でき太くん三澤のひとりごと その152
◇ 「選択」
私たちは毎日「選択」をしています。
大きな選択もあれば、小さな選択もあります。
大人も子どもも、毎日「選択」をしています。
この「選択」を自分の目標にむかって、自分の意思で行なっている人は意外と少ないかもしれません。
たとえばある大人が、何かの資格試験に合格することを目標としたとします。
月曜日から日曜日まで学習する時間を設定し、試験日までにすべてのテキストを完璧に習得する計画を立てました。
とある月曜日、残業があり帰宅が遅くなりました。
身体的にはかなり疲れています。帰宅中の電車の中でもうたた寝してしまうくらいヘトヘトです。
計画では、夕食を食べてから学習することになっていましたが、疲れてどうにもやる気が起きない。
そこで、夕食を食べながらビールを呑み、少し休憩時間をとることにしました。
ところが、疲れもあってかテレビを見ながらついついうたた寝をしてしまい、起きたら午前0時。
「明日も早いし、今日の勉強は明日にまわすか、、、」
という気持ちになり、月曜日の学習はキャンセル。
ここでこの人は月曜日には学習をせず、火曜日にその分をまわすという「選択」をしました。
火曜日は残業もなく、まっすぐ帰宅することができそうです。
「今日は学習する時間がしっかりありそうだ。今日はがんばるぞ!」
という思いで帰宅。
急いで夕食を食べ、いざ学習の開始。
ところが、ふとみた動画サイトに気になる動画がアップされている。
そこでその人は「この動画を見たら学習を始めよう」と思い、動画を見始める。動画を見終わると関連動画に気になるものがいくつかアップされてきている。
「この動画も気になるな。この気になる動画を見てから学習を始めよう」
そうこうしているうちに、気づいたら2時間近くも動画サイトを見ていました。
「あ、もうこんな時間になってしまった、、、明日も早いし、風呂に入って今日は寝よう。今日の分は水曜日にすればいいや」
という「選択」をする。
こういう「選択」の連続は、よくあるケースではないでしょうか。
こういう「選択」を続けていると、目標からどんどん現実が遠ざかっていきます。
最初はやる気があった資格試験合格という目標は、どんどん遠ざかっていきます。
頭の中にはいつも「資格試験に合格したい!」という思いはありつつも、日々の生活に流され、ついつい目標から遠ざかる「選択」をしてしまう。そして、いつしかその目標を諦めてしまう「選択」をするというケースは、意外と多いのではないでしょうか。
これと同じことが子どもにもあります。
「算数ができるようになりたい!」
「英語を話すことができるようになりたい!」
「試験で良い点数を取りたい!」
「目標の学校に合格したい!」
子どもたちは、様々な目標を持っています。
この目標が達成できるお子さんは、日々の「選択」が目標に近づくものを選んでいます。
「見たい動画はあるけど、この課題を仕上げてからにしよう!」
「ゲームで遊びたいけど、学校の宿題をしっかり終えてからにしよう」
「今回の課題はめんどうくさいけど、しっかりやってみるか!」
というように、目標を達成するために必要な課題をしっかり取り組むという「選択」をしています。
逆に、目標を達成できないお子さんは、能力的な問題以前に、目標が実現できなくなる「選択」を日々しているように思います。
この選択の積み重ねによって「現実」は作られていきます。
そしてその「現実」を見て、自分は能力的に劣っているから目標が達成できないのだと思うようになるのです。
今回私がこのコラムでお伝えしたいことは、この「選択」はクセになる傾向があるということです。
どちらを「選択」するかが、習慣化する傾向があるのです。
人生の中で、多くの目標を達成してきた人は、目標が達成できる道を日々選択する傾向があるように思います。
おそらく大リーガーの大谷選手は、私たちの想像を超えるようなキツいトレーニングでも「毎日行う」という選択をしているはずです。それが、大リーグで二刀流を実現するに至っているのでしょう。
逆に、目標を達成した経験が少ない大人や子どもは、日々、目標を実現できなくなる道を選択する傾向、クセがあるように思います。
「気になる動画がかなりある。今、見たい、、、」
「めんどうくさいという気持ちに負けて、ついつい後回しにしてしまいたくなる、、、」
「わからない問題があるから、いやになってきた、、、」
こういうときに、目標が達成できる道ではなく、目標が達成できなくなる道を選んでしまう。
この日々の「選択」がクセになって、気づけば毎日目標が達成できない道を選んでしまっている。
そうすると現実は、「できなかった、無理だった、達成できなかった」という負の体験をする。
この負の体験は、ひどい場合は劣等感、自己否定につながっていきます。
そうなると、前向きな目標は立てられなくなり、どこかあきらめたような無力感に襲われ、やる気もなくなってくるように思います。
子どもは私たち大人と違って、無自覚に「選択」をしていることがあります。
ですから、目標が達成できないことが多い子は、日々無意識に負の体験をする道を選択してしまっています。
そういうとき、ちょっと声かけをしてあげたり、学習するきっかけを促してあげたりして、目標を達成できる道を選択させてあげる。そういうサポートが、子どものまわりにいる私たち大人には必要なように思います。
日々わが子がどのような「選択」をしているのかをそっと見守るサポート。
日々目標を達成できる道を子どもに「選択」させてあげるサポート。
目標達成の「選択」をする習慣を身につけさせていくサポート。
こういうサポートが、子どもを見守る私たち大人には必要だと感じます。
日々少しずつでも、子どもが目標達成する「選択」をできるようにサポートしていければ、子どもは目標が実現できない道ではなく、目標を実現できる道を「選択」する習慣を身につけていくことができます。
そして私たち大人も、子どものお手本となるように、日々自分の目標を達成できる道を「選択」するように心がけたいですね。