でき太くん三澤のひとりごと その165
◇ セルフイメージ
子どもたちの学習をサポートさせていただく中で、私がいつも大切だと感じること。
それは「セルフイメージ」です。
子どもが自分自身に対してどのようなイメージを持っているのか。
どのような「自己像」を持っているのか。
これがとても大切なことだと私は思っています。
たとえばここに、学習習慣をなかなか身につけることができないお子さんがいたとします。
「今回こそがんばろう!」と計画表を作成し意気込んで学習を始めるのですが、それが続くのも3日程度。
4日目には少し学習するのが面倒になり、「今日は休んで明日からまたがんばろう」となってしまう。
そして、ズルズルと学習しない日が増えていき、結局学習習慣を身につけることができない。
このような循環となってしまうケースは、少なくないと思います。
ではなぜ、最初は意気込んでがんばっていた子が、4日目あたりからズルズルと元の流れに戻ってしまうのでしょうか。
このお子さんの性格的な問題でしょうか。
それとも、学習習慣を身につけることもできないようなダメな子なのでしょうか。
私はそのどちらも違うと思っています。
私は「セルフイメージ」が多大な影響を与えていると考えています。
私がこれまでの数多くの実践からわかったことは、目標を達成できないお子さんの多くは「セルフイメージ」がマイナス的であるということです。
そして、そのことをお子さん自身が自覚できていないケースが少なくありません。子ども自身、気づかないうちに自分の「セルフイメージ」を下げてしまっているのです。
今回の「学習習慣」の例えでいえば、計画などをしっかり立ててこれからがんばろうとしているのですが、「セルフイメージ」をほとんど調整していません。自分の「セルフイメージ」にマイナス的な傾向があることを認識していないからです。
おそらくこのお子さんの「セルフイメージ」は、
「学習習慣を身につけて、算数ができるようになりたいな、、、そうなったらいいな」
「自分は今日までダメだったけど、これからできるようになれたらいいな、、、」
というように、今の自分には「無理」かもしれないけど、できるようになったらいいなというような、少しマイナス的なイメージを残した「セルフイメージ」になっています。
「自分ならできる!」
「自分なら学習習慣程度のことはすぐに身につけられる!」
というような、肯定感に溢れたようなイメージではないのです。
「セルフイメージ」というのは、私たちが想像する以上に力があると思います。ですから、少しでもマイナスのイメージがあれば、そのイメージ通りの現実へと導かれていきます。
「そうなったらいいな、、、」
「できるようになったらいいな、、、」
というような「できるようになることをあこがれている状態」へと、知らず知らずのうちに導かれていくのです。
さて、ここでもうひとつ大切なことは、子どもは自分の力で「セルフイメージ」を調整するのはむずかしいということです。
子どもは1日の大半を学校で過ごし、様々な体験をしてきます。
お友達に何かマイナス的なことを言われたり、授業でわからないことがあったり、、、
色々なことが起きています。
その中で、子どもは「セルフイメージ」に傷つけてしまうことがあります。
もし「セルフイメージ」が傷ついた状態で、何か目標を掲げれば、おそらくその目標は達成できないでしょう。
そのようなことにならないためには、日々お子さんとの対話を行い、お子さんがどのような「セルフイメージ」を持っているのかを私たちが認識しておく必要があります。
何気ない日常会話や、学校でのこと、お友達とのことを話す中で、わが子がどのような「セルフイメージ」を持っているのかを認識していくのです。
もしお子さんの「セルフイメージ」が傷ついている、「セルフイメージ」がマイナス的になっていると感じたら、それをぜひプラスの方向へと導いてあげてください。
「だいじょうぶ!あなたなら必ずできる!」
「あなたなら、どんなことだってできるからだいじょうぶ!」
「あなたは、私が産んだすごい子なんだよ!」
という全肯定のことばを、お子さんに伝えてあげていただきたいのです。
このような対話を積み重ねていくことで、お子さんの「セルフイメージ」は、肯定感に溢れたゆるぎのないものになっていきます。
子育てとは、子どもの「セルフイメージ」を肯定感に溢れたものへと磨きあげていくことでもあると、私は考えています。