見出し画像

【読書】ミヒャエル・エンデ/モモ

今日は珍しくスティーブンキング作品ではありません。リマールの歌う主題歌が大ヒットした映画「ネヴァーエンディングストーリー」で有名なミヒャエル・エンデさん作の『モモ』です。

きっかけ

この作品、随分前にお仕事で知っている人から、子供向けの寓話と思わずとても良いので読んで欲しい、超おすすめ、と熱演されておりましたので前々から読もうと思っていたものです。

超忙しい現代のサラリーマンが忘れている時間の大切さを思い出させてくれるんだよ、というようなことを言っておられたのですが、読み終えて本当にそう思いました。

私が働き始めた90年代初頭に比べて2020年代の今、仕事に求められる効率とスピードはものすごく上がっていると思います。その上で日本市場ならではの(無駄な高い)品質も求められており、心休まる時間がなく、大切なことを忘れてしまっている人も多いのではないでしょうか?

かくゆう私も子供が大きくなり自分だけで完結するようなライフスタイルになりつつあると、ついつい忘れて仕事に没頭してしまい、人生で大事なことを見失っていたのかもしれません。

さて、本編ですが、場所はヨーロッパのどこかの街の感じ、ローマ?ドイツ?そんな感じですね。時代は現代とそう変わらないか、少し前くらいでしょうか。多少昭和な雰囲気を感じたのは私だけなのかな?まあ私が昭和50年代を子供として過ごしたことから来るノスタルジーなのかもしれませんね、これは。

最初はのんびりした感じでとても穏やかで楽しいお話が展開されて行きますが、中盤からなんだか怪しい雰囲気が!

人々から時間を奪う謎の存在と戦うモモ、ストーリーはまるで探偵小説やミステリー、SFのような展開でハラハラドキドキ。子供だけに読ませておくにはもったいないですよ、これは!もっともっと子供たちに読んでほしいですね。

さて、本書がもしかして与えた影響のある作品として私が頭に描いた2つの作品があります。

勝手な妄想〜他作品に与えた影響

一つは「ジョジョの奇妙な冒険 第五部 黄金の風」です。第一部から三部まで活躍してきたポルナレフ(シルバーチャリオッツ)が途中でカメになっちゃうんですが、なぜこんなことを?と思いましたが、もしかするととてつもない敵と戦うストーリーとして、モモのカメへのオマージュなのかもしれません。

もう一つは海外ドラマの名作FRINGE(フリンジ)です。このストーリーで登場する監視者と言われる黒いスーツと黒い帽子をかぶった男たち、なんとなく灰色の男たちと立ち位置は違いますがなんだか繋がりを勝手に感じてしまいました。JJエイブラムズさんに聞いてみたいなぁ。

年齢関係なく読むべし!

本書の挿絵はエンデさんご本人の手によるものだそうで、そのせいか本文とその世界観がすごくスムーズに染み込んできます。

「時間」はすべての人にとって平等に、かつ一回きりです。それを短いと感じるか、長いと感じるか、楽しく使うか、ただ消化してしまうか、それは自分次第です。でもどうせならその貴重な時間を有意義に過ごそうよ、と言うことでしょうか。

決して効率的に、とはいいません。私は無駄も回り道も悪いこととはおもいません。無駄な作業、回り道でもそこを通して見たり、知り得ることもあると思います。ただし、自分がそれを楽しんでいるか、が重要なんじゃないかな、と思います。

是非是非忙しくしている皆さん、モモを読んでください。そして自分一人ひとりの時間の花を咲かせてください。


いいなと思ったら応援しよう!

Ordinary Life
よろしければサポートをお願いします。もっと突っ込んだレポートを書いていく足しにしたいと思います。

この記事が参加している募集