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洗礼、続々。ゾクゾク。

ショベルのローライダーが我が家にやってきて、はや数日。「旧車」という洗礼を日々受けつつもちょっとずつ慣れていっております。その筋の方からしたら「んなもん洗礼でもなんでもないわw」と鼻で笑われるほどのことのようですが(汗)インジェクション現行車、そしてサンダルでOKストアにお買い物に行けてしまうビッグスクーターですっかりなまった体には生涯忘れ得ない体験でございます。ゾクゾクするね。

お祓いへの道

納車したら、やっぱ真っ先にお祓いでしょ。

私、明治神宮で車祓をしてもらうのが通例でございます。元々は鎌倉鶴岡八幡宮でお祓いしてもらっていたのですが、都内に引っ越してからは位置的にサクッと行ける明治神宮にお世話になっています。お祓いはどこでやっても、そもそもするもしないも自由ですが、こういうのは大切だと思う派であります。

ただ…普段ならなんてこたーない坂道や、渋滞や、246号という、、、田舎出身の僕からすると正直緊張を強いられる幹線道路に、不慣れなバイクで突撃せねばならぬ点だけがちと不安。が、行くしかあるまい。何事も慣れだ。

なんというか、暖気して、そして十分に走ってきたはずなのに、たまに失火するというか「あ、今点火ミスったね?君?」という瞬間が訪れたり、信号待ちしていて不意にエンストしたりする(それも青信号になっていざスタート、という瞬間にそれはやってくる)ことがあるのよね。これが旧車か。

そして246の信号待ちをしているしかも最前列で、それは起きた…。

バイクに乗る方ならわかるであろう。バイクに乗っていて、信号で最前列に出て、そこでグリーンシグナルと同時にスタートダッシュを決めれずにエンストなんぞこくと、何が起きるか。

ごめんなさーーーーい!!


右手をあげ合図し、慌ててセルを回し、どうにか再スタートを決める。。ああ、、怖ぇ。。危うく轢き殺されるところだったぜ。。

どうにかこうにか明治神宮に到着し、お祓いをしていただく。

ちなみに。明治神宮は日頃絶対車では入れない神宮の杜を愛車で駆け抜け、境内のすぐ横にある専用スペースまでずんずか入っていくことができる貴重な体験ができます。いわゆる原宿駅表参道側の入り口ではない、北参道の方まで行き、そこで警備員さんに「バイクの(車の)お祓いをしにいきたいんですけどー」と伝えると、案内地図を渡してくれます。

敷地内に入ってくと…

明治神宮の杜を駆け抜ける喜び

ああ、この風景よ。東京屈指の木漏れ日だと思う。ここを走ることができるのだ。さっきエンストこいたショベルヘッドエンジンの音も、心なしか軽やかだ(気がする)。

詳しい情報をあげているメディアがありましたので、ご参考ください。

そして、いわゆる厄払いとか、健康祈願とか、各種ご祈祷を申し込んだ人たちと一緒に儀式を行なっていただきます。

そしてもう一つの体験。明治神宮では巫女さんによる舞が奉納されます。さながら「君の名は」のあの感じ。生演奏で、最前列で堪能できます。これよ、これ。頑張って明治神宮にやってきた甲斐があった。ああ、東京に住んでてよかった。

オイルが漏るとはこういうことか

さて、お祓いから帰宅し、まだ明るいのでせっかくなので気になる箇所を磨いたり、掃除したりをする。サビだと思っていたところがただの汚れだったり、ああやっぱりサビだった、と諦めたりということをしばし繰り返す。

そして、、、なんとなくそこここにオイルが滲んでいたり、ブローバイの結果溜まったオイルが床に垂れたり、ということが起きることも学ぶ。これが当時のアメ車の製造品質か。仕方ないと割り切り、せっせと拭いたり、見なかったふりをしたりする。駐輪場にはダンボールとか、トレーとかを常備して敷いておかねばならない。

スピードメーターが、動かねえ

翌日。ちと出かける用があったので、せっかくなのでスクーターではなくショベルのローライダーで出かけることにする。そろそろ一度給油しておくか、、と思い近所のスタンドに行き、激高ハイオクガソリンを10Lも入れる。トリップメーターをごそごそとリセットし走り出すと…

おや?スピードメーターが動いてない。

しばらく走っても状況は変わらない。

当たり前と言えばそれまでだが、お祓いの力は絶対的な機械の不具合を改善したりする都合の良いものではないことを学ぶ。


出かける先とお世話になっているバイク屋さんの方向が一緒だったので、アポなしで駆け込む。

事情を説明すると「ふむふむ」と頷きながら工具を手に、バイクの元へ。国家二輪2級整備士そしてハーレーダビッドソンの「マスターオブテクノロジー」の称号も所持する代表兼メカニックのおじさまは即座に原因を探り当てた。フロントタイヤにある速度センサーと、回転するタイヤとを連動させる部品が欠けている、と。

「すみません、、すげー心当たりがあって。。。その場所、昨日私が汚れを落としたり、磨いたりした箇所です。。。」


「あー、じゃあ、もしかしたらウエスで拭いている時に引っ掛けたりしてしまったのかもしれませんね。いずれにせよ古い部品ですからねぇ。」

と、ここからがこのおじさまの真骨頂なのだが「んー、じゃあどうしようかな…」と、マイナスドライバーとハンマーでその欠けている部品のところを数回優しく、でも確実に打刻をし、応急処置としてくれた。走ってみると、メーターは元通り普通に動き出した。

「じゃ、その部品は今日手配してしまうのでまたお店寄ってください^^」

ここ。

それからついでに気になっていた他の症状の事もお話しし、合わせて対処してもらうこととなった。

この間、およそ15分である。

確かな技術力とはこういうところに出るのかもしれない。

このショップを私が推しているのは、こういうところなのだ。

かつてのバイクを、かつてよそのお店で見てもらった時のことを思い出していた。何か不具合があって持っていくと「診断をしないと分からないですね」とか「予約でいっぱいなので半月後ですね」とか言われ、半月なんとなく不安な気持ちのままでバイクに乗ったり乗らなかったりする。いざ見てもらうと「原因としては○○で、とてもよくある症状です」となり「その部品を注文すると1ヶ月後くらいですかねー」と。そのお店はいわゆる正規ディーラーでありとる手段に決められたプロセスがあるのかもしれず一概に否定するつもりもないのだが、とにかく時間がかかる印象があった。そしてとてもよくある症状なら、診断機にかけなくてもその場で分かって対処していただけると大分違うのにな…とか、よくある症状ならある程度パーツをストックしておいてくれても良いのではないかな…とか思うところがあったのも事実。

そして、メカニックとの間にフロント(いわゆるセールスというか受付窓口というか)が必ず入る。だから、実際にバイクを触るメカニックと自分との間にどうしても距離が生まれてしまう印象もあった。バラした状態はどうだったのか?リアルな話を直接したいのに、セールスの人はPC上に記録された整備メモだけを見て私に作業報告をする。お店のガレージはすぐそこにあってそこで作業していたはずなのに、コールセンターを間に挟んでいるような印象があった。

こちらのお店はいわゆる「ワンストップ」でことがスムーズに進むことが圧倒的に多いのだ。超小規模であるがゆえに、全てに目が行き届いている。スタッフ間の連携も超スムーズ。

バイク(車もそうだが)は命を乗せて走るものだ。

「このバイクなら安心して乗れる」と思えること。そして「この人になら安心して整備を任せられる」「任せたい」と思えること。つくづく湾岸ミッドナイトに書いてあることは、真理だなぁ。

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