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のんふぃく!をジョジョに例えれば今後が見えてくる
アイドルグループ「のんふぃく!」のリーダーをつとめた藤城なみが卒業しました。
のんふぃく!と出会ったのはちょうど4年前の1月。
事務所のスタッフさんから「アイドル経験者で新グループ作るのでレッスンお願いします」と連絡があり、初レッスンでなみ含む5人と出会いました。
それぞれ人気アイドルグループにいた5人ですから個性も強いだろうしプライドもあるだろうから多少なりともぶつかるのではと考えていたのですが、蓋を開けてみれば全くそんなことはなく、みんな明るく熱心で、最初から雰囲気の良いグループでした。
思えばそれはリーダーであるなみの人柄そのもので、それがメンバーに伝播した部分が大きかったように思います。
人間、良い人と一緒にいると良い人になり、悪い人と一緒にいると悪い人になりがちだと経験上感じているのですが、のんふぃく!メンバーはそれぞれ元から良い人だったのが、奇跡的な善人である藤城なみの人柄によってさらに皆が良い子になっていったように感じています。善性を伝播させることのできる菩薩のような存在でした。
実際僕が今まで仕事で関わった数千人のアイドル達を思い返してみても、なみはトップクラスに美しい心を持っている人です。
なみほど裏表無くて誰に対しても優しくて思いやりがあり、謙虚で前向きに努力を重ねる人はそうそういるものではありません。
年齢は僕と親子ほど離れていますが、尊敬しています。
メンバーもMCで異口同音に「人として尊敬している」と話していましたね。
「なみちゃんがいなかったら私はここにいない」と言っていた子も複数。
それが全てを物語っています。
そんななみが卒業して、今後のんふぃく!はどうなるのか心配している方もいるかもしれませんが、個人的には心配以上に期待の方が大きいです。
確かになみの存在は大きかった。だからこそ、なみが抜けた穴を残ったメンバーが自覚を持ってそれぞれの方法で埋めていくことになり、それがグループの成長につながるのです。
なみは最後のMCで「私の新しい夢はのんふぃく!に武道館へ連れて行ってもらうことです。みんな、連れて行ってね!」と言いました。
その言葉はメンバーにもスタッフにもファンの皆さんにも刻まれたことでしょう。
良い人達すぎて遠慮してしまうようなところもあるのんふぃく!が、なみの夢を叶えるために遠慮をやめて積極的になっていくのではないかと期待していますし、そうであって欲しいです。自分のためと考えると遠慮してしまうところも、なみちゃんのためならと遠慮しないで積極的になっていくのではと。
僕はのんふぃく!に足りないのは運だけたと本人達にも話していました。
ルックス良い、人も良い、パフォーマンスレベル高い、曲も楽しい、ファンサービスも万全、努力も欠かさないとなれば、あとは本当に運だけですから。
ただその運を掴むのが一番難しいこと。
大きな幸運を掴むためには、何かを失わなければいけないと感じることも多いのですが、のんふぃく!はなみという大きすぎる存在を失ったことによって大きな幸運がやってくるのではないかと思うのです。
いつまでたってもジョジョが出てこないじゃないかと思った方、ここからです。
人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」は第一部の主人公であるジョナサン・ジョースターの一族の物語です。
第一部の主人公はジョナサン、第二部の主人公はその孫であるジョセフ、そして第三部の主人公はさらにその孫である承太郎と、子孫がその後の物語を紡いでいくサーガです。
のんふぃく!がNon¬Fictionとして5人でデビューしたのが第一部とするなら、まりんとこるねが加入して7人となったのが第二部。
そしてこれから第三部が始まるのです。
ジョジョは最初から人気があったわけではなく、第一部は連載終了するかしないかのギリギリをコアなファンが支えました。第二部で新たな層にファンが広がり、一般的にブレイクしたのは戦闘が波紋からスタンドへ変わった第三部からです。
なみがいたのんふぃく!は言うならば波紋法でした。太陽のパワーで人を癒し、吸血鬼やゾンビなどの悪に対してはその太陽のパワーが破壊力を発するというような。
ジョジョが第三部にスタンドという新しい概念が出てきてから大ブレイクし、その後の漫画界にも影響を与える存在となったように、なみの卒業を機にメンバーそれぞれが進化し、戦い方を変えてその個性を発揮してくれれば、のんふぃく!も第三部のジョジョのごとく大ブレイクするのではないかと思うのです。
なみが卒業してもなみの意志をメンバーが受け継いでいくのもジョジョ同様。ジョースターの血統の誇り高き精神が様々な悪を倒してきたように、なみの誇り高き精神を受け継いだのんふぃく!は様々な困難を乗り越えていくことでしょう。
第一部でツェペリが今際の際、ジョナサンにディーパスオーバードライブを放ち、その後のジョナサンが桁違いの強さに成長したのと同様の成長がのんふぃく!には期待できるのではないかとも思うのです。
なみの卒業は本当にさみしいことですが、なみがいたからこそ現在ののんふぃく!があり、未来ののんふぃく!の成長があるのです。つまり、なみの姿は無くともなみの精神はのんふぃく!に存在し続け、のんふぃく!の魂となっていくのです。
僕は歌唱指導者としてのんふぃく!と関わっているのですが、上記のことを念頭に置きつつレッスンでも新たなアプローチをかけていければと思っています。
そのためには僕自身も成長していかないと。
スピードワゴンが惚れ込んだジョナサンの一族を長年支え続けたように、僕も尊敬するなみの魂を宿したのんふぃく!を支えていきたいです。