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ありがとう、さようならSportster Forty-Eight。そして、こんにちはショベルLowRider
デカくて、重くて、ウルサイ。
そんなハーレーのイメージをいい意味で覆してくれた愛機、スポーツスター。
人生最初のバイクは、通学の足としての原付スクーター。その次は社会人になってから中型免許にあわせて買った漢カワサキ・D-Tracker。
その後は周囲の友人や悪い先輩たちがこぞって「走り」系のクルマに乗っていたこともあり、基本自分は「4輪」の人間だと思ってきた。
時に、西暦2020年。コロナ禍で給付金が入り「せっかくだから無駄使いせず大型免許取ろう」と思い立ったことをきっかけに、じゃあ…バイク買っちゃう?と決意。週末ごとに教習所に通い、その合間に近所のバイクディーラーを順番に回って、気がつけばハーレーディーラーでSportster Forty-Eight(中古)を購入するためのハンコをついていた。
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乗れば、最高に楽しい。近所の川沿いをトコトコ流すだけでも楽しい。遠方にツーリングに行ったら行ったで、それもまた楽しい。前方視界を遮るものが何も無い、自転車を漕いで、初めて自分の住む街から遠くへ旅をした、子供の頃の冒険感。
そして、いろいろなことを教えてくれる。それは紛れもなくアメリカ大陸という特異な環境で設計・製造された工業製品であるということ。ありとあらゆる部品が「鉄」とアルミで構成されているずっしり感。多くが樹脂パーツで構成される国産車とは全く異なる進化を遂げてきたことを五感で感じる。ホンダのバイクがどこか「スーパーカブの延長線上にある」ことを感じさせるテイストを持っているように、ハーレーならではのテイストがそこにはあった。
信頼のおけるショップに出会うことがどれほど大切か?ということも学んだ。ディーラーは「車体を買う」お店。バイクにおけるオートバックス「ライコランド」はあくまで消耗品とかを買うお店。自分がきちんと信頼できる「ショップ」を探し当てること。まぁまぁお金も注ぎ込んで、たくさん失敗をし、回り道をしつつ、他では決して得られない学びがそこにはあった。つくづく湾岸ミッドナイトで語られていることは真理であり哲学である。
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できるだけ機械をいい状態に持って行くことを意識しながら、悪いところを治してもらい、少しずつカスタムをする。「もうこれ以上手を入れることはない」と思い至るまで大きなトラブルもなく、盗難にも遭わず、レッカーされることもなく、最終的に2万キロくらい走った。勤続◯年めのごほうびに会社がくれたリフレッシュ休暇で、「家でて右に曲がるか左に曲がるか」さえ決めずに旅立つという自分史上最高に適当な旅を共にしたのもこいつだ。本州~四国を経て、山口から九州に渡り熊本まで辿り着く。
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その旅の最中のことである。四国は桂浜だったと思う。一台のハーレーの後ろを走る機会があった。ほどよくヤレている旧車で、なんだか佇まいがむちゃくちゃかっこいい。まず、群れていない単独行動というのが最高だ。イイね、俺もこの旅は単独行動だぜ。ハーレーなのに細身で、巨大なヤッコカウルや極太リアタイヤでオラついていたりもしない。他にもたくさんのハーレーを見てきたはずなのに、その旅でも何度もハーレーの前後を走ったはずなのに、そいつだけが異常に、今でも強烈に心に残っている。帰ってから調べたら、あれはLowRiderだ。しかも、ショベルエンジンの初期型だ。カスタムを続けた自分のバイクを振り返ると、「実はたぶんそうしたかった」、というスタイルがそこにあったことに気づく。
「なんだ、俺はあれが欲しかったんだ」
こんにちはLowRider
様々なタイミングが重なって、バイクを乗り換えることとなった。Sportster Forty-Eightは岐阜の新たなオーナーさんのところへ旅立つ。曰く「自分がこうしたいと思う完成形が多分これなんです」と話して頂いた。ただただ嬉しい。自分のいじってきたスタイルは間違いではなかった。
で、LowRiderである。このモデルは現代も存在し、ハーレーダビッドソンで中核に据えられている大人気車種である。こまけーうんちくはここでは触れないが、いわゆる「ザ!ハーレーでござい」というとんでもなくデカくて重い大陸横断仕様のあの感じのモデルとは少々異なり、余計なものを極力削ぎ落としたスポーティなモデルとされている。いろんな世代のモデルがあるが、いろいろ探してもらい、自分でも探し、最終的に1981年式のショベルヘッドエンジン搭載のLowRiderを買った。
もう一度言おう。
ショベルの!!LowRider!!だぞ!
