「体言止め」は使ってOK ?【文章術056】
僕のnoteでは、これからライターを目指す人や、新たなスキルを身につけたいビジネスパーソンに向けて、文章力を培うためのポイントを解説し、練習課題を出していく。
今回は、体言止めの使いどころについて考えたい。
体言止めはなるべく避ける
「体言止め(たいげんどめ)」とは、文の終わりを「体言」にする手法だ。
体言とは、「自立語で、活用がなく、主語となる語」と表現される。つまり概ね「名詞」だ。文法用語の使用を避けるならば、モノやコトを表す単語と言っても良いかもしれない。
上の例文では、「大豆がある」とせず、「大豆」で文を終えている。これが体言止めの書き方だ。
さて、こうした体言止めは、ビジネス文の世界では基本的に情報不足であるとみなされる。商業ライターとしては、大前提として体言止めを使わないで文を書く意識付けが重要だ。
体言止めの使いどころ
そんな体言止めだが、執筆媒体や用途によっては使用が許されることも多い。体言止めを使うメリットは主に2つだ。
1つ目は、読み手のリズムに変化が生まれることだ。たとえば、「です・ます/だ・である」などの似たような文末が連続すると、読者の脳は徐々に麻痺してくる。そこに急な体言止めが現れると、刺激となるわけだ。
書き手としては、語尾の重複を避けるために使用できることがある、と認識しておけばわかりやすい。
このように「〜でした」「〜ました」のような表現が続くなかで、体言止めをアクセントとして使ってみるのは許容されやすい。
また、この応用として、書き出しの文頭で体言止めを使うのもよくある手法だ。
注意したいポイントは、体言止めを使った文の後ろでは、体言止めを使わないことだ。
このように体言止めが連続すると、幼稚な印象や、ポエティックな印象が強まってしまう。こうなると、ビジネスシーンで許容されることはあまりない。
2つ目は、文字数を減らせることだ。たとえば、雑誌の本文やキャプションのように、記載できる文字数に制限があるような場面では、文字数を削減するために体言止めが活躍する。
この辺りの事情は、【文章術003】や【文章術014】をざっと見直してもらえると分かりやすいと思う。
ただし、これらはあくまでも「原則としては使わない方が良い体言止め」の例外的な事例だと思っておこう。
つまり、一つの段落の中に何度も体言止めが登場するような書き方や、各パラグラフの冒頭が体言止めになっているような文は、基本的にはNGだと思った方が良い。
実際、このnoteの本文には、体言止めは使っていない。体言止め無しで違和感なく書けるならば、無理に体言止めを使う必要はないだろう。
練習課題
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