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企画(BizDev)は、事業を成長に導くビジネスの総合格闘技

今回、この投稿をしようと思ったのは、自分自身が企画の役割を担い、業務領域があってないような幅広い業務を担う中で、今後のキャリアに迷いが生じたためである。

企画と言っても、やっていることは様々な部署の調整を行う何でも屋。予算策定・管理、事業モニタリング、販売促進、人員調達から人材育成、評価運用、請求管理など。

様々な業務をこなす一方、リソース不足が原因で、全ての業務への実行度が薄くなることに葛藤を抱えていた。

私は事業にどう貢献できているのか?に不安を覚えたことをきっかけに様々な会社の企画(BizDev)の人達が何を行っているのか?をネット上で調べ始めた。その内容を整理してみた。

職種名からスマートさを感じさせる企画職(Bizdev)。しかし、現実はそんな生易しいものではないのは各社のBizdevに共通する事。

大手の配送系、決済系事業会社とのパートナーシップが多いのですが、プロダクト、コーポレートなど社内の他部門と連携しないといけない高度なバランス能力が問われる仕事。社内で一番ドMな部署ですね(笑)。

メルカリの小泉さんのコメントにもある通り、世の中一般的に見てもとてもハードな仕事だということが理解でき、妙な納得感を得ることが出来た。

企画(BizDev)とは何か?

●あらゆる組織を横串でインテグレートする職種。

●企画(BizDev)は、ビジネスの「総合格闘技」

●BizDevは「資産」に向き合う仕事

●専門的な人と協力して、事業をなんとかする人。

このような表現のされ方をしている。では『Biz Dev』のもう少し具体的な仕事内容は?

Bizdevの仕事・求められる資質

●BizDevのやること
1.Make Growth Happen(成長を引き起こす):事業を拡大させるためのあらゆる方法に挑戦する
2.Test the Market(市場をテストする):開発した商品やサービスを市場のニーズに適合させる
3.Evangelize for the Customers(顧客に伝道する):商品の価値を顧客に伝える
4.Build the Network(ネットワークを構築する):外部のパートナーを見つける
●持つべきスキル
1.戦略 (Strategy) : BizDevの中核となる機能であり、長期的な価値を追求するために不可欠なもの。ビジネスの基本的な推進要因、顧客、パートナー、競合、トレードオフ、リスクを理解すること。
2.セールス (Sales) : 組織の中で満たされていないニーズを発見し意思決定者に提供できる価値を明示する。
3.関係管理 (Relationship Management) : 広範囲のネットワークだけでなく、必要に応じて新しい関係の構築や関係性を維持する方法の深い理解が必用です。

Bizdevは「資産」に向き合う仕事

BizDevの仕事はBS(貸借対照表)の資産価値を上げること、営業の仕事はPL(損益計算書)の利益を上げること。

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この定義によれば、Salesは1つのプロダクトで今年度の利益を最大化することを優先します。そして、BizDevは1つのプロダクトの適用範囲を広げ、今後の10年、20年でいかに利益を最大化するかを考えます。さらにこう続ける。「Salesはプロダクトを使い始めてもらうまでが勝負。資産価値を重要視するBizDevは、プロダクトを使う前から、使ってもらって価値が出るところにコミットできるかどうかが重要になります」

事業開発の本質は、新たな価値を提供する仕組みづくり。企業や事業フェーズによって企画(Bizdev)の仕事は異なるが、共通して言えるのは、いずれも「事業として足りない部分を補い、事業価値を高めていく」ということ。その足りないものが機能なのか、販路なのか、売り上げなのか…それらを見極めて補完することで、新たな価値提供の仕組みをつくり上げる。それが、事業開発の本質的な目的。

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では、自社の企画(Biz dev)をうまく進めていくには、どういった点に留意するとよいのか。基本的なポイントを様々なサイトから抜粋してみた。

事業開発の基本ポイント

既存技術の応用で初期投資を抑える
どんな事業も立ち上げ資金の調達は真っ先に立ちはだかる壁に。初期投資を抑えるなら、既存の技術を応用した事業開発から着手するとよいといわれる。クラウドファンディングなど、外部から資金を調達する方法もある。


事業開発を担える人材育成サイクルをつくる
人材育成とチームの意欲を高める環境づくりは、事業開発の成功の要。企画(Biz dev)おいて、熱意やアイデアを持ち、共通の意識を持つ社員を中心に少人数のチームを組織することが望ましい。さらに外部の経験者などから知見を吸収する機会を早い段階から設け、新しい人材を積極的に採用するなど、チームが意欲的になれる環境づくりを行えると理想的。事業開発と人材育成をセットで行える仕組みが出来れば、企業の成長につながる有益なサイクル構築が実現できる。

