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でき太くん三澤のひとりごと その148
◇ 問題は私たちを成長させる
先だって、Amazonで売れ筋のある教育評論家の書籍を購入してみました。
早速、その本を読んでみました。
まだすべて読み切ってはいませんが、ちょっと気になることが書かれていました。
「兄弟は比較してはいけない」ということ。
たしかにその通りだと思います。
同じお母さんから生まれていても、ひとり一人生まれ持った資質があり、成長のステップも、ペースも違います。興味があることも、得意なことも違います。
ですから、比較しても意味のないことですし、比較されて意欲の湧くお子さんもいないと思います。
「お兄ちゃんは、何も言わなくても片付けできるのに、どうしてあなたはできないの!」
というような声かけをされて、やる気の出る子はいません。
逆に、やる気はなくなります。
こういうことを言われると、お子さんによっては、自分はお母さんに受け入れられていないのではないか、大切に思われていないのではないかと感じることもあるでしょう。
その意味では「兄弟は比較してはいけない」というこの評論家の方がおっしゃていることは、全くその通りだと思います。
私が気になったのは、この評論家の方が「兄弟は比較してはいけない」と書いたあとの一節です。「そういうことを思うことがあっても、決して口に出してはいけません」というアドバイスです。
「口に出さない」という以外、とくにアドバイスはありません。
口に出さなければ、それでいいのでしょうか。
問題は解決するのでしょうか。
そういう「比較」という意識が私たちの中に芽生えても、それを口に出さないということを徹底していけば、子育てはうまくいくのでしょうか。
私はうまくいくとは思えません。
私は、これまで数多くのお子さんの学習をサポートさせていく中で、親と子は本当に深いつながりがあると感じています。
ですから、親と子は口に出していない内面にある気持ちも、しっかり伝わっていく関係だと思っています。
もしお母さんが、「お兄ちゃんは自分のことが自分でできるのに、どうしてこの子はできないのか、、、」
という「比較」するような気持ちを抱いていたら、それを口に出さなくても、しっかり弟には伝わっているのです。
もう少し具体的に言うと、言葉に出さなくても、そのもっと奥底にある「だれかと比較して自分をみている」という意識が伝わっています。
この「だれかと比較してみている意識」があるまま、弟と接していると、弟の子育てでは必ずいろいろな問題が起きてきます。
お母さんの言うことを聞かない。
「やっていはいけない」ということをあえてやる。
いつもお母さんをイライラさせるような態度をとる。
お母さんの感情を逆撫でするようなことばかりする。
癇癪を起こす。
お母さんを悩ませるようなことばかり問題として起きてきます。
つまり、口に出さないだけでは解決にはつながらないということです。
では、どうすれば解決するのでしょうか。
私なら、まず自分の中にどうして「比較」してしまうような気持ちが出るのかを考えます。自分自身の内面を見つめ直してみると思います。
どうして比較してしまうのか。
そこを自分なりに考えてみます。
比較をするということは、「個性の尊重」、「ひとり一人の違いを認める」、「みんなちがってみんないい」というきれいな言葉に酔いしれているだけで、その言葉を本当に自覚したような生き方、言動にはなっていないからだと思います。
ここが明確にならない限り、きっと私の中には、いつまでたっても比較してしまう気持ちが湧いてきてしまうでしょう。
そう考えると、この問題を解決していくには「口に出さない」ということが答えではなく、「なぜ自分には人を比較するような意識が芽生えるのか」を見つめ直すことが答えにつながっていくのではないかと思うのです。
今回はたまたま「兄弟の比較」ということがテーマになりましたが、子育てをしていると、日々色々な問題が起きてきます。
私は、その問題のひとつ一つを「この問題は私の何を成長させようとして起きているのか」と考えるようにしています。
そうすると、不思議と問題の本質を外さずに、問題を解決へと導いてくれることが多いように感じています。
もちろんこれは、子育て以外の問題でも同じだと思います。
問題は、それが起こった瞬間は私たちを苦しめるものですが、きっと私たちの何かを成長させようとしている。
私はそう捉えるようにしています。
ある知人から、「最近、ひとりごとのコラム長いねー」と言われたので、ちょっと短くしてみました。