ではお披露目と行きましょう。はい、こちら!
1981年式 FXS80 LowRider であります。
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あーーーーーーーかっこいい。。。
さてこの車両、書類を見ると元々は米国のテネシー州で登録され大陸を走っていたようだ。おお、テネシー!ザ、アメリカ!ジャックダニエル!聖地ナッシュビル!そう、こいつは正真正銘テンガロンハットを被ったバリバリの金髪アメリカ娘である(偏見)。その証拠に、ほら、メーターがマイル表示でわかりづらい(汗)だから81年の車両なのだが”日本で”は新規登録扱いとなり、すなわち次の車検は3年後となりちょっとお得。嬉しい反面、なんだその役所仕事は?と。そんな穴のある車検制度ってそもそも何なの?と。大いに疑問である。合理的かつ本当に意味のある制度にしたら良いのにねぇ。
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こいつに決めた大きなポイントとして、走行距離がかなり少ないということ。そこここがイイ感じにサビたりヤレたりはしているが、逆に「異常なほどの綺麗さのある不自然な旧車」感がなかったこと。何より日本に輸入したショップさんがエンジンを開けてオーバーホールしているということ。走行距離が少ないと書いたが、ただでさえ旧車。「メーター巻き戻し」という裏技が存在する世界にあってメーターの距離保証はどこにもなく、そして普通にオイルが漏るとか、普通にエンストするとか言われている旧車ハーレーの世界なのだ。そこにあって「エンジンを開けてある」、この安心材料はデカい。
待ちに待った納車。ひとしきり説明を受け、キックもトライするがかからず。「うん…セルでスタートします。。」と試運転に出る。くそう、キックってこんなにかからないものなのかよ。
嗚呼、セルモーターって、素晴らしい。
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そして、、、圧倒的な鼓動感。
紛れもない、これはこないだまで乗っていたsportsterと同じメーカーのプロダクツ(家系図的には”親戚のご先祖様”ポジ)ではあるが、別次元の圧倒的な鼓動感だ。
ああ、これがショベルの鼓動感なのか。
いや、振動だ。
ちょっと吹かすとミラーが振動でぶれてしまい、まともに後方が見えないw w でも、、自然と顔がにやけてくる。
別記事でも触れているが、私はもう1台ホンダのスクーターを持っている。もう、なんつーかハーレーの後にそれに乗ると、まるで電動スクーターのようだ。とても静かで、軽くて、快適を追求した乗り物。これが世界のHONDAか。
かたやこちらはなんというか、、、荒削りというか、ありとあらゆるところがそもそもいい意味でも悪い意味でもラフなのだ。クラッチからゴソゴソ音がする(これはこれでちょっと見てもらわねばなるまい💦)し、そもそもクラッチレバーはアホほど重いし、Sportster以上に全く日本人の手に合っていないサイズで握らないといけない構造。納車された日まる1日走って「ああここだけはどうにかせねば腱鞘炎になりそうだ。」と心底思った。特にフロントブレーキはダブルキャリパーなのに全っっ然効かない。「ハーレーはリアで止まる」とか言われてきたが、正直Sportsterに乗っていた時はピンときていなかったのだが…YES、いま分かった。ハーレーはリヤで止まる…というかそもそもフロントがまるで効かねぇだけだわこれ(TT)
でも、明らかに人を虜にする魅力がこの製品には存在する。そして、、その瞬間はきた。「ゾーン」に入った時の心地よさ。これはこれまでどんな乗り物に乗っても経験したことのないものだった。
とまぁ、既にあちこちカスタムで手を入れたい思いもあるが、それ以前に「メンテナンス」に果たしてどの程度コストがかかるのか?が怖くてしゃーない。まずはメンテナンスに全振りする余白を持っておく必要がありそうであります。そして何よりそもそも日本に来たばかりの金髪娘ですからお互いのコミュニケーションに壁もある。正直まだまだ全然上手く会話ができていないのです。ともかく乗って、慣れて、という時間をたくさんとっていきたいと思いますよ。
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