【FUJIFILM X-T5 カメラレビュー】 半年使った感想(作例21枚)
去年の冬にFUJIFILMのX-T5を買いました。それから半年以上経ったので、自分なりのレビューを書いていこうと思います。
私がカメラに求める部分とか評価の仕方が独特な部分もあると思いますが、参考になる部分があればいいなと思います。では、お楽しみください!
購入に至った経緯とカメラの条件
買おうと思った理由を一言でいうと、
普段から持ち歩く、趣味としてのカメラが欲しくなったから
といった所です。
普段から持ち歩くカメラなので
・なるべくコンパクトがいい
・でもある程度ボケて雰囲気が撮れるカメラがいい
というのが条件でした。
なので自然とAPSセンサー+明るい単レンズ数本という選択になりました。
レンズはフルサイズでいう、35mm,50mm,85mm相当の画角の単レンズがいいなと考えました。広角、標準、望遠3つのレンズを持ち歩きたいって感じですね。
自分の条件に当てはまるのはFUJIFILMだった。
そんな条件でカメラを探したら、APSサイズのカメラをメインにしているFUJIFILMはレンズの選択肢も豊富だし、自分と合うなと感じました。
また、撮った写真の色やトーンを変えてレトロっぽくしたり、ノスタルジックな感じにするのが好きな自分としてはフィルムシュミレーションは非常に魅力的に感じました。
写真がメイン、動画はサブでいいと考え、最終的にはFUJIFILMのX-T5を選びました。
レンズについて
さすがAPSセンサーをメインとしている富士フィルムのXマウントです。レンズの選択肢はかなり沢山ありました。
なるべくボケるレンズがほしいので、F1.4のもので検討した結果、シグマのAPS用レンズ3本を購入しました。
23mm F1.4 DC DN | Contemporary
30mm F1.4 DC DN | Contemporary
56mm F1.4 DC DN | Contemporary
画角を35mm換算すると35mm,45mm,85mmとなります。
50mmではなく、45mmになってしまいましたがそれくらいはいいかなと思いました。
この3本にした最大の理由はコスパです。
もともとシグマのシャープで優秀な描写が好きでした。なので最初から候補には入れていて、調べてみたら本家と比べても性能的に遜色はなさそう。むしろ56mmに至っては本家よりも良い評価だったと記憶しています。
更にX-T5の値上げや、退院直後という自分を取り巻く環境(入院でとんでもない金額のお金がなくなった。。。)という事情などもあり、富士の純正のいいレンズを買い揃えるのは厳しかったです苦笑
機材を選ぶ時の信条
ちょっと話がそれますが、SNSなどで機材選びに関しては「プロなら最高のものを揃えるべき」とか「できる限り良いものを買うべき」なんて意見が結構強い印象です。そういう面も一理あるなと私は思います。ですが、それ以外の選択が無意味かというと決してそうではないと思います。
「価格、性能、大きさなど様々な要素を総合的に見て判断し、選択する」「今自分が選択できるベストを選択する」という考え方も大切ではないかと私は思います。また、そうやって選択したものに「自分にも他人にも、どういう経緯でその選択をしたかを胸を張って説明できること。」が大切なんじゃないかと思います。
そんな自分の信条(?)もシグマのレンズを選択する根拠の一つにもなっています。FUJIFILMのレンズを揃えられたら良かったんですけどね、、、。
経済的な問題、値段に対しての性能の良さからシグマを選んだわけですが、とてもいい描写だし、コンパクトで3本持ち歩いても負担にならない!そして値段も純正と比べればとても手頃!ということでとても満足しています。
レビュー
そんな経緯で購入したX-T5とシグマの単レンズ3本。外に出る時にはなるべく持ち歩くようにしています。ちなみにどんなバッグでどんな付属品を入れて持ち歩いているかなども後日書いていこうと思っています。
そんな感じで使い始めてもう半年以上経ちました。一言で言うと「全体的にはすごくいい。けれど微妙な部分も。」といった感想です。
予想通りにも予想外にも「いい!!」と思う部分が色々とありました。でも「ここだけはかなり微妙だな。。。」という決定的な部分が一つあります。その部分に関しては何を撮るか、どんな写真を撮りたいかでけっこう評価が変わるのかなと思っています。
それでは自分にとっての「いいところ」「よくないところ」「微妙なところ」に分けて話していきますね。