検証⇒改善をスピーディーに
事業開発の成功には、計画から実行までのスピードだけでなく、検証や改善の結果を判断するまでのスピードも非常に重要。テストマーケティングなどで市場の反応を見ながら、そのフィードバックをできるだけ早く吸収し、サービスやビジネスモデルを柔軟に軌道修正する。このサイクルが、事業開発を軌道に乗せるコツ。


ターゲットとニーズを的確に把握する
事業の種となるのは、顧客が解決したいと願う困りごとやニーズ。仮説だけで終わらせず、事実はどうなのか、対象となる地域や業界のユーザーインタビューを実施するなどしてニーズを検証する。それをもとにターゲットのセグメンテーションを行い、顧客に対してどのような価値を提供できるかを検討していく。


事業開発のシステムを構築する
事業開発をスムーズに進めるには、自社内に事業開発を行う環境や仕組みが整っていることが重要。

営業との連携で視野を広げる
特にメーカーの新規事業で苦労するパターンとして、自社技術の新用途を思いついても、そこにアプローチできる販路を有していないことがある。自社がどのような顧客を持っていて、どのような販路で商品・サービスを提供しているかを見ることで、強みが出せる顧客や販路を明確にする必要がある。
そのためには、販路に関する知識や顧客との接点が豊富な営業との連携は欠かせない。また営業に限らず、企画(Biz dev)のチームにはできるだけ幅広い部署からメンバーを集めると、その分視野や知見が広がる。

これまではBizdevミッションの基本的なポイントを整理してきた。どのようなことをミッションとするのか?が可視化されてきたのではないだろうか。次に『現場担当者が抱える悩み』からよりリアルな現場感のある情報を記載していく。

企画(BizDev)担当者が抱えている悩みとは?

企画(BizDev)担当者が抱えている「悩み」とは?各社のインタビュー記事から口を揃えて、話があがっているのは「リソース不足(業務量が多い)」という内容だった。特に人手が足りない。事業開発を進めることで新たな提携先が見つかれば、自ずと仕事は増える。しかし、従業員数が少ない企業では、事業開発者が運用までを担っているケースも。嬉しい悲鳴のようだが、スピード感をもってドライブしたい企業にとっては深刻な問題である。

悩みはリソース不足以外にも。パートナー企業や社内の他部署とのスピード感のギャップやコミュニケーションについて。

まず最初にメルカリBizdev担当者の悩みとは?

パートナーである大企業とスタートアップであるメルカリとのスピード感/文化の違いですね。「らくらくメルカリ便」で提携をさせていただいている、ヤマト運輸様やクレディセゾン様は、大企業の中でもかなりテキパキとスピード感を持って動いていただいていますが、他の企業では、大企業ゆえに弊社側のスピード感とズレを感じることもあります。一方、スタートアップ側としては、大企業の感覚を「肌感」として理解できる社員ばかりではない。社内と社外の回転数、温度感を調整しながら、二つの組織の間で舵取りしつつ。かつ前にドライブしていかなければならない。そこはすごく苦労しています。

スタートアップにとって、アライアンスを結ぶ相手は大企業であることが多い。突破が困難な大企業を口説くテクニックについて、メルカリにBizdev担当者は、以下のように話してくれた。

キーワードは、キーマンへの「夢」、そして企業への「ご飯」ですね。まずは相手先である大企業のキーマンを見つけて「夢」を語ります。大企業のキーマンの中には、現実に囚われながらも「新しいイニシアチブを起こしたい、変革したい」という高い意識を持ってる人がたくさんいます。そこを上手く「くすぐる」ってあげる。そうすることによって、彼らが大企業の中の「触媒」になってくれるといった効果が見込めるかもしれません。また、キーマンは「夢」で動かせますが、企業は夢だけでは動きません。そこで、対企業には「ご飯」を見せることも重要です。そのために僕はいつも、数字、特にP/Lインパクトを全部シミュレーションして見せています。アップサイドとダウンサイド、今これぐらいですっていうのをなるべく具体的に話して、意思決定者が成功をイメージできるようにしています。もうひとつ、個人的なマインドセットとして大事なのは、相手の言葉を鵜呑みにして引き下がらないこと。「出来ません」と言われてそのまま引っ込んでいたら、何も前へ進まないです。誰が「出来ない」と言っているのか。出来ない理由は何なのか。そういったことを食い下がり掘り下げていけば、時間はかかったとしても突破口は必ず見えます。

他者の協力を得るためにやっていることは?

