【読書】AIの魔女 Cruicible
シグマフォースシリーズNo.13 AIの魔女(原題:Cruisible)です。これまで世界中の謎、遺跡、著名な人物に隠された秘密と世界を揺るがす陰謀に戦ってきたシグマフォース、今回の敵は魔女狩りを現代でも進めている宗教団体と対峙します。
また、登場人物たちにもその過程で今まで以上に厳しい選択を迫ることが訪れます。上巻はわりとスイスイと読み進められたのですが、下巻はてこずりました。これまで犬とか昆虫とかの目線で思考を辿る記述がありましたが、今回はAIの思考です。私はコンピュータソフトウェア関係の仕事をしているので多少は通じているのですが、それがかえって邪魔なのか考えすぎなのか、少し考えてしまうことがいろいろあって...純粋に小説として楽しめば良いのに、思いつつもついつい。
以下ネタバレあるのでご注意を。
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グレイはセイチャンといい家族になって欲しいですね。今回昔の恋人を思い出すところがありましたが、彼女が亡くなったのは作品を重ねていく中でセイチャンの重みが増してきた為だったのかな、と思います。
モンクは片手が義手でしたが、今度はキャットの頭脳がAIの仕業なのかハイパーな仕様になるのでは?と思えてきました。ものすごい夫婦、家族になりそうですね、ここは。
白い魔女は依然行方不明ですし、仕方なしにモンクが撃った仲間の心に残った傷も心配です。この辺りはこの先どこかでうまく収拾して欲しいと思います。
毎回ロリンズさんの調査、取りまとめには感心させられますが、今回もコンピュータ、魔女狩りをうまくまとめて、さらにはタイムパラドックス?な要素もあり、ただの冒険小説の枠には収まらないですね。面白かったです。
そうそう、下巻にはうまく行かなかった場合の結末が掲載されているのですが、これ、シリーズどころか人類終わってしまってるのでダメです...悲し過ぎる。最後はやっぱりめでたしめでたしなシグマフォースじゃないと!
あ、忘れちゃいけません、コワルスキーには今回前半は頑張りましたが後半はちょっと控えめな感じでしたのでもっと活躍・大暴れしてもらいたいですね、次回は。スピンアウトではなく、本編で。
オススメ度:★★★★