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iLiFE!には夢がある

iLiFE!というアイドルグループがZeppダイバーシティでワンマンライブを大成功させました。
Zeppダイバーシティと言ったら2700キャパの大箱です。それが一般席ソールドアウトになるくらい、ほぼほぼ埋まっていたのです。
これはアイドル界にとっても非常の夢のある出来事だと思います。

昨今のアイドル界は元有名グループのメンバーだったり人気インフルエンサーをスカウトしてきて集め、グループを作り、スタートダッシュがしっかりある状態からさらなる人気を得ていくというのが売れる定石です。
しかしiLiFE!はそうではないのです。
元アイドルも確かにいますが、こう言ってはなんですが有名グループにいたというわけではないですし、インフルエンサー的な子もいますがそこまで大人気だったというわけでもないのです。

だからこそ結成してから売れるまでには時間がかかりました。
メンバーの卒業もあり、加入もあり、また卒業があって加入があって。
僕は結成時からというかお披露目前からiLiFE!のヴォーカルレッスンをしてきているのですが、抜群に曲も良いし可愛い子も揃っているのになかなか売れない惜しいグループだとずっと思っていました。
それが、えな、ゆあが入った頃から風向きが変わってきました。
そしてあいすが入ってからその良い風が加速したように思います。

ちょうどえなとゆあが入った頃にスタートした曲がちょっとした話題になったのですが、その曲とえな、ゆあはじめメンバーとの相性が良かったことがきっかけとなりました。

特にえなは天才的な煽りができる子です。まず声がよく通る。メンバーの誰とも違う帯域の綺麗にハイが抜ける声で、言葉がしっかり聞こえる上に、ユーモアがあって面白く、僕自身えなの煽りで毎回笑顔になっています。
そのえなの煽りと曲がめちゃめちゃハマったことが一つの大きな要因となったのは間違いありません。この流れがハマったことにより、後続の曲も近いベクトルのものが続いて今に至るので、えなの存在は本当に大きいです。

さらにはグループとしては歌が不安定だったのを、若き歌姫ゆあが入ったことによりグループ全体の歌レベルが上がったこともあるでしょう。
一人でもめちゃめちゃ歌える子がいると刺激になってまわりが歌えるようになってくるのはグループアイドルを教えているとよくあること。
もちろん一人も上手な子がいなくてもしっかりレッスンすれば歌えるようにはなるのですが、一人でもいるとレベルアップのスピードが速くなるのです。
身近に見本があるというのが強いのでしょう。
ゆあは加入時から既に上手かったのですが、唯一リズムが弱点でした。それがレッスンで強化されると共に、グループ全体のリズム感も上がっていったのを感じています。

そしてあいすです。
あいすは一番小さい身体で一番大きく踊る子。とにかく一所懸命なのが素晴らしい。
あいす加入はかなり急に決まったことだったのですが、相当な短期間であいすは多くの曲の歌と振付を覚えなくてはいけませんでした。不安そうにしていたのを思い出しますが、それでも彼女は泣き言一つ言わず覚えきったのです。
彼女のひたむきな頑張りがグループにとっての良い刺激となったことは間違いありません。
そしてさらに、実はMC力がめちゃくちゃ高い子なんです。
今までまとまりきらなかったMCの、要所要所であいすが絶妙にうまく回すんです。まとめやすい着地点を作るのがとても自然。いわばMCのキラーパスができる子なんです。だからMCが面白くなる。そしてまとめを任された時には完璧にまとめる。あの若さでこれができる子はなかなかいません。今日のワンマンでもそれを強く感じました。

この3人の力はとても大きいです。
しかし、この3人だけで売れたかと言うとそうではないのです。
その前からいた4人の力もないとこの3人の良さは活かされなかったでしょう。
つまりは3人と4人の相性が良かったからこそなのです。

オリジナルメンバーであるらむとしおりはふわふわしたところがあり、それが良さでもあるのですが、グループスタート時は目立つ方ではありませんでした。
しかしいつしからむはリーダーとしてメンバーを引っ張る存在となり、しおりはメンバーを優しく支える存在となっていました。

追加メンバーとして入ったりりとるなはどちらもマイペースな子で、やはりそれが良さでもあるのですが、マイペース故にどう頑張っていけば良いのかいまいち理解できてなかった部分もあるように思います。
しかしりりは持ち前の明るさでグループの空気を楽しくし、るなはその個性によってグループにとっての良いスパイス的な役割を果たすようになりました。

それぞれが今の編成となったことによって元々持っていた良さが花開きだしました。
化学反応です。

さらに言うなら、途中で卒業していった子達の存在も、今のiLiFE!ができあがっていく上で必要不可欠だったと思うところが少なからずあります。
特に初代リーダーふゆの存在は今も大きく、アイライフイズムの基礎を作ったのは彼女だったのではないかと思っています。
他の子達の存在もそれぞれ意味があり、今はメンバーではなくとも今のiLiFE!を形成する要素として残っていると感じています。

良かったことも悪かったことも、全てが経験値だと僕は常々考えていて、教え子にも伝えています。失敗してもそれを未来へ活かせば失敗ではなく経験値となるのです。
iLiFE!は全てを経験値として積み重ねて、チャンスを掴みました。
そしてさらに大きな花を咲かせていくことでしょう。

僕がアーティストだった頃、よく一緒に共演していたバンドが売れはじめた頃、それぞれに感じた空気感が今のiLiFE!にはあります。
また、僕がヲタクだった頃、最初は人気が無かったグループが何かのタイミングできっかけを掴み、売れていった時の雰囲気が今のiLiFE!にはあるのです。

人気の子を集めなくても人気グループは生まれるということを今のアイドル業界の中で体現したのは本当に凄いことだと思います。

これからのさらなる飛躍に期待しています。

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ここからはおまけ。
関係者に向けて。

iLiFE!が所属するヒロインズの他グループの子達にも、同様のチャンスがある事を忘れてはいけません。
何かのきっかけで、何かのタイミングでチャンスが回ってきた時にそれを掴める位置にいるかどうかが重要。少なくとも続けていないと掴めません。
例を挙げるとPerfumeはそのチャンスを掴むまでに7年かかりました。それまでは今のみんなと同じか、下手するともっと人気が無かったのが、7年目のチャンスを掴んで今のような存在になったのです。
つらくて辞めたくなることもあるでしょう。どうしたら良いのかわからず悩む時もあるでしょう。そんな時は相談してください。

また、ヒロインズのみんなもiLiFE!に良い刺激を与えています。
ヒロシンのメンバーだった子達のカリスマ的な存在感、iLiFE!同様の人気を掴んでいるよるあみの存在はもちろん、他の子達も全てです。
特に先述したあいすのMC力が上がったのは間違いなくこるねがいるからです。
他にもシャッフルユニットの際にそれぞれがそれぞれと何某かの影響を与え合っていると思います。
僕から見たらもっと売れていないとおかしいグループだらけです。
同事務所のアイドルが売れてきたというのは追い風です。一緒にその風に乗ってみんな売れて欲しいと、心から思っています。

最後にiLiFE!のみんな、本当に素晴らしいワンマンライブでした。
この勢いをさらに加速させるには、慢心しないこと。油断しないことです。今こそ人生で一番のチャンスであり、ここが頑張り時ですから、悔いを残さないように突き進んでいきましょうね!

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