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「略語」をなるべく使わない【文章術061】

本noteでは、これからライターを目指す人や、新たなスキルを身につけたいビジネスパーソンに向けて、文章力を培うためのポイントを解説し、練習課題を出していく。

今回は「略語」を避ける意識づけをしたい。

会話に略語は溢れている

普段の会話には、略語表現が多く使われる。「コンビニで買ってきた」「ネットで調べて」「バイトに行って」などなど。会話の中であれば、違和感はさほどない。

しかし、ビジネスシーンでは、こう言った表現が好まれないという理由で、略語を避けた方が良いと指導されることが多い。

就職活動や社会人としての経験がある人ならば、すでに矯正されていることだろう。


原稿でも正式表記に書き換えよう

さて、文章を執筆する際にも、こうした略語表現は基本的に推奨されない。特別な指示やルールがない限り、正式表記を用いるのが良いだろう。

例△)学生のうちに複数種類のバイトを経験していた方が、幅広いジャンルのビジネスを検討する視野が広がるだろう。
修正例)学生のうちに複数種類のアルバイトを経験していた方が、幅広いジャンルのビジネスを検討する視野が広がるだろう。
例△)ネットでは、商品Aに不具合があったという情報も散見される。
修正例)インターネット上では、商品Aに不具合があったという情報も散見される。

もちろん例外もある

一方で、敢えて略語表記が好まれる場合もある。パターンは大きく2通りあり、ひとつは専門用語などで、英語などの略語が一般的に普及しているもの。もうひとつは、略語表記が市民権を獲得しているものだ。

例えば、「SNS」のような単語を、常に「ソーシャルネットワーキングサービス」と書く必要はないだろう。正式名称の表記が必要になるのは、用語自体の説明をする文脈くらいだ。

また、「スマホ」のように略語の方が頻繁に使われる用語もある。

決して、“「電車」の正式名称は「電動客車」だから記事の中では必ず後者にしなくては……”のような極端な考えにはならないように気をつけてほしい。

なお、書き手としての文脈において、何故「バイト」が許容されず、「スマホ」が許容されるのか、と境界線を考えるのは不毛だ。何か略語を書く際に、その略語は世間一般でどうかどのように捉えられているのかを調べながら選択すれば良い。ライターならば、結局媒体の統一表記に従うことになるだろう。

練習課題

【課題061】ビジネスシーンで使わない方が良いとされる略語を調べ、書き出してみよう。

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