「呼応表現」に敏感になろう【文章術040】
僕のnoteでは、これからライターを目指す人や、新たなスキルを身につけたいビジネスパーソンに向けて、文章力を培うためのポイントを解説し、練習課題を出していく。
今回は、一定の表現に対して、使うべき表現が決まっている型について、意識しようという話だ。
呼応表現とは
呼応表現(こおうひょうげん)とは、決して難しいものではない。
上記の文では、「決して」に対して「ない」が使われている。このように、ある言葉を使ったときに、決まった言葉で受けなければならないことがある。これを「呼応表現」と呼ぶ。
呼応表現の数は非常に多い。以下、ほんの一部の例を挙げてみよう。
・なぜなら、〜からだ。
・〜したのは、〜からだ。
・〜には、〜がある。
・危うく、〜するところだった。
・おそらく、〜だろう。
・きっと、〜なはずだ。
・もしかすると、〜かもしれない。
・全然〜ない。
・どうやら、〜ようだ。
・どうしても〜したい。
・はたして〜か。
こういった「型」を大事にした文章は、読んでいて理解しやすくなる。一方で、呼応表現の「型」を無視してしまうと、読み手の予想を裏切ってしまうことになるため、読みづらさの原因にもなる。
もし仕事として文章を書くならば、呼応表現のミスがあると指摘・修正されると思っておこう。
どんなときにミスが起こる?
もし、書き手として呼応表現を意識して書けないという段階ならば、出会った一つ一つの表現の「型」を丁寧に覚え、それをなぞって書く習慣を身につけよう。
しかし、日本語を母国語とする人の場合、多くの人は呼応表現で悩むことはないだろう。そうなると、こうした「型」を意識したトレーニングは冗長になるはずだ。
ただし、仕事として原稿を書いていても、呼応表現のミスは一定の頻度で起こりがちだ。そのため、どんな時に呼応表現のミスが発生するのかを理解しておくことで、事故を減らせる。
具体的に、ライターとして呼応表現のミスが起こしやすいのは、以下の2つのタイミングだ。
1)文の推敲をして、リライトした。
2)納品後に、編集者が原稿に手を加えた。
要するに、誰かが「この部分をもっとこうしようかな」と修正を加えたときに、呼応表現の対応を見落とすことがあるというわけだ。
自他を問わず、修正が加わった文では、語と語の対応、文と文の対応を敏感にチェックしてほしい。
練習課題
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