「記事起こし」は5つの手順で整える【文章術060】
本noteでは、これからライターを目指す人や、新たなスキルを身につけたいビジネスパーソンに向けて、文章力を培うためのポイントを解説し、練習課題を出していく。
今回は、取材した音声データなどから一問一答型(※)のフォーマットで「記事起こし」(記事の形に整える作業)をする際のポイントを紹介したい。
※ 質問に対する話者の返答がそのまま記事のコンテンツになる書き方のこと。
1|「えー」「あー」などを省く
多くの人は、質問の返答に対して、まず「えー」や「あー」「ええと」「はい」などの繋ぎ言葉(フィラー)を発してしまうものだ。
記事起こしの際へ、こうした部分は基本的にカットしよう。もし意図的に残すとしても、話者が悩んでいることを強調したいような場面だけだ。
2|口調を丁寧に整える
話者の話し方をそのまま記事にできるケースは稀だ。違和感が生まれない範囲で、丁寧なです・ます調に整えよう。
3|話の分岐をハッキリさせる
インタビューそのものも慣れていないインタビュイーの回答は、脇道にそれやすい。複数の枝が一つのブロックにまとまっている場合は、それを話題ごとに区切ろう。なお、必要がない部分では、この手順は省いて良い。
たとえば、この例文では仕事の話と、移動手段の話し方がごちゃまぜになっている。これを2つに分ける。
ちなみに、話者がインタビューに不慣れな場合、重複が生じやすい。これもこのタイミングで削除したい。
たとえば、上の例文では、最後の1文は削除することになる。
4|文が自然になるよう加筆修正する
話題ごとに文を分けると、加筆編集も必要になる。事実や趣旨が捻じ曲がらない範囲で、テキストを調整しよう。
人によっては少々くどく感じるかもしれないが、読み手に話題が変わったことが分かるよう、話題の冒頭の主語などにキーワードを含めよう。
5|質問文を整える
最後に、一問一答形式になるよう質問文を整えよう。質問文の書き方は媒体によって異なるが、筆者は「ーー」(ダーシ)を使うことが多い。
処理5適用後
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ーー出社頻度はどのくらいでしょうか?
普段の仕事はリモートワークが中心です。出社する頻度は週に1回ですね。
ーーどのような交通手段を使うことが多いですか?
出社するときの移動手段は電車です。自動車は所有していますが、買い物に出るときや休日などでしか使いません。
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改めて元の音声データと仮定したテキストと比べてみたい。
たとえこれだけの音声でも、整った記事にするには、手順を意識しながら調整する必要がある。
練習課題
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