(どれも「私にとっては」という内容です。参考程度に読んでもらえたら幸いです。)
いいところ1:操作性
X-T5は操作性がすごくいいなと思います。主な理由は2つで、ダイヤルが沢山あることと、カスタム設定でダイヤルやボタンの役割を自分好みに設定できることかなと思います。
このカメラの仕様用途は主にスナップ撮影です。基本的に絞り優先オート(ISO設定も上限つきオート)で撮っています。シグマのレンズには絞りを変えるダイヤルがないので、リアコマンドダイヤルを絞りのコントロールに割り当てる設定にしています。絞りも露出補正も隣り合った2つのダイヤルで親指でさっと変えられるのでストレスがなくて、とても撮影がしやすいと感じています。
また、他のボタンも自分が良く使う設定メニューに変えることでより直感的に操作して、カメラの設定を変えられるようになっているのが素晴らしい。まぁ、最近のカメラはどのカメラもボタンのカスタム設定はできるようになっているとは思います。でもこの機能があるのとないのとでは操作性が全然変わるなと思っています。更に使ってみて、更新する→更に使ってみて、更新してをいく、といった感じで楽しみながらどんどん使いやすくしていくことができます。
いいところ2:速いシャッタースピード
X-T5の電子シャッタースピードは最速で1/180000秒まであります。これはF1.4のレンズを主に使う私にはとてもありがたいです。ちなみに世に出ている多くのカメラの電子シャッターの最高速度が1/8000なんじゃないかなと思います。このスピードだと、ちょっと足りないんですよね。
スナップメインで撮るカメラなので、撮るのは主に外です。晴れの日に明るいものをぼかして撮ろうとすると、どうしてもシャッタースピードが1/8000より速くする必要が出てきます。そういう状況でもX-T5ならシャッタースピードを速くできるので、NDフィルターなしで撮影ができます。NDフィルターを付ける、外すの手間は結構めんどくさいです。外出時に持ち歩く趣味のスナップ用カメラなので、つけ外しをする必要がないというのはとても助かります。
ただ気を付けてほしい点はストロボの設定によっては強制的に電子シャッターを「つかわない」設定になってしまう仕様になっているところです。ある時にストロボを使って撮影したんですが、翌日にスナップ撮影をしていたら
「あれ、、、シャッタースピードが1/8000より上がらない。なんでだ?」
となったことがあります。色々と調べてみたら前日に変えたストロボの設定が原因だったわけですが、見つけるまでに結構苦労しました。
この様にストロボ機能をはじめとして、いくつかの機能は他の機能と連動して強制的にON&OFFが切り替わってしまいます。その点は気をつけなきゃいけないな、しっかり把握しておかなきゃいけないなと思いました。
いいところ3:高感度に強い
XT-5はAPSセンサーで4000万画素。画素ピッチから考えたら高感度の撮影には弱いだろうと思っていました。しかし想像より遥かに高感度性能がよかったです。その辺の詳しいことは専門家ではないのでわかりませんが、きっとプロセッサーの性能がいいのだろうと思います。
また、高感度設定の時のカメラの「絵作り」がうまいのだろうと思います。高感度にすることで出てくるノイズ無理に消そうとしすぎず、ディティールを残すことに重きを置いている感じがします。(それでもノイズの消え方は非常にいいと思います。)
今の時代、写真は撮るだけで終わりません。家に帰ってきて、どう現像するか、どうレタッチしていくかも非常に重要です。そういう意味では使う「ソフト」の影響も大きいです。私の場合、高感度で撮影した写真に関してはノイズ消去の性能でとても評判なDxO PreRAWというソフトを使ってノイズ配所をしてからから現像するようにしています。高感度で撮ったデータとしてはノイズが少なくて、ディティールも消えているデータより、ノイズがあって、ディティールが残っているデータの方がPureRAWとの相性が良いように思います。
最終的に良い絵を作れることが正解だと思いますので、高感度においてもX-T5はセンサーサイズと画素数から考えると非常に優秀だなと思っています。
いいところ4:デザイン
ここは完全に個人的な好みの話になってしまいます笑
昔ながらのクラシックなデザインのカメラが私は好きです。持ち歩くこと、撮ることにワクワクできるカメラというのは良いですよね。
大学時代に友達がカメラ選びに大切なことの話になった時に
