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ファミコン相場師だった少年時代

実家の解体に伴い様々なものを捨てる中で、これは売れるのではないかと思えるレトロゲームの数々がありました。

僕はファミコン世代ド真ん中。
子供の頃の遊びと言えばもっぱらファミコンであり、遊び飽きたソフトを秋葉原に売りに行く中であることに気づきました。

この店は高値で買い取ってくれて、この店は異常に安い。そのような店がそれぞれいくつかあると。
当時はインターネットなどなく、中古ゲームの相場もはっきりしていなかった時代。
しかも秋葉原はファミコン天国で立ち並ぶ店の半分以上がファミコンショップでした。
そんなカオスな状態だったからこそあったちょっとしたバグ。

小学生だった僕は自分の遊び飽きたソフトを売りに行くついでに、異常に安い店で異常に安いソフトも買い、それも一緒に高値で買い取ってくれる店で売りました。
それを元手にまた違う安売りの店で買い、高値買取の店で売る。
それを3回も繰り返すと1万円くらいの儲けが出たのです。
その1万円で本当に欲しいソフトを2本買う。
そして飽きたらそのソフトと少ない手持ちを元手にまた仕入れと販売を秋葉原内で繰り返す。
そんなことを定期的に繰り返していたら怪しまれるようになり、いつしか子供はソフトのリストと共に親の印鑑を押した紙が無いとソフトを売れないというルールが生まれてしまいました。

しかしそうなればこちらもこちらです。
予め印鑑を押してもらった紙を複数用意し、ソフトのリストは都度書き込んで売るという事をしました。
さらには異常に安い店と高値買取の店をさらに探してそれぞれ複数把握し、組み合わせを変えることによって結局同じように儲けを出していたのです。

そんなことをしていたのでファミコンソフトの相場感が肌で理解できていた僕は、中学生になると学校で仕入れたソフトを売り、なんならソフトを学校で仕入れるということを始めました。ソフトと買取価格、販売価格のリストを作って友人達にそれを見せると、店で買うより少し安く買え、店に売るより少し高く売れるのですから評判となり、かなりの小遣い稼ぎができたのですが、問題となって先生方からこっぴどく怒られ、禁止となってしまいました。
秋葉原での売買も店同士での調整が行われだし、相場感も共有されるようになり、以前のように儲けも出しにくくなってきたことと、自分の興味もファミコンより格闘技の方にうつり、柔道と空手を初めてからはファミコンに割く時間も減っていきました。

言わばファミコン相場師だった少年時代。
その頃の知識は大人になってからも自分を助けました。

バンドでCDを出し、全国ツアーを回るようになったある日、三宮から神戸をつなぐ高架下に投げ売りされているファミコンソフトを見つけました。
DJがアナログをdigるようにソフトの山の中から沢山のお宝を発見。
三宮で総額2000円から3000円くらいで買ったファミコンソフトは、秋葉原で売ると10000円から、時には20000円くらいになりました。
インターネット黎明期だったこともあり、秋葉原内では相場が共有されていたものの、それがまだ全国には広まっていなかったのでしょう。少なくとも三宮の価格はどれもこれも箱無し100円、箱があっても500円以内という状況。その中には1本で10000円近くで売れるようなプレミアがついたものもあり、発見した時には笑いが止まりませんでした。

メジャーデビューもしましたが稼ぎも少なかったので、ツアーで神戸に行く際は確実に仕入れの時間を取り、小遣い稼ぎをしていたのは良い思い出です。

と言っても僕はコレクターというわけでもないので、プレミアがついたソフトを持っていたわけではありません。
老後、時間を持て余すようになったその時の為に、少年時代特に楽しんだ思い出のソフトをとっておいたのですが、時代は変わりました。
多くのソフトは今やファミコンでなくともプレイできるのです。

さらには実家の片付けで捨てる勢いがついていたこともあり、売ろうと決めていくつかのソフトをまとめておいたのです。
それを昨日売ってきました。

自分の予想としては全部合わせて30000円くらいかなと。
実際は32700円。買取強化期間で10%増しだったので、ほぼ予想通りでした。
レトロゲームの最新情報を得ていたわけではなかったのですが、相場感が鈍っていないことを妙に嬉しく思いました。
ちなみにサムネの写真が売れたもののリストの一部。
これが一番高く売れるかなと予想した夢工場ドキドキパニックが予想通り一番高かったのも嬉しく思いました。

老後の楽しみは老後になってから探すとします。
今回得られたお金は、先日noteに書いた壊れてしまったものを新品に買い替える資金の一部とします。

実家の片付けではファミコンソフトのみならず、大量の本やCDも出てきましたが、その両者は今や売っても金額がつきません。
あとは服です。服もかなりの数を販売に回しました。これは一体いくらになるのか。
夏物はあらかた売れたのですがこれから秋物冬物が売れ出していくでしょうから、落ち着いた頃にまた報告したいと思います。

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