Webライティングの仕事でそのまま使える10の型
Web媒体向けの記事を執筆する段階で、まず取り掛かる作業は、記事の構成を固めることです。ここでは、筆者がWebメディアで記事を書くときに、実際に使っている10つの型をまとめました(6000字強)。なお、インタビュー記事で使える型は今回の10個のうちには含まれません。
はじめに
ライター仕事で求められる文に、書き手の“個性”はあまり求められません。求められる“個性”というのも、大抵の場合は“奇抜な企画を立てること”ではなく、堅実な型にはめた書いた文章において、自然に、意図せずに滲み出てきてしまうものを指します。文字通り媒体として“型破り”な構成が求められるとき以外には、書き手が積極的に奇をてらう必要はありません。
ゆえに、自分だけのオリジナルな記事の型を考え抜くことに労力を使うのは時間の無駄です。それよりも既存の型をうまく使って、新しい情報をどのように型に当てはめていくか、を考えた方が良いでしょう。その方が、クライアントが本来求めている執筆作業に注力できます。
以下では、僕が実際に仕事で頻繁に使っている10つの型を分類しました。ライター仕事として、型をそのまま応用できるものを紹介しています。「リンゴ」をテーマに、それぞれどんな記事の構造になるかを考えていきましょう。なお、例文の内容は全て創作で、事実ではありません。
|1|ストレートニュース型
事実を淡々と描写していき、必要な情報を伝えるのがストレートニュース型の記事です。媒体に所属する書き手による速報記事や、企業が発表したニュースリリースを元にしたリリース起こし系の記事などで使われます。
この型の特徴は、「誰が/いつ/何をした」+「知るべきポイントは何か」という情報が記してあること。例文では、「農家Aが/11月5日に/新しいリンゴを発売した」という情報と、「価格」「糖度の高さ」という情報を記しています。
この例文では実際にはリード文に過ぎませんが、この構造で必要な情報を加えていくだけで、堅実に記事が成立します。
誰が/いつ/何をした
知っておくべきポイントは何か
|2|ストレートニュース+α型
ストレートニュースに+αの要素を加える型です。実際のライター仕事で頻繁に使われます。
一般的には、+αとして取材対象から得たコメントなどが付加されます。
あるいは、ライター自身が識者のような立場を兼ねている場合、ライターの視点から観た主観的なコメントや印象を書き加えることも多いです。
誰が/いつ/何をした
知っておくべきポイントは何か
取材対象からのコメント(あるいは識者・書き手の主観的感想)
|3|体験レビュー型
ストレートニュースが公式な発信からの情報をメインにした記事であるのに対して、体験レビュー型は、書き手が主観的に得た情報を中心に構成されます。特に書き手として、そのジャンルに対する知見がある程度溜まっていると、価値を発揮する型です。反対に言えば、詳しくないジャンルの記事では、十分な取材と勉強が済むまで避けた方が無難な型でもあります。
メディア視点では、時系列として、ストレートニュースの需要がひと段落したタイミングで、体験レビュー型へと移行する傾向があります。
また、この型では、ストレートニュースでは伝わらない情報が求められています。
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