アライアンス提携はもちろん、事業開発を進めるためには「他者の協力」を得ることが必要不可欠。各社のBizDev担当者はいかにして他者の協力を得ているのか。事業開発を進めていくには、関わる人の数は多く、その人たちが担っている役割や立場もバラバラ。トレタのBizdev担当者は、コミュニケーションをとる相手によって伝え方を変えているという。

相手に合わせた伝え方を意識しています。自分が思っている以上に、人って自分の発言とか態度とか見ていたりします。開発現場での話し方と、営業での話し方とか、その場に適した話し方ってそれぞれ全然違いますよね。あとは、そもそもなぜやらないといけないのかということをきっちり伝える。「何となく分かってくれるんじゃないかな」なんて曖昧な形で話すと、指摘されるのでそこは気を付けてます。

メルカリのBizdev担当者はこのようにも語っている。

組織横断的な知識をもって事業開発に取り組む

事業を進める上でBizDevや開発担当者だけでは判断が難しいことや不明な点は多々あります。その場合、わからないことはわかる人に聞く必要があったり、現場レベルで動かせないことは上のレイヤーで解決する必要があったりするのですが、『わからないことをわかる人に教えてもらえるように聞く』『ものごとが先に進むように話を通す』というのは、実は非常に高いスキルや戦略的なコミュニケーションを要します。「戦略的なコミュニケーション」は言い換えると、「誰にどういう順番でどのように話を通せばこの案件が進むか」を見極めてアプローチするということです。 行政や大企業、中小企業に関わらず、各業界の前提知識を押さえて信用してもらいながら議論を深めたり、ロジックだけで押し通すのではなく、担当者の本当のニーズや課題を引き出したりするコミュニケーションも重要です。

組織横断的な知識を持って、縦横無尽に駆け回りながら、他者と協力をしながら事業をなんとか前に進める。それが「BizDev」の仕事。

Bizdevの「面白さ」とは?

最後に、各社のBizDev担当者が、事業開発の面白さについて語った。そのまとめを紹介する。

メルカリ担当者

事業開発はともすると何でも屋になりがちではあるんですが、逆に自分のコアスキルを活かせるような会社で事業開発ができれば、すごく面白いと思います。メルカリの場合、初物の案件がすごく多く「CtoCで初の導入」といったものが多くあります。既存の事業者さんに普通に申し込めば提携できるという世界ではなくて、そもそも規約に「CtoC業者は受け付けません」って書いてあるようなところもある。そこに穴を打ってそれをこじ開ける。そうして動かしていったものが事業としてカタチに残る、っていうのが事業開発の醍醐味でもあります。


マネーフォワード担当者

世の中の課題を解決するための役割の1つが事業開発だと考えています。仕事の9割9分はキツイことだと思いますが、一人ひとりが「僕はこれを成し遂げないと産まれてきた意味がない」という力強い想いを持って働くと、多くの企業がミッションとして掲げている課題解決が実現されるのではないでしょうか。企業がミッションを実現することで成長すると、日本経済の成長にもつながり、日本という国がさらに良くなるんじゃないかなと思います。課題に対して事業で解決していきたいですね。こういった経験することって正直なかなか難しいと思っています。皆さんの中にある好奇心をどんどん膨らませていくともっと何か大きなことができるんじゃないでしょうか。

トレタ担当者

今日の話を聞いてわかったことは、やっぱりビジョンが重要ということ。ビジョンをきちんと伝えて、いろんな人たちとうまくコミュニケーションを取りながら、周りの人たちの協力を取って引き出す。さらに、社内外のリソースを借りながら、一緒に協働していくことが事業開発なのかなと。そういう意味では個別のスキルというよりも、「総合力」「人間的な魅力」がある人が向いてるのかなと思います。

様々な記事の内容から、今、自身が向き合っている仕事に方向性のズレなどはないことが分かった。

仕事内容が膨大で多岐にわたる企画(Biz dev)。仕事は大変な分、「新しい価値提供の実現」という大きな醍醐味がある。いま持っているスキルや技術を最大限に活かすことができ、それが「事業」というカタチになり、さらに社会の課題解決にもつながるのは、事業開発の最大のやりがいであることが改めて分かった。

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