低コストでできる張子造型
先般「富山こすぷれフェスタ」におきまして、張子のお面の表面処理について質問を受け、回答が長くなりそうでしたのでここにしたためたく思います。
人によってさまざまなやり方があります。あくまで私の場合の方法ですのであくまでご参考に、独自の工夫を付け加えてもよろしいかと思います。
張子による表面処理に向く芯材としては厚紙、ダンボールなど、水のりが含浸しやすいものや、発砲スチロールのように有機溶剤系の処理剤では溶けてしまうようなもの。但し、同じ発泡樹脂でもスポンジ状の柔らかいものは別の方法(機会があればまたしたためます)を取った方が良いでしょう。
さて、ではまず芯材で好きな形にキリバリしましたら、水のりで紙を貼っていきます。プロの造型作家さんなどは和紙を使っておられますが、低コストでそろえられる代替え品として、書道用の半紙を扱いやすい大きさに手でちぎり、ツルツルの面にノリ(水のりか白いやつ、口紅タイプやスプレーのりはお勧めしません)を塗り、ザラザラの面が表になるよう、先に貼った半紙の端を覆うようラップさせながら貼っていきます。
角の部分ははさみで半紙に切れ目もいれながら、(ガムテープでダンボール箱を梱包する時の要領で)芯材から浮いたり皺が寄ったりしないよう、フィットさせていきます。
芯材全体を覆って1層目、この要領で3層ぐらい貼りましょう。
どうしても凸凹ができてしまった時は、へこんだ部分に紙粘土を盛り、水で均したうえでその箇所だけ、もう1層半紙を貼ります。
その時の気候にもよりますが、半日ないし一晩放置して完全に乾燥してからサーフェイサー(GSIクレオスの500)を吹きます(溶きパテの筆塗でも可)。
これを2時間ぐらい放置して完全乾燥したらスポンジ研磨剤のFINEで軽く磨きます。
ここで凹凸の気になるところがあればベーシックパテを盛り、竹べらで均した上、もう1層サーフェイサーの500を吹きます。
これを2時間ぐらい放置して完全乾燥したら600番のサンドペーパーで軽く磨きます。
特に気になる凹凸がなければサーフェイサーの1000(タミヤの場合はファインサーフェイサー)を吹きます。
この時、下地のサーフェイサーとは違う色のサーフェイサーを吹くと、磨き残しをチェックしやすいので便利です。
これを2時間ぐらい放置して完全乾燥したら仕上げ用のサーフェイサーを吹きます。
仕上げ用のサーフェイサーは1000~2000、タミヤの場合は「ファイン」とか「スーパーファイン」とついているのが仕上げ用です。色もグレーだけではないので、このあと塗装したい色に合わせて選ぶのが良いでしょう。
黒、もしくはシルバーやメタリックブルー、メタリックレッド、メタリックグリーンなど金属色で仕上げたい場合は黒、それ以外の基本色なら白が無難でしょう。ゴールドの場合はピンクなど赤系もありです。
グレーのサーフェイサーはラッカー系塗料の表面に浮いてくる事があるのであまりお勧めしません。
これを2時間ぐらい放置して完全乾燥したら1500~2000番のサンドペーパーで磨いて下地処理は完了、ラッカー系塗料で塗装に入ってください。
以上