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何気にTVを眺めていたら、八景島シーパラダイスのプロジェクションマッピングイルカショーのイルカ訓練シーンを放映してました。(今、やってるかどうかは知りません。根っからの大阪人なので横浜辺りの事はさっぱり)
訓練の最大の難関は、イルカ達がプールに垂直にそそり立つ水の壁をジャンプして、それを突破するアクションだったみたい。
というか、普段はジャンプなんて、なんなくこなすイルカ達が水壁突破に向けて、水面から顔を出した途端に、ジャンプの勢いが足らず、明らかに躊躇したように水に戻ってしまうんですよね。
この水の壁は、プロジェクションマッピングというアイデアを最も有効に利用できるものだからスタッフの人々は一生懸命だったみたい。
そりゃ流れる水の壁に映し出された幻想的な映像の中から、イルカがドバーンっと現れたら格好良いに決まってる。
これはアタシの素人考えなのだけれど、イルカって凄く頭がいいから、「水面上にそそり立つ水の壁」等という自然界ではあり得ない状態に、強い警戒感と恐怖心を抱いたんじゃないかって思う。
でスタッフさん達がやったのは、最初は水壁の高さを低くして、その上を飛び越えさせるというやりかた。
徐々に水壁を高くしていって、ついに最後にイルカ達は水壁を突破するのだけれど、これもアタシが考えるに「馴れる」からじゃなくて、その訓練過程を経る事によって、イルカ達がその水壁の存在を「理解」するからじゃないかと思うんですよね。
イルカの賢さは無論だけど、この事実はある意味凄いことで、色々な事を考えさせられます。
人間の場合は「理解する」=「恐怖心の克服」とはならない事が多いからです。
極端な場合、恐怖心が先に立つと理解することさえ拒絶することがある、その結果、色々な悲しいことが起こりますよね、、。
所で、話は変わるけれど、昔、SF短編でバイオサイボーグ技術の研究に携わっている男女二人の話を読んだ記憶があります。
話自体はこれといった山場もないんけれど、女性科学者がサメの素晴らしさに魅入られて、最後には自分自身をサメに改造して、恋人でもある男性科学者の元から去っていってしまうという結末が、妙に衝撃的でエロチックな余韻がありました。
サメの肌は滑らかなように見えるんだけど、実際は、鮫肌と言われるだけあって触ってみると非常にざらついているらしいですね。
アオザメなんかは海中を時速72kmほどで泳ぎ、すべての魚の中で最も速く泳ぐことができるそうです。
でその秘密は、正にこの鮫肌にあって、サメが水中を泳ぐと、サメ肌のざらざら、つまり「歯状突起物」の周辺に細かな渦が大量に発生し、この渦がサメを前方に引き込むのだといいます。
その力が推進する方向へと働き、結果、泳ぐ時の水からの抵抗力を軽減するらしいのです。
一方、イルカの方は見た目通り、実際にその肌に触った人からはゴムのような質感でつるつるしていたという感想があがります。
こちらもサメと同じで、水の抵抗を減らし速く泳ぐことの適応なんですね。
ただし辿り着いたマテリアルが全然違う。
注意深くイルカプールの水中を見ると水中を漂う半透明な膜を見ることができるそうです。
その膜はただのゴミではなく実はイルカたちの肌から落ちた垢なんだそうです。
イルカの皮膚は2時間ごとに新しい皮膚へと変わり、古い皮膚は常に垢として体の表面から落ちていくそうです。
人間の皮膚では24時間周期で新陳代謝によって更新されているから、単純計算でヒトの12倍もの早さで皮膚が新しくなっているんですね。
イルカは一生を水の中で暮らす生き物ですからイルカの新陳代謝が早くてつるつるした肌は、イルカが水中での水の抵抗を減らし速く泳ぐことのできる秘訣になっているんですね。
飼育しているイルカがプール壁などに体をこすり付けて新しくできた傷は、1週間も経たないうちにほとんど良くなっているそうですよ。
他にも、頻繁にイルカがお互いの体を擦り合わせている様子を見ることができるのだそうです。
この行動はラビングと呼ばれ、ラビングの後にはひらひらとイルカの古い皮膚が垢となって漂っているのだとか。
うーん「ラビング」、前記の女性科学者じゃないけどイルカに変身して「ラビング」したいっ!