その「例えば」は必要か?【文章術067】
本noteでは、これからライターを目指す人や、新たなスキルを身につけたいビジネスパーソンに向けて、文章力を培うためのポイントを解説し、練習課題を出していく。
今回は、「例えば」を使う際の、ありがちなミスについて考えていきたい。
「例えば」の誤った使用
そもそも「例えば」とは、「前にある語や話題に対して、具体的な例を挙げる」ために使う言葉だ。
しかし、たまに以下のように使ってしまっている文を見かける。
ひょっとすると、音の響きとしてはスラスラと読めてしまうかもしれない。しかし、前の文と後ろの文の関係が「具体化」になっていない。
(1)スクワットは、どのような点に気をつけて行えば良いのだろうか?
(2)そもそも何が正しいフォームか分からない人もいる。
つまり、この2文は「例えば」で繋げる必要はないのだ。
改善例
先の例文の場合、「例えば」を省き、文末を工夫することで、より自然な文章になる。
また、「例えば」を残す方向性で修正を加えるならば、(1)「スクワットは、どのような点に気をつけて行えば良いのだろうか?」に対する具体化した内容を繋げれば良い。
上の例では、「どのような点」という抽象的な表現に対して、「脚の幅をどうすれば良いか」「膝の角度をどこまで深くすれば良いか」という具体化を行なっている。これなら「例えば」で接続しても違和感はない。
このように「例えば」を使う場合には、前後の文が、具体化の関係で繋げるかどうかを、必ず確認したい。
「こんな間違いはしない」と思う人もいるかもしれないが、プロが書いているであろう文章を読んでいても、このミスは意外とみかける。文を書き慣れている人でも、疲れているときなどには、うっかり間違えやすいポイントなのだろう。「例えば」を書くたびに、前後の文の関係に、意識を向ける癖を付けておきたい。
練習課題
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