「そのカメラを持ってみて、ファインダーを覗いてみて、ワクワクできるかを大切にした方がいい。カメラを構えてみて、しっくりくるカメラはその人にとっていいカメラだ。」と言っていました。私もその話はすごく的を得ているなと思います。
特に趣味用として買ったカメラですからね。そのワクワク感はすごく大切だと思います。そういう意味ではX-T5が構えるとワクワクするいいカメラです。
あ、ちなみに友達のその話を聞いて以降、私が知り合いからどういうカメラを買ったら良いか相談された場合は丸パクリで同じことを伝えています爆
微妙なところ1:ティルト液晶
バリアングル液晶かティルト液晶か。
ここは完全に好みの分かれるところですよね。私は完全にバリアングル派です。なぜなら向けられる角度の自由度が圧倒的に広いからです。なのでティルト液晶のX-T5は微妙にかんじてしまいます。
レンズと軸がズレて使いにくいという人がティルト液晶を好むようですね。その気持はわかります。ですが、それ以上に液晶をどんな向きにもできることができることの方が自分としては重要です。
私はカメラに自分が合わせるというスタンスを大切にしています。そういう意味では軸がズレてちょっと使いづらくなっても、角度の自由度が高い方が自分にとってはいいなと思っています。
ちなみにソニーからはバリアングルとチルト、両方ができる4軸マルチアングルのカメラが出てきていますよね。これは間違いない!まだ使ったことないんですが、給電しながらの撮影だったり動画用でHDMI接続して撮影する時とかも、4軸マルチアングルの方がケーブルと液晶が干渉しにくくなるのはずなのでそこも良いんじゃないかと想像しています。
結論、製造コストの問題はあるかと思いますが、すべての一眼カメラが4軸マルチアングルになればいいのにって思います笑
微妙なところ2:フィルムシュミレーション
これは完全に写真のスタイルの問題となるかと思います。
X-T5を購入した理由の一つにフィルムシュミレーションで好みのトーンを写真を撮ることに魅力を感じていました。最初は色々と設定を変えてみて自分好みのトーンをさがしてみたりと色々楽しんでいました。フィルムシュミレーションの機能自体はすばらしいと思います。
でも、私の場合は結果的に今では実質的には使っていない機能になっています。いくつか自分好みのトーンをカメラに登録しているのでその設定で撮ってはいます。つまり、撮影するときにはフィルムシュミレーションをつかって撮影しています。でも撮ったRAWデータをパソコンに入れたあと、現像する時にフィルムシュミレーションは使わず、何もいじっていないRAWデータから自分の好みのトーンに調整して現像した写真を使っています。
つまり、フィルムシュミレーションは使って撮るほうが楽しいからそうしているけれど、現像して使う写真にはフィルムシュミレーションつかっていない。なので実質なくてもこまらない。といった感じでしょうか。
私の場合は撮って出しのJPEGを使うこともほぼありません。撮った写真をすぐWifiでスマホに転送してSNSでアップする場合でも、結局スマホのアプリ(Lightroom)で色を調整してからSNSにアップしたり、撮った人にデータを渡しています。
フィルムシュミレーションの機能を使わなくなった理由は、ざっくりとした設定しかできなかったからです。トーンカーブで全体だけでなく、RGBそれぞれのチャンネルを細かく調整できる機能があればいいのにな、、、と思っています。そういう意味ではPANASONICの「リアルタイムLUT」なんかは自分と相性がいいのかなと思います。まぁ、結局そこまで細かく変えるならパソコンやスマホをつかえば?ってことになってしまいますよね。
なので私にとってフィルムシュミレーションはあったら良いけど、撮影した結果には影響がない使い方をするようになってしまいました。なので自分にとってはこのカメラの「微妙なところ」としています。
よくないところ:オートフォーカスの性能
これは私が求めすぎな部分もあるのかもしれません。
しかし、普段私が仕事で使っているCANONのカメラと比べてしまうと、「マジか。こんなに合わないのか。。。」と思ってしまっています。他のカメラに乗り換えようかと迷ったレベルです。
X-T5のオートフォーカスの特性をざっくりまとめると、
・奥のものにピントが合う特性が強く、一定の条件にすごく弱い。
・動いていないものを撮る分には問題はない
・被写体が動くものだと急激に精度が下がる
