使った方が良いのは、先述のように「文章構造を明示する」場合、そして「時系列や手順などの流れを説明する」場合だ。
まず、「文章構造を明示する」場合だ。たとえば、ポイントを3つ挙げて説明するような文章構造ならば、3つの要素に「まず/次に/そして」を対応させることで、読みやすさが増す。
こうした対応があることで、例5では、「ちなみに、秋の季語だ」のような枝葉が混ざっても、「今読んでいる部分は、“そして”がまだ書かれていないから、2番目と3番目の間にある枝葉の部分なのだな」と推測しながら読めるわけだ。
一方、これが例6のようになってしまうと、一気に混乱を招くので気をつけたい。
読者は暗黙の了解として、「そして」以下に3つ目のポイントがある、と期待して読み進めている。そのときに、意図せぬ「そして」登場が登場したり、「また」以下に3つ目のポイントが出てきたりすることで、混乱してしまう。文章構造が破綻してしまっているわけだ。
もし「まず/次に/そして」のような語を、目印として使うならば、あくまでも文章構造に忠実になり、変則的な使い方をしないことが重要だ。
次に、「時系列や手順などの流れを説明する」場合だ。こちらは文をつなぐ語が並んでいた方が、自然に感じる。
練習課題
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