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2007年レープロ復刻版余話

サプライズ案件

単なる思い出話。
退職後のエピソードになります。

 2021年の12月のこと。
(06)
 で始まる電話番号からスマホに着信がありました。
 1度目はたまたま離れたところにいて取れず、記憶にない番号だったので折り返して発信することをしないでおりますと、午後になって同じ番号から2度目の着信が。

 多少恐る恐るではありましたが、心を落ち着けて(?)電話に出ると女性の声で、
 「中央競馬ピーアールセンターのHと申します」
と。
 覚えのないお名前でした。

更に遡って

 正確な年月日は覚えておりませんが、梅田Gate J.(当時)で開催された〝ライスシャワー展〟で、ピーアール・センター関西事業所さんには全レースの回顧原稿を書かせてもらったことがありました。ライスシャワー没後ですから、四半世紀以上前のことになると思います。
 なので今回電話をもらって、
「関西事務所かな?」
 と見当をつけながら懐かしいやら、今になって何かな?などと思いを巡らせながら話を聞いていると、まったく予期していなかった内容。

 かいつまんで書きますと━
「第6回阪神競馬の開催日イベントにオンラインイベントのスペシャル企画を設け、応募者に抽選でプレゼントする各種グッズに〝レーシングプログラム復刻版〟を二種類用意する。そのひとつが2007年の有馬記念号で、オープニングのカラーページをそのまま復刻することになる。その旨を了承していただけますでしょうか」
 といったようなことでした。

 その頃はまだ新型コロナウイルスの感染拡大防止対策で、開催日の各種イベントを通常通りに行うことがままならない状況でした。そこでオンラインイベントとして考えられた特別企画だったのでしょう。

もちろん二つ返事

断る理由などどこにもありません。

 2007年というのは、JRAのレーシングプログラム(以下レープロ)のオープニングページのリード文を何度か書かせていただいた年。当然ながら年間を通して、通常の業務を遂行するうえでもいつもとは違ったプレッシャーがかかることになりました。

 それこそ当時は、社内的にもプライベートな部分でも、精神的に微妙な時期でもあったため、特別な思いを抱きつつ仕事をした一年でもありました。 
 その年の最後に担当したレープロがこちらの有馬記念号です。

(復刻版ではなく実物です)

 表紙は〝武豊=ディープインパクト〟であり、そのディープインパクトのラストレースとなった2006年有馬記念の写真です。
 これこそがこの年の、このレースのレープロが、コロナ禍で行われた特別イベントのプレゼントとして採用された理由に違いありません。
 が、長年勤務した会社を退職するという特別な一年の、最後の最後にこういうサプライズが待っているなんて……という感慨はありました。


 そして無事にイベントが終了した年明け(2022年)の2月。復刻版の献本が我が家に届きました。
 先の電話の際にすでに聞いてはおりましたが、若干、オリジナル版とは紙質が違っていて、中身の方もまったく同じ内容というわけではありませんでした。

 重なっていますが、並べた画像がこちら。

(手前が復刻版)

 奥のオリジナル版の上部が若干、黄ばんでいるのがわかるかなと思います。また、これは少々わかりにくいかもしれませんが、手前の方がいくらか薄いことは確認できますでしょうか?

 そんなわけで、復刻版には転載されてなかったオリジナル版の特集ページを、一部こちらで紹介させていただこうと思います(非売品ですが取扱注意ということでお願いいたします)。


冒頭リード全文

まずは復刻版にも掲載されてます私が担当したオープニングのリード文から

(冒頭ページ1)
(冒頭ページ2)


復刻版にないもの

続きまして、オリジナル版だけに掲載されている一部を抜粋で。

浅田次郎氏特別寄稿

(中面 浅田次郎氏のエッセイ)

著名人予想コラム

(これは結構レアなモノです。残念ながら勝ち馬はどなたもあげておられませんが)

 こちらのコラム執筆陣の〝レア〟さをわかっていただけるなら、ご自身をコアな競馬ファンと名乗っていただいて結構でしょう。


 それにしても、現在のレーシングプログラムと比較して、この内容の豊富さには驚かされるばかり。JRAに限ったことではないですが、まだ紙媒体がPR戦略の最前線にあった頃、と考えていいのだろうと思います。

 ま、2007年。17年も前ですので……。
 本当に時代はかわりました。

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