といった感じでしょうか。
手前ではなく、奥のものにピントが合う特性があることと、動くものには急激に精度が下がる点にはかなり苦労しています。
奥ピンになりやすいのは小さな被写体や線状の被写体にフォーカスを合わせようとしたときによく起きます。
対応策として、奥のものにピントが合う特性に関してはマニュアルフォーカスに切り替えて撮るようにしています。ちなみに合わせるときは「拡大表示」の機能を使っています。今のカメラは高画素過ぎて、画面全体表示で合わせるのは至難の業ですよね。これはもうしょうがない部分です。それくらいカメラが進化したということですね。
動く被写体を撮る時、つまり人を撮る時には瞳フォーカスで捕捉しているように見えても、実際には微妙にずれていることが多いです。なので対応策としてかなり沢山シャッターをきるようにしています。確立が低いなら、数をうっていこう作戦です。自分の使ってきた印象では動いていない人でもガチピン率は6~8割くらいのイメージです。ゆっくり動いている人なら3割~5割くらいに減ります。走っている子供なんかは合っていたらラッキーくらいの感じです。
なので人を撮った時は撮影枚数がかなり増えてしまいます。高画素のなこともあり、SDカードも容量の大きいのものを複数持ち歩いています。セレクトも大変になってしまいますが、沢山撮っていれば納得の行く写真も何枚かは撮れている。でも「あーーー、、、この写真のピントがあっていれば。。。」と思うことはちょくちょくありますね。。。
シーン別にオートフォーカス性能をまとめると
家族の記録写真をいい感じに撮りたい=◯
ポートレートを撮る=◯~△
子どもが公園で遊んでいる姿をしっかり撮りたい=X
犬猫の遊んでいるところ撮りたい=X
といった感じです。
ガチピンをどこまで求めるかは人によって考え方が大きく分かれる部分だと思います。合いにくいところが愛嬌だって考える人もいますもんね。ですが私としてはやっぱり合っていないよりは合っている方がいい。そういう意味では不利かなと思います。
調べてみると富士フィルムのカメラは昔からオートフォーカスが弱い部分があるみたいですね。購入前からその事は調べてて把握していたのですが、「X-T5でずいぶん良くなった!」と言われていることが多かったです。一度レンタルして調子が良さそうだったので購入に至ったわけですが、自分のテストの仕方が甘かったみたいです。動きものを撮るテストはあまりちゃんとしていませんでした。なのでいざ購入して使ってみると、思ったよりかなりピント精度が悪いな、、、と感じています。
オートフォーカスのことはもっと話したいことがあるのですが、長くなりすぎるので別の機会に「自分なりのおすすめのオートフォーカスの設定」なども加えて新たな記事を書こうかと思います。
まとめるとX-T5のオートフォーカスは何を撮るか、どう撮るかで大きく評価が分かれるところだと思います。私としては残念に感じています。もしX-T5を仕事で使うとなったらかなり不安で避けるレベルかなと思います。趣味のスナップ用だから許せているという感じでしょうか。
ちなみにオートフォーカスを不満に思い、ソニーのAPSカメラのα6700に乗り換えを検討したこともあります。しかし乗り換えにかかるコストやα6700のシャッタースピードが1/8000が限界なこと、画素数、他にも色々な部分を比べて天秤にかけた結果、X-T5に留まることにしました。
まとめ
以上がX-T5を半年以上使ってみたレビューとなります。
オートフォーカスに関してはちょっと難ありといった感じなので、そこを許容できるかどうかがポイントとなるかなと思います。何を撮るか、つまりは動きものをメインで撮りたいのかで評価が大きく変わるカメラかなと思います。
ですが、トータルで見るとX-T5はクラシックな見た目なのにとても高性能でカメラとしての完成度は非常に高いと思います。写真を楽しむ、ファインダーを覗いてワクワクするという写真体験をするにはもってこいのカメラだと思います。フィルムシュミレーション機能もあり、写真を趣味で本格的に楽しみたい人にはもってこいです。
このレビューが参考になると幸いです。長くなりましたが、ここまで読んで頂きありがとうございました!
※これからもこのNoteにはX-T5で撮ったスナップ写真を上げていきますね。
主に「毎月写真日記」と「会いに行く、そして撮る」で上げていきます。
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