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   ある事情で、三重県桑名市のジャズドリーム長島へ頻繁に通っていた頃があります。   関西では有名なナガシマスパーランドに隣接していて、米国ニューオリンズをモチーフにした異国情緒漂う、三井アウトレットパークの6番目のモールです。

    木曽三川の河口という立地に着目し、モチーフは米国南部、ミシシッピ川下流域の港町でジャズの発祥地とされる「ニューオリンズ」の街なみをイメージしてるそうです。
    中央の広場をとり囲むように2階建ての建物がモールを形成し、アウトレットショップ・フードコート・レストラン等を回遊するように巡ることができ、場所によっては確かにニューオリンズ的な雰囲気を味わえます。

 勿論あくまでニューオリンズ的です。アタシは、該当地に行った事がないので…映画とか音楽での知見に過ぎません。

  作家三島由紀夫氏はこのジャズの都・ニューオリンズが好きだったそうです。  ただ氏の時代には、この地に摩天楼の美観はなく、むしろ過去のヨーロッパに似ている部分があってニューオリンズが気に入ったようです。

 三島由紀夫氏がニューオリンズへ行ったのは、二回目の世界旅行で本物の「ブードー」を見たくてハイチへ足をのばし、さらにキューバへも立ち寄ったその帰りがけにニューオリンズにもと云う経過だったとか。

 ところがこの町を、三島由紀夫氏はいっぺんで気に入ったようです。
 「私は本物のヨーロッパよりも、中南米や、西印度諸島ヤ、メキシコや、北米南部に残る、衰えた、やつれた、息も絶え絶えな、哀れなヨーロッパのほうを余計に愛する。郷愁でいっぱいになった、そして昔は支配者であったものが今は虜囚の身分に落ちた、半分きちがいになった哀れなヨーロッパが、北米で見られるのは、多分ここニュー・オルリーンズの一角のヴィウ・カレ、いわゆるフレンチ・クォータだけであろう」(三島由紀夫著書「旅の絵本」)より。
いかにも三島由紀夫氏らしい旅情感性ですよね。私の『長島のニューオリンズ』からは、遠くジェットコースター・スチールドラゴンの雄叫びが聞こえて来るだけですが(笑)。


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