モノの「セールスポイント」を見極める【文章術058】
僕のnoteでは、これからライターを目指す人や、新たなスキルを身につけたいビジネスパーソンに向けて、文章力を培うためのポイントを解説し、練習課題を出していく。
今回は、モノやサービスの紹介文を書く際に、セールスポイントを見極めることについて、考えたい。
「何が面白いのか」を意識する
取材をして、実際に見たこと使ったことがない人に、それを伝える。これがライティングの基本だ。
ゆえに、書き手は、取材対象となる事象をディティールまで細やかに認知することが重要だ。
これは、本連載の第1回でも紹介した。
しかし、細かい情報をすべて伝えても、決して面白い原稿にはならない。
重要なのは、「読者が何に興味を持つのか」を意識することだ。
例えば、「机」を紹介する原稿を書くとする。その机の特徴は何だろうか、と考える。老舗の職人が手作りした木の机、高さが調節できる電動の机、部屋の角のデッドスペースを有効活用できる机などなどーー。モノやサービス、エピソードなどには、人を惹きつける「セールスポイント」と言える特徴が何かしらある。
そのセールスポイントを正しく把握した時点で、実は執筆作業の2〜3割は終わったようなものだ。
一方、サイズや重さ、素材、色、値段などの単体の情報は、(非常に軽い、安いなどの特殊なケースを除き)読者を惹きつけづらい。こうした情報は、原稿を支える土台になる。
最初にセールスポイントが目に入るようにする
モノやサービスの紹介文を書く際には、上述したようなセールスポイントが早い段階で読者の目に入ることが重要だ。
ただし、それが記事のタイトルなのか、見出しなのか、アイキャッチなのか、説明文の書き出しなのかは場面によって最適解が異なる。
ここでは、説明文の書き出しに使うことを試してみよう。
例Aでは、①が最もセールスポイントとして強い。「それが何なのか」という紹介文も兼ねている。続く②は、次点と言える特徴をピックアップしている。そして、それを支える土台として、③のサイズという読者に有益な情報を添えた形だ。
もし、順番が変わるとどうなるだろうか。
例Bの書き方も決して間違いではないが、最初の1文を読んだ時のインパクトが弱い。そして、何がこの商品のウリなのかが見えづらい。
ただし、誌面などで見出しやキャッチコピーが添えられる場合には、この書き方でも大きな違和感が生じないこともある。これはセールスポイントが先に読者の目に入るからだ。
ここまでで解説したように、3〜4の文をつなぎ合わせて説明文を作るときには、セールスポイントとなる情報の優先順位を考えながら並び替えてみると効果的な文章に整えやすい。
練習課題
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