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子どもはかわいい

「ナイスパス忘れた!」
叫んだ子どもから始まった自覚と分析。

31歳と5ヶ月。最近特に思うようになった。
元々は自分が可愛いし子どもだと思っていたから、子どもをとりわけかわいいと思うことはなかった。
なんなら20歳で叔母になったくせに、子ども見知りをしていた。接し方がわからなかった。

歳を重ねるにつれ、友人たちは結婚やベビーラッシュを迎え順調に親になっていくのを見ていながら、まるで自分は違う世界にいるみたいに他人事だった。自分のことで精一杯と思わせていたから。

かわいいの転機は、様々な場面で子どもと接することが増えたから。
仕事、プライベートで関わること、親戚付き合い。
30代として子供にいかにして接するべきかを落とし込んでいった。

なによりも小さい子どもが、ごはんをおいしいおいしいと頬張る姿や、突拍子もない発言やトリッキーな行動はわたしの母性を確実に刺激した。
一緒にふざけ倒すのも、大きい声を出すのもたのしい。
「もお〜!あきちゃんすぐふざけるし、嘘つく!」「あきちゃん今日の服は0点だよ!日本人はそんな服着ない!」と怒られるのも愉快だ。

最近の刺激発言トップ3をあげるなら、3歳の姪の発言。
「あきちゃんここにイボあるね」
3歳児の発するイボ
「みて!ダンゴムシ、マジでここにいる!」
マジの使い方
「あきちゃんが髪の毛切ったから、ゆなも切ったの」
うそつけ

とにかくかわいい。ありがとうと言いたい。

そして、冒頭の叫びが全ての始まりだった。
最近は毎朝バスに乗るのだが、バスには「ナイスパス」というICカードがある。みんなそれでタッチして乗車する。
いつも同じ時間に乗るまだランドセルがおっきな小学生が乗る直前になりひとり「ナイスパス忘れた!」と叫んでダッシュで戻って行った。

ナイスパス!!
大人になればICカードなどカードは一括して「カード」と言い表す。
小学生にとってナイスパスはカードの一種ではなく、ナイスパス以外の何物でもない。ナイスパスだけ。
チビッコがちゃんとナイスパスをナイスパスと認識し、正式名称を叫んだことにやられたんだ。

ナイスパスボーイ。翌日もバスに乗り込む前にそわそわしていて、今度はバスに乗らずに無言で走り去り、バスはそのまま発車。乗れなかったナイスパスボーイを心配して見ると道の途中でバスを呆然と眺めていた。

そんなトリッキーな行動もたまらなく愛おしい。
その翌日はご家庭の方の配慮でナイスパスは、ビヨーンってバネ付きのカードケースに入れられベルトループに繋がれてポッケに収まっていた。

愛しのナイスパスボーイ。私に子どものかわいさを気付かせてくれてありがとう。

子どもはかわいい。

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