日商簿記3級の解説②〜諸掛は複雑のようで簡単〜
初めましての人は初めまして。
おはこんにちは、こんばんは。資格検定取得系Vライバー秋の空です。
本日は日商簿記3級の重要論点の中で、多くの受験生が苦手な論点の2つ目、「仕入諸掛・売上諸掛」を解説します。
1、本稿で解説する【諸掛】って何?
1、仕入諸掛
【仕入諸掛】は、商品を仕入れる時にかかった運送費などの費用のことです。
2、売上諸掛
【売上諸掛】は、商品を売り上げた時にかかった費用のことです。
ここまでは簡単ですよね?
では、なぜ受験生の多くが苦手意識を持つのか、これから解説していきます。
2、【仕入諸掛】について
仕入諸掛についての解説の前に、ひとつ聞きます。
【仕入】って費用ですか?資産ですか?
実は、【仕入】は《費用》です。
(学問的には【仕入】は《費用資産》勘定であり、費用と資産両方という学論もありますが、検定では【仕入】は《費用》だと思ってください)
しかし、もちろん仕入にも直接の仕入だけではなく、運送費などあらゆる費用もあります。
ここの仕訳を仮に、すべての費用勘定を用いて記述したと想定してください。
かなり大変だし、かなり見にくくありませんか?
そこで、【仕入諸掛】は全て仕入に含めます。
なぜか?
【仕入】は《費用》なんだし、他の費用も含めちゃって良いと考えたら、すんなり理解出来ると思います。
(他の費用勘定では、このような費用算入は許されていないものが多いです。なので、説明は学論的には正確ではありません。あくまでも覚えるためにそう考えてください。)
3.【売上諸掛】について
では、売上諸掛はどうでしょうか?
まず、売上のためにかかった費用(売上諸掛)はその通り、《費用》ですね。
問題は、【売上】が費用ではない、ということです。
売上は何でしたっけ?
そうです。【売上】は《収益》です。なら、【売上諸掛】は【売上】に入れていいのか?
売上のためにかかった費用は《収益》とは異なるので、売上諸掛は、売上には参入しません。
言ってることは簡単ですよね?
けれど、実際に問題解くと知識があやふやになりやすい論点です。
4、復習問題2問
1、問題
Q1、次の仕訳をしなさい。
商品500円を仕入れた。この際に発生した運送費100円も含めて、すべて現金で支払った。
Q2、次の仕訳をしなさい。
1つ10,000円の商品を3つ掛け販売し、手形を受け取った。また、売主負担の発送費に関しては、500円を現金で支払った。
2.解答
A1、
(借)仕入600 (貸)現金600
この問題は【仕入諸掛】だと気づけるかがポイント
A2、
(借)受取手形30,000 (貸)売上30,000
発送費500 現金500
5、最後に
どうでしたか?
これらが、日商簿記3級の受験者の中で苦手とする方が多い2つ目の論点【諸掛】でした。
言葉にすると、案外簡単であっさりしてますよね。
発送費などについては立替金とかもありますが、これは仕入諸掛・売上諸掛に気づくことが出来るようになってから、取り組んだら理解しやすいです。
では、皆さま、試験頑張ってください
秋の空は、皆さまの勉強を応援しております。