12時間以内に卯月コウ「アイシー」を聴いて欲しい

12時間経ったらこの曲は聴けなくなってしまうから、今しかない。

かくいう私も、今現在遠征先の大阪に向かう新幹線の中で、普段なら気持ちを高めるためにイベント前は推しグループの曲を聴くのだけど、ずっと「アイシー」を聴いています。

卯月コウ初のオリジナルソングである「アイシー」は、6/30(日)いっぱいで公開終了する。昨晩本人のツイートで告知されたとき、今からたくさん聴くねというリプライの嵐を見ながら私も泣きそうになっていた。

https://twitter.com/udukikohh/status/1144979665192226817?s=21

もしかしたら今すぐにでも消さないといけないのかも知れないけれど猶予をくれたのは、残された時間を堪能しろという彼の優しさかもしれないと勝手に思っているので、この曲の良さを知って欲しい。

と言っても私は音楽的なことには全く詳しくなく、いつもはアイドルたちの曲ばかり聴いているため、卯月コウのこれまでを辿りながらアイシーの好きなところを書く。

ちょうど1年前、卯月コウを含めた元にじさんじSEEDSのメンバーがデビューした頃、元1期生・2期生は人数が少ないのも相まって飛ぶ鳥を落とす勢いで人気が爆発的に伸びていた。ように私には見えた。カリスマ性を持って着々とファンを増やしていた1期生・2期生たちは、初期の頃SEEDSとあまり関わらないという不文律(なのか指示なのか)があったようで、SEEDS1期生たちとはやや壁があった、というのは当時の配信を追っていた人は皆感じていたのではないだろうか。

そのなかで卯月コウの配信をちょこちょこ追っていた私が衝撃を受けたのは「にじさんじの思い出」(2018/8/12 配信)だ。

俺らだわ、と思った。トリガーに感涙し、かえみとの関係性を考察し、好きな配信を饒舌に語る。2期生・剣持刀也も常々vtuberを好きという話をしていたが、彼の場合はにじさんじ発足すぐのメンバーであるため、どちらかといえば界隈全体を広く客観視しながら語ることが多かった。反面、卯月コウの語りはオタクだった。もちろん豊富な語彙や配信のセレクトの絶妙さなどただのオタクではないのは当然だが、精神が同じだった。

その彼がにじさんじを背負ったのが、2018/9/29に配信された「ライブ王決定戦」だ。ルール無用、同時刻までに最も視聴者を集められた者が優勝というこの企画で、彼は1位になった。ちなみに私はリアルタイムで観ていてめちゃくちゃ泣いた。

このとき、本来なら卯月コウはあまり1位を取りにいくつもりはなかったようだが、結局必死になった原因として「ファンアートをもらいすぎた」のと1本の動画について触れていた。それがニコニコ動画に投稿された「にじさんロック」だ。

画面の前に触る卯月コウが1期生・2期生を見ながらやがて自らも配信者となる軌跡が見事に描かれていて、小ネタもたくさん散りばめれた素晴らしいMADだ。これを、委員長こと月ノ美兎が拡散したあたりからにじさんじ全体を巻き込む大きなムーブメントとなり、彼は優勝する。

前置きが長くなったが「アイシー」にはこの、あくまで一視聴者だった卯月コウが配信者となり仲間を得ていく過程がギュッと濃縮されている。

僕の目でおかげで嫌いなもの増えたけど 好きなものたくさん増えたよ 正解なんてわかりゃしないけど

卯月コウの、にじさんじを含めた様々なコンテンツを好きだという気持ちが彼を暗がりから外へと連れ出し

優しい物語に触れた (月には兎がちゃんといた)

彼自身がまた物語になってゆく。月には兎がいるし、見たかった景色をたくさん見られているのだろうか。

曲中で何度か繰り返される「物語はまだ一人」というフレーズ。もう彼の物語はひとりではない。ライブ王決定戦のときにたくさんの仲間が駆けつけ、葛葉が「主人公になれ」と言ったように、物語の主役として立っている。

私が卯月コウをここまで好きになってしまうのは、何もないオタクとして輝かしい世界を見て、嫉妬したり苦しんだりするのに、そこから手放せない中毒性のある快楽の含まれたコンテンツ=物語を良く知っているからではないか。こちらの気持ちを分かりながら、その物語を提供してくれる。

ああ、アイシー本当に好きだな。卯月コウそのものだと思います。聴けなくなってしまうのは悲しいけれど、なくなってしまうエモってあるよな。桜の花とか、それこそ花火みたいなさ。

あと12時間。悔いのないように。






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